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連結会計システムとは? 費用相場と主な種類、導入のメリット・注意点

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ITセレクト編集部

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連結会計システムは、親会社とその子会社、関連会社などの複数の企業の財務情報を統合して一元化するためのIT製品/ITシステムです。複雑な企業グループ構造において透明性を確保し、また経営者や投資家へ正確で包括的な財務情報を提供していくにはどうするか。本記事では、連結会計システムで実現する効果、導入メリットと主な機能、そして検討ポイントを詳しく解説します。あなたの会社とビジネスに適する連結会計システムを見つけるための一助となれば幸いです。

連結会計システムとは?

連結会計システムは、企業グループが複数の法人から成る場合に、それらの法人の財務情報を一元化して管理するための会計システムのことを指します。

また企業グループは親会社と子会社で構成され、それぞれが独自の財務情報を有しています。連結会計システムは、これらの異なる法人の財務情報を統合し、グループ全体の財務状態や業績を把握するための手段を提供します。

 

連結会計システムに含まれる主な機能と目的

 

  • 全体財務状態の把握
  • 親会社/子会社の関係の明確化
  • 合併および買収の影響の評価
  • 税務上メリットの最大化
  • 投資家や株主への情報提供

●全体財務状態の把握

連結会計システムを活用することで、親会社と子会社の財務情報を統合し、全体の財務状態を明確に把握することができます。各企業の貸借対照表、損益計算書、キャッシュフロー計算書を統合して一元管理できます。

 

●親会社と子会社の関係の明確化

親会社と子会社の株式保有状況や投資法に基づいて、それぞれの企業の関係を明確化します。持分法や統一仕訳法などの投資法に基づいて、正確な連結処理を行います。

 

●合併および買収の影響の評価

合併や買収が行われた場合、それらの影響を適切に評価します。合併に伴う資産・負債の統合、グッドウィル(買収などによって取得した他社企業の純資産の簿価と取得価格との差額)の処理などを行い、連結会計情報に反映させます。

 

●税務上のメリットの最大化

税務上の最適な処理をすることで、グループ全体で税務上のメリットを最大化します。タックスプランニングに基づいて、税効果的な連結決算を実現します。

 

●投資家や株主への情報提供

連結会計システムは、投資家や株主に対して正確で包括的な財務情報を提供します。特に、投資家や株主に対して透明性を提供し、税務上の最適化を行うことが重要となります。

 

会計システムの導入で得られる大きなメリット

連結会計システムの導入は重要なメリットがあります。以下に、その中でも特に大きなメリットを3つ挙げて解説します。

 

  1. グループ全体の財務可視性を向上できる
  2. 法的コンプライアンスを確保、強化できる
  3. 効率的な経営と資源最適化を図れる

グループ全体の財務可視性を向上できる

連結会計システムは、親会社と子会社など複数の企業の財務データを統合し、一元的かつリアルタイムな可視性を提供します。これにより、グループ全体の財務状態や業績を把握でき、迅速かつ正確な意思決定が可能になります。

 

法的コンプライアンスを確保、強化できる

連結会計システムを活用することで、国内外の法令や会計基準に基づき、法的なコンプライアンスを確保できます。主業務とは異なる領域で事業を展開する場合でも、各地域や分野の要件に適合した連結財務諸表を生成でき、規制要件を満たすことができます。

 

効率的な経営と資源最適化を図れる

連結会計システムにより、企業グループ内での情報共有が円滑になります。これにより、効率的な業務を実現すると共にムダな作業を削減できます。業務プロセスの自動化と合理化により、効率的な経営が可能となります。

 

これらのメリットにより、連結会計システムは企業グループが総合的なビジネス戦略を策定し、効果的に管理するための不可欠なツールとなっています。

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連結会計システム導入時の主な注意点

連結会計システムを導入する際には、どのようなシステムを導入したらよいのか、またその時に気を付けておくポイントはどこにあるのかを解説します。

連結会計システムを導入する際には、慎重かつ戦略的なアプローチが必要です。以下は、連結会計システム導入時に留意すべき主な注意点は以下の通りです。

 

  • データ品質と整合性の確保
  • 法的要件と規制への適合
  • スタッフのトレーニングと変更管理

 

データ品質と整合性の確保

既存のデータを適切に監視し、不正確なデータや重複データを排除することが重要です。各企業の帳簿データが正確に整合し、一貫性が保たれるようにシステムの設定やマッピングを慎重に行いましょう。

 

法的要件と規制への適合

各国・地域の法令や会計基準に対する要件を把握し、システムがこれらに準拠していることを確認しましょう。法的要件や規制が変更された場合にも、システムを迅速かつ正確にアップデートできるように適切なプロセスを確立する必要があります。

 

スタッフのトレーニングと変更管理

スタッフにとってシステムを正確に扱うためのトレーニングは重要です。ユーザーがシステムを正しく操作できるよう、トレーニングプログラムを実施しましょう。システム導入に伴う変更が発生したときでも適切なプロセスを導入し、組織内での理解を高めましょう。その際にはコミュニケーションを重視し、スムーズに移行することが大事です。

 

これらの注意点に留意することで、連結会計システムの導入プロジェクトを効果的かつ成功裡に進めることができます。

 

連結会計システムは自社/グループの「価値向上」に必須となるITシステム

連結会計システムは、企業グループにとって財務可視性の向上、法的コンプライアンスの確保、効率的な経営と資源最適化のために不可欠です。連結会計システムを導入することでグループ全体の経営が向上し、正確で信頼性の高い財務データを得られます。企業グループの透明性と信頼性を向上させ、迅速な意思決定とリスク管理を可能にするでしょう。

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(執筆:合同会社伝心)

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