従業員の勤怠管理において普及が進んだICカード方式には、導入コストやセキュリティリスクのほかに「従業員の柔軟な働き方」の観点で課題となるデメリットが指摘されています。ICカード方式には改めてどんな課題があり、これに対してどんな対策を考えることで解決できるのでしょう。
本記事では、勤怠管理の現状とICカード方式の課題をひもときつつ、企業の効率化と従業員の利便性向上を目指すべく現在主流となりつつある解決方法と手段を解説します。
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目次
勤怠管理の最新状況
勤怠管理の方法は、旧来の紙や手動入力での記録に代わりデジタル技術の活用が一般的になっています。例えると、昭和時代は紙タイムレコーダーのアナログ型から、平成時代にデジタルで管理するICカード型や生体認証型が普及しました。この変化の背景には、労働時間の正確な管理による正確性と業務効率の向上、および従業員への信頼性や安心感をしっかりと提供する環境を目指したい企業のニーズがあります。
デジタル化によって、出社や退勤の時間を正確かつリアルタイムで記録したり、勤怠データを即座に集計したりすることを可能にし、従来よりも効率的で正確な勤怠管理を実現します。どの従業員もオフィスへ出社し勤務することが「当たり前の状況」でしたから、オフィスにICカード設備と記録システムがあれば概ね対応できました。
しかし2020年より流行した感染症の影響で、これまでの当たり前が当たり前ではなくなりました。テレワークがいきなり急激に普及したことにより、勤怠管理の形態やニーズも大きく変わったのです。具体的には「テレワーク対応」などとして場所、あるいは時間の制約を受けずに働く従業員に向けた機能へのニーズが急増しました。
ICカード型は打刻の正確性や不正防止に優れています。ピッとかざすだけでよい簡単さも魅力です。しかし、オフィスに出勤しないと打刻ができない大きなデメリットがあります。この対策として、クラウド型/SaaS型の勤怠管理システムが注目を集めます。テレワーク型の働き方へ対応しやすいことをきっかけに導入を検討する企業が急速に増えました。
SaaS型の勤怠管理システムは、ネット環境と適当な端末、例えばPCやスマートフォンがあればどこからでもアクセス可能で、在宅勤務やフレックスタイム制の従業員が柔軟に対応できます。またインフラからプラットフォーム、操作アプリケーションまでを自社で調達・開発する必要なしに導入できるクラウド型の利点を生かし、初期コストや導入までの準備期間を多く必要としません。容易に勤怠状況の統合管理や集計もできることで、労務管理の効率化にも寄与します。
このように働き方改革や多様な働き方が求められる現代において、SaaS型の勤怠管理システムは多くの企業のニーズに合った柔軟で効率的なソリューションとして注目されています。
ICカード型勤怠管理のデメリット
ICカード型勤怠管理は多くの企業に採用されていますが、現代はいくつかのデメリット、課題が挙がります。これらが運用上の負担となっているのならば、同時に従業員のストレスや効率低下を招く可能性も上がります。ICカード方式で勤怠管理を導入している企業は主に以下のような課題を抱えているようです。あなたの会社はいかがでしょうか、ちょっとチェックしてみてください。
- テレワークに対応できない
- 導入と運用コストが高い
- カードの運用管理が煩雑
- システムに柔軟性がない
- 柔軟なシフト管理に対応できない
- データ連携が難しい
テレワークに対応できない
ICカード方式の勤怠管理システムは多くの場合「オフィスでの打刻が前提」となっているため、在宅勤務やリモートワークでは打刻ができません。これにより、柔軟な働き方へ柔軟に対応することも難しくなっていることでしょう。
特にコロナ禍によって急速に普及したテレワークの働き方となる従業員には不向きです。メールやチャットのような連絡手段を経由するなどし「例外」のように手作業で代替するのであれば確実性は下がりますし、管理側の負担も多くなります。企業全体の勤怠管理の精度や管理工数に影響を与えてしまっているのではないでしょうか。
導入と運用コストが高い
ICカード方式の勤怠管理システムは、専用のICカードリーダーや打刻機器の設置が必要です。これらの機器の導入にかかる初期費用のほか、日常メンテナンス、故障時の修理費用のような運用コストも相応にかかることでしょう。社員数の増加に伴い、追加の機器やカード発行のコストなども必要です。
既にICカード方式のシステムを導入しているならば運用コストも考慮済みとは思いますが、現在新たに導入するならば、特に中小企業にとっては大きなコスト負担となる場合があります。
カードの運用管理が煩雑
ICカード型勤怠管理システムには、運用時に解決すべきいくつかの課題があります。運用する中でICカードの紛失や盗難、カード自体の不具合が頻発した場合、それらの対応に追われることになります。従業員一人ひとりのICカードを管理するという作業自体が手間となり、管理担当者の負担が増大します。
例えば、従業員がICカードを紛失した場合、その再発行やシステムへの再登録といった追加の手続きが必要です。その間、該当従業員の勤怠情報がシステムに正確に記録されないことになるでしょう。また、カードが不具合を起こした場合も対応が遅れ、結果的に管理業務全般の効率が低下してしまいます。このような状況は大きな組織や、ICカードを多く使用する場面では一層深刻化するかもしれません。
こうした課題を克服するために、ICカード型勤怠管理システムの弱点を補える新しい仕組みや工夫を組み合わせることが求められています。例えば、生体認証やクラウド型の勤怠管理システムを併用することで、紛失によるリスクを軽減し、運用中のトラブルを防ぐことが可能になります。このようにICカード管理の課題を補って効率的な勤怠管理を実現する方法を考えるのがよいでしょう。
システムに柔軟性がない
特定のハードウェアに依存するICカード型システムの場合、システムの更新や拡張が求められる段階での対応が難しくなることがあります。例えば、急に従業員数が増えたり、リモートワークを積極的に進めたり、新しいシステムを導入しデータ連携を進めたりしたい場合にこのような柔軟性のなさが問題になります。
特にテレワーク環境を求めるシーンではICカードを用いた打刻は物理的に不可能です。遠隔地や出張時などでも正しく勤怠記録が行えないことも深刻です。このような制約を踏まえた上で、運用方法を見直す必要性を多くの企業が感じています。
古いものなど、システムによってはデータをリアルタイムに管理・把握できないものもあります。管理者が従業員の勤怠状況を即座に把握することが難しくなります。例えば急な勤怠確認が必要な場合や、労務管理上の急な対応が求められる場合に問題が生じやすいです。リアルタイムでデータ確認ができないと、労働時間の過不足や不正打刻の早期発見が困難になります。
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柔軟なシフト管理に対応できない
旧来型システムは、フレックスタイム制や時短勤務のような変則的な勤務スケジュールに対応することも難しい例があります。複雑なシフト管理を必要とする場合、システムの設定や管理が煩雑になり、できないからと手作業など例外対応でカバーする体制ならば正確な勤怠管理が難しくなります。シフトの変更や突発的な勤務変更にも柔軟に対応するのも難しいため、特定の業種や業務形態においては運用に支障をきたす可能性があります。
データ連携が難しい
旧来型システムは勤怠情報の記録こそ大丈夫ながら、他のシステム、例えば給与計算や人事管理システムのような「勤怠情報と結び付けるデータ」とのデータ連携がスムーズに行えない場合があります。勤怠データを「手動」で他のシステムへ入力する体制ならばかなり面倒であり、業務効率は確実に低下します。データの整合性を保つためのチェック作業も増え、ミスが発生するリスクも高まります。デジタル化が進む現代において、このような手間のかかる作業は大きなデメリットとなります。
ICカード勤怠管理のデメリットを克服する方法
ICカード勤怠管理におけるデメリットを克服するためには、その弱点を補完する新たなシステムや技術を導入することが効果的です。ICカード方式だけではカバーしきれない部分、特に「柔軟な働き方への対応」を解消する必要があるでしょう。特に多様化する働き方や労務管理のニーズに対応するために、現状のシステムをアップデートし、より効率的な運用を目指していくのが近道といえます。
具体的な克服方法として挙げられるのが、クラウド型(SaaS型)勤怠管理システムへの刷新、あるいはそれを既存システムと併用することです。SaaS型システムを導入することで、ICカードでの勤怠記録をリアルタイムで反映させたり、スマートフォンアプリでの認証を組み合わせたりすることも想像以上にスッと容易に可能となります。ICカード方式特有の紛失リスクや認証範囲の制約といった物理的な問題もかなり軽減できるでしょう。
またデータは一定以上のセキュリティ体制を確保するクラウドベンダーの環境へセキュアに保管されることで、知識や人員体制に制限のある自社自身で行うよりもセキュリティを強化し、個人情報の漏洩を防ぐ取り組みを簡易化できると考えることもできます。
労働時間の集計や管理機能を高度化できれば従業員の勤務状況を把握しやすく、より確実性の高い勤怠管理管理が可能となります。テレワークやフレックスタイム制といった従業員の柔軟な労働形態にも対応できる機能やカスタマイズの幅があるシステムによって、運用の幅も広がります。
このような補完的な技術とともに、従来のICカード運用にも対応する新たなクラウド型勤怠管理システムへ刷新してしまう、あるいはICカードを必要としない勤怠管理方式への移行も視野に入ってくるかもしれません。
とはいえまずは、出社したならばICカードで、テレワークならばクラウド/SaaS型を使い分ける「併用型」にてクラウド型を追加するのが適正解になることが多いようです。
想定されるシーン
ハイブリッド勤務環境の企業
一部の社員はオフィス勤務、一部はテレワークを実施する場合。オフィス勤務の社員はICカードで打刻、テレワークの社員はSaaS型システムでオンライン打刻する。
出張や外出の従業員が多い企業
営業職やフィールドワークが多い社員が、オフィスにも出張先や外出先にも対応できるシステムを必要とする場合。オフィスではICカードを使用し、外出先や出張先ではSaaS型システムを利用する。
SaaS型勤怠管理システムのメリット
SaaS型勤怠管理システムは近年普及が進んでおり、多くの企業にとって魅力的な選択肢となっています。本章では、SaaS型勤怠管理システムが提供する主なメリットについて詳しく解説します。SaaS型勤怠管理システムの導入により、テレワークや多様な働き方をサポートし、運用の効率化とセキュリティの向上を実現できます。クラウド型ならではの柔軟性が企業にとって大きな利点となりつつあります。
- テレワーク対応が容易になる
- 多様な働き方に対応できる
- リアルタイムで勤怠データを確認できる
- 導入・運用コストを削減できる
- セキュリティを強化できる
テレワーク対応が容易になる
SaaS型勤怠管理システムを導入することで、テレワーク環境への対応が飛躍的に簡単になります。クラウドベースで運用されるSaaS型システムは、適当な端末とネット接続さえあればどこからでもアクセスできるため、オフィスを離れた場合でも効率的に勤怠管理を行うことができる特徴があります。
例えば、従業員が自宅や出張先からスマートフォンやPCを使用して勤怠情報を入力できることにより、リモートワークの出退勤管理が圧倒的にスムーズになります。従来の物理的なタイムカードやICカードを用いた出社ベースの勤怠管理では不可能だった、場所を問わない柔軟な労働環境を実現することが可能です。
SaaS型勤怠管理システム/製品のほとんどは、リアルタイムかつ正確なデータ共有を可能する機能も標準的に備えます。労働時間管理や休暇取得管理もリモート環境で簡単に行える点は、企業の効率向上と従業員満足度の向上の両面で大きなメリットをもたらします。これにより勤怠管理システムの利用者が増え、多様化する働き方や業務ニーズに対応する運用方法の整備が一気に進みます。
多様な働き方に対応できる
SaaS型勤怠管理システムは、多様な働き方へ柔軟に対応できることも大きなメリットです。テ現在の働き方は多様化しており、オフィスでもなく自宅でもない外部施設で稼働するリモートワーク、フレックスタイム制の利用、介護・育児への対応、副業の承認といった需要も近年急速に広まっています。従来型の勤怠管理システムではこれらの新しい働き方の対応が困難な場合が多く、業務に支障をきたすケースもありました。最新ニーズに沿って機能を更新・拡張し続ける特徴のあるSaaS型システムはその柔軟性と拡張性から、こうした新しい働き方への対応も可能となります。
SaaS型システムのこうした特性は、従業員の多様なライフスタイルに寄り添った働き方を支援し、企業の競争力を向上させる重要な要素となるでしょう。迅速な対応と柔軟性は、変化の激しい現代社会において、企業が労務管理を効率化しつつ従業員の満足度を高めるための鍵ともいえます。
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リアルタイムで勤怠データを共有できる
SaaS型勤怠管理システムを導入すると、リアルタイムで勤怠データの共有が可能になります。クラウド上でデータを管理するため、情報が即座に更新されることで、どの場所からでもアクセスが可能となる仕組みが特徴です。例えば管理者が本社で勤務していても、支店の従業員の出退勤状況をすぐに確認でき、さらにチーム全体の勤務時間の調整をスムーズに行うことができる利点があります。
勤怠データをリアルタイムで共有することで、業務運営の効率化につながり、意思決定も迅速に行えるようになります。これにより、従業員とのコミュニケーションや問題解決もスピーディーに行えるようになり、全体的な業務フローが向上するでしょう。クラウドを活用した勤怠管理システムは、企業の規模や働き方に関わらず導入価値の高いシステムと言えます。
導入・運用コストを削減できる
SaaS型勤怠管理システムは、企業にとって導入や運用にかかるコストを削減できる点が大きなメリットです。従来の勤怠管理システムでは、専用機器の購入や設定、保守のための費用が必要でしたが、SaaS型ではクラウドベースのサービスを利用することでこれらの大部分が不要になります。また、初期投資を抑えられ、その後の料金も利用規模=多くは利用人数に応じて変化する月額あるいは年額制の料金プランによって設定されるため、企業の予算に応じて柔軟に運用が可能です。
既存システムは、ICカードリーダーといった専用端末の購入や、定期的な保守契約が必要になることが多いと思います。一方でSaaS型の勤怠管理システムは、その代替として月額料金を支払う形式となり、クラウドを通じた自動的なシステムの更新やサポートが含まれるため、こうした物理的な機器管理の手間やコストを多くの場合省くことができます。
さらに、SaaS型勤怠管理システムを導入することで業務の効率化を実現する可能性も広がります。導入の容易さと省コスト性は、特に規模が小さな企業や、クラウド技術を活用した効率的な勤務管理を目指す企業にとって大きな魅力となるでしょう。こうした特徴から、SaaS型勤怠管理システムは企業の管理コストを削減しつつ運用効率を高める有効な解決策として選ばれることが増えています。
セキュリティを強化できる
SaaS型勤怠管理システムは、高度なセキュリティ対策により、情報漏洩リスクを低減することが可能です。クラウドサービスを提供するプロバイダ(サービス提供会社)は、データの暗号化や多要素認証といったセキュリティ機能を標準的に備えており、多くの場合、自社独自で管理するよりも高いレベルでの体制を享受できます。機微な勤怠情報や個人情報が不正アクセスや改ざんされるリスクを大幅に軽減できます。
例えばSaaS型勤怠管理システムでは、不正アクセスを未然に防ぐために二要素認証やIPアドレス制限を設定する機能も多くの場合標準的に備わっています。二要素認証とは「ユーザーだけが知っている何か(PINなど)」「ユーザーだけが所有している何か(自身のスマホなど)」「ユーザー自身の特性(指紋など)」のうち2つ以上の要素を組み合わせて認証する方法のことです。SaaS型システムではスマホ対応も今や当たり前の機能であるためスマホも組み合わせた強化型セキュリティ対策も容易に実現でき、このような多層的なセキュリティ対策を用いることで勤怠データの安全性を高めるだけでなく、システム全体の信頼性も向上します。また、システムの更新や管理が自動化されているため、セキュリティ機能の最新状態を維持できるのも大きなメリットです。
さらに、ユーザーのアクセス状況をリアルタイムで把握し、不審な動きがあった場合にアラートを発するといった機能も備わります。これにより、従業員の勤怠データや個人情報がより安全に保存、活用される環境を実現できます。このようにSaaS型はただの勤怠記録システムではなく、組織全体のセキュリティ水準を向上させるツールとしても非常に有効となるでしょう。
ICカード方式とSaaS型を併用するシーンも多い
勤怠管理においてICカード型とSaaS型システムを併用することも選択肢の1つです。既存のシステムはそのままに、テレワーク対応など足りない機能をSaaS型で補完するといったように、それぞれの弱点を補完することで効率的な運用を目指します。ICカードの手軽さとSaaS型の柔軟性を組み合わせることで、データ共有の向上や分散型チームの管理を解決する選択肢となります。
勤怠管理システムにおいてICカード方式とSaaS型を併用するシーン
ICカード型とSaaS型の勤怠管理システムを併用することで、異なる勤怠管理のニーズに柔軟に対応することが可能です。ICカード型は主にオフィスや工場のような固定された場所で勤務する従業員の勤怠管理に適しています。一方のSaaS型はリモートワークや外出が多い従業員に向いています。それぞれのシステムの強みを生かすことで、従業員がどこにいても正確な勤怠データを収集し、管理できる環境を整えられるといえます。
例えばリモートワークを一部導入している企業では、オフィス勤務の従業員はICカードで出退勤を記録し、リモート勤務者や出張者はSaaS型システムを使用してオンラインで勤怠報告を行うことができます。このように役割を分担することで、システムの利便性と効率性が大幅に向上します。また、ICカードの利用が困難な現場作業員がいる場合、SaaS型を補助的に活用することでそれぞれの勤務状況やデータを管理可能です。
働き方が多様化している現代において、既存のICカード型と新しいSaaS型の併用は意外ではありつつも現実的な有効な解決策ではないでしょうか。この併用により、勤怠データの正確性やセキュリティを維持したまま、従業員の働き方に応じた柔軟で効率的な勤怠管理が実現します。企業規模や業態に応じた最適な組み合わせを考慮することで、勤怠管理における課題の解決が可能になるでしょう。
勤怠管理システム ICカード方式とSaaS型の併用で必要となる要素
ICカード方式の勤怠管理システムとSaaS勤怠管理システムを効率的に併用するには、両者が連携可能なシステム構築が必要です。多くの場合、あとから入れるSaaS型システムに適切なデータ連携機能が備わっていることが基礎条件となるでしょう。
例えば、ICカードで取得した出退勤データをSaaSシステムへスムーズに取り込むために、API連携、あるいはデータフォーマットの互換性を確保することが求められます。システムのフロントページと管理画面の一元化も必要です。どちらをメインにするか、となるでしょう。出退勤記録のチェックや勤怠データの修正作業を1つのダッシュボードで行える環境を整備することで、各種勤怠管理業務を円滑に行うことが可能になります。
また勤怠のデータはICカード方式の併用のための連携だけでなく、勤怠情報と関連する他のシステム、例えば給与計算システム、シフト管理システム、経費精算システム、人事管理システム、あるいは統合業務基盤であるERPなどとシームレスにデータを連携できれば、さらなる確実性の向上と業務の効率化が期待できます。他システムとのデータ連携やカスタマイズの柔軟性を強みとする機能を備えた最新のSaaS型製品ならば、このことを実現できる可能性が古い既存システムを使い続けるよりも高いと考えられます。
このように、ICカード型の物理的実務とSaaS型の柔軟かつリアルタイム性を活用することで、それぞれのシステムのメリットを生かした運用体制を実現できます。特に連携の精度と操作性の整合性を高めることが今後の効率化を最大限に推進する鍵となるでしょう。
ICカード方式の勤怠管理だけではデメリットが多い SaaS型の導入/併用の検討が近道
ICカード型の勤怠管理システムは、効率性と利便性に優れ、多くの企業に採用されています。その一方で柔軟性に欠ける点、さらに運用上の煩雑さなどいくつかの課題も抱えているかもしれません。労働環境や働き方の多様化が進む現代において、ICカード型だけでは時代のニーズに十分応えられない場合があります。
こういった課題を解決し、より効率的で柔軟な勤怠管理を実現するために、クラウド/SaaS型勤怠管理システムの導入または併用が有効となるでしょう。SaaS型勤怠管理システムは設定や管理が柔軟であり、データ連携目的の機能、各種申請や労務管理などの機能の充実を強みにする製品が多くあります。自社の勤怠管理システムを効果的に活用するために、ICカード型のメリットを生かしつつ、SaaS型との併用を試みるのも1つの手段です。このようなハイブリッド型のアプローチも一案にコスト削減や生産性向上を実現しつつ、従業員にも優しい勤怠管理環境を実現していきましょう。
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