ITセレクト powered by 発注ナビ

「電子帳簿保存法」対応のシステムは必要? まだ間に合う? 気になる疑問、対策手段を分かりやすく解説

author
ITセレクト編集部

更新

SHARE
X
Facebook
LINE
はてなブックマーク

 

2024年1月より、電子帳簿保存法における「電子取引における電子データの保存」が完全義務化されました。企業は電子取引を行った電子データに関しては「電子データのまま保存“しなければならない”」ことになります。一方、紙の書類に関しては電子化して保存しやすくなってもいます。

書類の電子保存にはさまざまなメリットがある一方で、「結局どうすればいいのか」と多くの不安や疑問もあるでしょう。

本記事では、電子帳簿保存法の基礎から、よくある疑問の確認、そして電子帳簿保存法に対応したシステムの選び方までをご紹介します。

 

「自社に合う製品が分からない」

「時間をかけず効率的にサービスを検討したい」

\そんなときはITセレクトの相談専門スタッフが、ニーズに合った製品をご紹介します/

今すぐ無料相談する

「電子帳簿保存法」対応システムの基礎知識

電子帳簿保存法は、企業の帳簿や書類を電子的に管理し、保存することを規定する法律です。

ここからは、電子帳簿保存法の概要や、対応する上で重要なポイントを解説します。

電子帳簿保存法とは

電子帳簿保存法は、帳簿や書類などの電子データ管理を規定する法律です。「真実性の確保」と「可視性の確保」の2つを重要な要件としています。

真実性の確保とは、保存された電子データが改ざんされていないと証明できることです。可視性の確保とは、保存された電子データを検索できることです。

元々は1998年7月に施行された法律で、書類の電子化の取り組みが段階的に行われていました。しかし、制限事項が多いまま運用されていることが課題となっていました。その課題を改善するために2021年に改正が行われ、2022年1月に施行されました。

改正の主なポイントは2つ。「電子データを保存する際の要件が緩和された」ことと、「電子取引の場合は電子データの保存が義務化された」ことです。

特に電子データの保存義務化は企業への影響が大きいかもしれません。システムや業務、タスクそれぞれ個別に対応するのでは手間も時間もかかります。その背景から「電子帳簿保存法へ適切に対応可能」とうたうITシステムの導入が強く求められるようになっています。

 

2024年1月からの対応ポイントをおさらい

電子帳簿保存法の施行は2022年1月1日ですが、2023年12月31日までの2年間は宥恕(ゆうじょ)措置として、改正法に準拠するための期間となっていました。

なお、この期間終了後も新たな猶予措置が整備され、一定の要件を満たす場合には猶予されます。しかしこの措置はいつまで継続されるか2024年3月現在は不明です。もし「対応まだ」の企業は早めの対応が求められます。

原則として2024年3月現在は、電子帳簿保存法への完全な準拠が求められます。企業は以下3つの保存制度を理解し、書類に応じて適切な保存が必要になります。

電子帳簿保存

企業が会計ソフトウェアなどを用いて電子的に作成した帳簿や書類は「電子データのまま保存」することが定められています。

例えば、売上帳、仕訳帳、財務諸表など。電子的に作成した会計に関わるすべての記録は、電子データとして保存・保管します。

 

スキャナ保存

領収書や請求書などの紙の書類は、カメラやスキャナーなどを使ってデジタル化し、その画像ファイルを「主」として管理できます。

スマートフォンのカメラで書類を写し、それをアップロードして管理できるIT製品もあります。

 

電子取引

メールや電子取引プラットフォームを通じて送受信される書類、取引情報は電子データのまま保存します。

例えば、電子の注文書や契約書、電子インボイスなどが含まれます。

 

「まだ間に合う?」「何が違反になる?」改正電子帳簿保存法のQ&A

電子帳簿保存法は、DX対応も進む現在、ほぼすべての企業が関連するといえるでしょう。

国税庁「電子帳簿等保存制度特設サイト」の質疑事例より、この改正法に関するよくある質問を抜粋し、企業がどのように対応すべきかを解説します。

参考 国税庁「電子帳簿等保存制度特設サイト」

Q:電子帳簿保存法はどんなシステムで対応できる?

電子帳簿保存法への適切な対応には、オンラインで受け取った領収書や、紙で保存できないデータを適切に管理できるよう設計されたIT製品の導入が近道です。

例えばどんな製品か。一例として「JIIMA認証」を受けた製品が有効です。

JIIMA認証(電子取引ソフト法的要件)とは、サービスが電子帳簿保存法の要件を満たしているかをチェックし、法的要件を満たしていると判断したものを認証する制度です。

この認証を受けているサービス、製品であれば法規準拠とリスク回避の両面で安心できそうです。

 

Q:電子帳簿保存法に対応しないとどうなるの? ルール違反したらどうなるの?

電子帳簿保存法は法律です。原則として違反した場合は罰則があります。企業は税務上の不利益や罰則を受ける可能性があります。

特に「帳簿や書類の真実性や可視性が確保されていない」ことには注意が必要です。税務調査で問題が発生するリスクが高まります。税務署による罰金や追徴課税の原因となる場合もあり、企業の信頼性や財務状況に悪影響を及ぼすことが考えられます。

 

Q:すべて電子帳簿にしなければならないの?

電子帳簿保存法では、「電子データ」で送受信された請求書等の書類や取引情報に関しては「そのまま電子データとして保存する」必要があります。

例えば、電子データをプリントアウトし、紙で保存する対応は不可となります。

送受信する媒体が「紙」ならば「紙のまま」でも問題ありません。

 

Q:電子帳簿保存法の対象となるものは具体的に何?

電子帳簿保存法の範囲は電子取引に対してとなります。

電子取引を行っていない企業や、電子取引以外の取引に関しては、従来通りの紙の保存で問題ありません。

 

Q:電子帳簿保存法において、PCなどがない場合はどうすればいいの?

会社の、あるいは適当なPCがない場合でも、法規準拠のための代替策は存在します。

例えばクラウド型のIT製品を利用し、PCでなくとも、スマートフォン、タブレットなどインターネットに接続できる端末を用いて対応することが可能です。

 

Q:手書きの帳簿は電子化できますか? 電子保存が認められていない書類もあるの?

紙で受け取った書類は、スキャナ保存制度に従って電子化した上で保存が可能です。

しかし、手書きの書類の電子化は認められていません。

帳簿以外に、手書きで作成した総勘定元帳や買掛帳、仕入帳などは紙での保管が義務付けられます。

なお、電子保存が認められていない書類は他にも存在するため、各書類の性質もあらためて確認しておくとよいでしょう。

参考 国税庁「電子帳簿保存法一問一答【スキャナ保存関係】」

 

Q:領収書/レシートは紙で保存してもいいの?

領収書やレシートについて、電子データとして受け取った場合は電子データのまま保存することが義務付けられます。紙で受け取った場合は「紙で保存」しても問題ありません。

電子化する場合は、スキャナ保存制度に基づいて電子化と適切な管理を行います。

 

電子帳簿保存対応システムを導入するメリット

電子帳簿保存システムの導入には、さまざまなメリットがあります。

ここからは、そのメリットについて詳しく解説します。

(1) 効率化と時間節約

電子帳簿保存システムを導入する最大のメリットは、帳簿管理の効率化です。

紙ベースの帳簿と比べて、データの入力、整理、検索を迅速に行えるようになり、大幅な時間節約が可能になります。

 

(2)精度の向上とエラーの削減

電子化により、入力ミスや計算エラーを削減し、帳簿の精度を向上できます。

また、多くのシステムに備わる自動計算機能やエラーチェック機能を有効に活用することで、より正確なデータの管理が可能になります。

 

(3)法規準拠の容易化

電子帳簿保存法に準拠する要件をシステムがサポートするため、法規制の遵守が容易になります。

また、適切な電子帳簿システムを導入することで、最新の法令変更にも柔軟に対応できます。

 

(4)アクセスと共有の容易さ

クラウドベースのシステムを利用することで、どこからでも容易にアクセスが可能になります。

遠隔地のチームメンバーや監査員とのデータ共有も簡単にできます。

 

電子帳簿保存法対応システムの選び方

自社に合った電子帳簿保存法対応システムを選ぶためには、いくつかのポイントがあります。

ここからは、システムを選ぶときのポイントについて解説します。

法規準拠と要件定義

システム選びの優先事項は、電子帳簿保存法の要件を満たし、それに準じたセキュリティ性を有していることです。自社の業務フローの再確認と棚卸しとともに、製品導入における「自社の要件」を定めましょう。

JIIMA認証などの認証を受けたシステムは一定の信頼度があるとみなせます。システム選定において確認するとよいでしょう。

 

「要件をどのように定めればいいのか分からない」

「自社に合う製品が分からない」

「時間をかけず効率的にサービスを検討したい」

\そんなときはITセレクトの相談専門スタッフが、ニーズに合った製品をご紹介します/

今すぐ無料相談する

ユーザビリティと機能性

システムの使いやすさや、必要な機能が備わっているかも重要です。

直感的に操作できるかどうかや、必要な機能が備わっているか確認しましょう。

また、スマートフォンに対応しているかどうかや、拡張性やカスタマイズのしやすさも合わせて確認しましょう。

 

コストパフォーマンス

自社に必要な機能を洗い出した上で、費用対効果を考慮して判断しましょう。

このとき、導入コストだけでなく、その後の運用コストも含めて総合的に判断しましょう。

多くの帳簿保存システムには、無料トライアルや無料プランがあります。自社に必要な要件を満たしているか確認するためにもそれらを積極的に活用し、「試用」した上で検討材料にしていくとよいでしょう。

 

サポートとメンテナンス

導入後のサポート体制や、メンテナンスのしやすさも重要です。

問題発生時の対応速度やサポートの質が、安定したシステム運用には必要不可欠です。

サポートの時間だけでなく、サポート方法がメールやチャット対応なのか、電話対応もあるのかも確認しておきましょう。

 

「電子帳簿保存法対応」製品で、法的準拠と業務の効率化を両立させよう

電子帳簿保存法対応システムの導入は、電子取引を行う企業にとって必要不可欠と言っても過言ではありません。

また、適切なシステムを導入することは、法規制の遵守を容易にするだけでなく、効率的な電子データ管理にもつながります。自社にあったシステムを導入することで、法的準拠と業務の効率化を両立させましょう。

「自社に合うIT製品・サービスが分からない」「時間をかけずに効率的にサービスを検討したい」というご担当者様は、ぜひITセレクトの専門スタッフまでお問い合わせください。適切なIT製品・サービス選定を最後までサポートいたします。

 

今すぐ資料請求できる「帳票システム」製品一覧

 無料で資料ダウンロード可能な製品はこちら

専門スタッフへ相談

会社名必須
お名前必須
部署名必須
日中つながる電話番号必須
メールアドレス必須
ご質問・ご要望等任意

専門スタッフへのご要望を記載ください(例:2ヶ月後までに勤怠管理システムを導入したい 等)

ご確認事項

  • ご登録いただいた情報は、共同事業者である発注ナビ株式会社(以下「発注ナビ」といいます)が取得いたします(発注ナビはアイティメディア株式会社の100%子会社です)。
  • 案件の詳細をお伺いするため、発注ナビよりご連絡差し上げる場合があります。

お申込みには、発注ナビ株式会社の「利用規約」「個人情報の取り扱い」及び発注ナビからのメール受信への同意が必要です。

ユーザーレビューランキング

順位製品名概要
1
SVF Cloud
SVF Cloudは、累積社数32,900社※を超える帳票基盤ソリューション「SVF」の機能を手軽かつ安価に利用することができる、帳票の作成と出力ができるクラウドサービスです。

帳票レイアウトと、各種クラウドサービスやユーザーアプリケーションなどのデータを組み合わせて、帳票を作成。現場のあらゆるニーズに応える美しい帳票を作成、多様な出力・配信方法に対応します。

|SVF Cloudの2つのモデル
  1. SalesforceやServiceNowのような特定のクラウドアプリケーションユーザー向けの帳票クラウドサービスモデル
  2. 連携インターフェースを提供することでクラウド、オンプレミスを問わず必要な業務システムからの印刷出力を実現するモデル

※パッケージ版とクラウド版の合計値(2023年2月末)
※出典元:株式会社デロイトトーマツミック経済研究所 「帳票設計・運用製品の競合調査2022年度版」(帳票運用製品)



2
freee会計
freee会計は、会計、経費精算、ワークフロー、請求管理、債権債務管理が一つのシステムで実現可能は収集・計算・レポートまでシームレスにつながる統合型会計システムです。
銀行明細の取り込みやデータの連携で業務の無駄を削減しながら、リアルタイムな経営分析が可能です。
さまざまなサービスと自動連携できる拡張性を有しており、効率化と経営強化を一度に実現できます。

会計業務において、このような課題はございませんか?
・ミスのない会計を実現したい
・会計担当者の業務の負担が大きい
・会計状況をタイムリーに把握できない

freee会計なら、業務の負荷軽減・コスト削減・組織の成長促進を同時に実現可能です。

<freee会計でできること>
■クラウド完結の社内申請で紙、エクセル業務から脱却                                                        
freeeなら、クラウド上で申請、承認、会計業務が全て完結。
ペーパーレス化を実現することで、申請状況をいつでもどこでも確認できます。
インボイス制度や電子帳簿保存方法の改正にも完全対応しています。

■リアルタイムな予実管理により月々の収支を見える化
AIの自動仕訳を元に作成されたレポートから、月々の資金繰り状況を手軽に把握することができます。
事業別の売上データもリアルタイムに可視化・比較できるため、迅速な経営判断に寄与します。

■統合マスタの活用で月次決算の早期化を実現
freeeなら1つの統合データベースで情報を一元管理。
請求書に紐づいた売掛金の自動登録や部門別・プロジェクト別の損益自動集計など、あらゆる作業を、月次決算の圧倒的早期化を実現します。
3
invoiceAgent
invoceAgent(インボイスエージェント)は、電子取引から文書管理までがオールインワンのソリューションです。
請求書、納品書、検収書、などあらゆる商取引に関わる帳票の送受信から管理までを一括で行えます。
 
|invoceAgentでできること
・文書の受領、配信、保管をワンプラットフォームで一元管理
・請求書等の郵送業務の電子化で業務効率化&コスト削減
・図面や社内文書をセキュアに、かつリアルタイムで共有
・電子帳簿保存法、インボイス制度、Peppol対応

SaaSって何? セキュリティは大丈夫? 「SaaS導入」でよくある疑問 10選

近年、ビジネスと業務のデジタル化(DX)が進み、多くの企業が効率化とコスト削減の方法を求めています。従来の業務ソフトウェアを購入する形態に代わって、一般企業でもクラウド型、特に「SaaS」と呼ばれるIT製品を利用するシーンが主流になってきています。 そういえば、SaaSとは一体何なのでしょうか? 本記事では、SaaSの定義やメリットとデメリットをあらためて確認するとともに、中でも「SaaS導入時によくある疑問」をひもといて解説していきます。SaaSがどのようにしてビジネスを変えるのか、どんな製品があり、何を解決してくれるのか──の理解を深めていきましょう。 「DX化のための業務シ […]

thumbnail

    帳票システムとは? 主な機能と導入メリット、失敗しない選定方法|おすすめ製品6選

    企業が取り扱う見積書や発注書、請求書、納品書などは従来、紙が利用されていました。ただし紙だと印刷や送付に多大な手間がかかります。管理・保管の工数も多く必要です。電子帳簿保存法の施行とともに、こうした書類は電子媒体で保存することも認められます。逆に、電子データの帳簿類は紙で保存できなくなりました。 この対策には「帳票システム」の導入が有効です。一元化するデータとともに電帳法に準拠した帳票業務の整理と管理が可能になります。社内全体、他システムと連携活用していくニーズに応えることも容易になります。 本記事では帳票システムを導入する際の効果やメリットと主な機能、検討ポイントについて解説していきます。あ […]

    thumbnail

      電子帳票システムとは? 主な役割と導入のメリット、選び方と注意点

      電子帳票システムとは、請求書や見積書、納品書などの帳票を電子化し、一元管理するシステムです。従来は紙で行われていた帳票の管理をシステム上で行うことで、作業を効率化しながらコストの削減も可能になります。 2024年1月から義務付けられる電子帳簿保存法の改正に備え、電子帳簿システムは広く普及しました。今回は電子帳票システムの概要と種類、導入のメリットや注意点についてご紹介します。 「電子帳票システム」とは何か?電子帳票システムの選び方と注意点「電子帳票システム」の導入事例「電子帳票システム」に関する最新トピックス、技術動向電子帳票システムを導入し、効率アップと法令への対応を両立させよう今すぐ資料請 […]

      thumbnail

        カテゴリー関連記事

        関連記事をもっと見る

        この記事と同じカテゴリーの製品

        SVF Cloud
        invoiceAgent
        freee請求書
        freee会計

        製品をもっと見る