シフト管理システムは、従業員の勤務シフトをクラウド上で一元管理できるシステムです。シフト作成・調整にシステムを導入すれば、労働基準法違反を防ぎながら従業員が希望するシフトを組めるようになるなど、シフト管理にかかる手間の削減と法令違反のリスクを回避できます。
今回はシフト管理システムで利用できる主な機能と、導入にともなうメリット・デメリット、おすすめ製品4選をご紹介します。
目次
シフト管理システムの主な機能
シフト管理は、店長や管理者の重要な業務です。担当者は従業員の希望を叶えるシフトを組めるように頭を悩ませていますが、システムを導入し以下の機能を活用することで、希望を反映するシフトを効率よく作成できます。
シフト作成/自動化機能
シフト管理システムでは、従業員が提出した希望シフトを集計し、店舗内の状況を考慮したシフトを自動生成できます。適切な人数を配分するだけでなく、スタッフの役職やスキルなどを反映させたシフトも作成可能です。
また、多くの製品は、連続勤務日数や高校生の勤務禁止時間帯といった労働基準法の準拠を軸に、その他関連する法令なども考慮して設計されています。気がつかないうちに法令に違反しているというリスクを避けられます。
希望シフト提出機能
従業員側からの希望シフト提出もシステムで受け付けられ、専用のWebページやアプリを通じて希望シフトを提出できます。近年ではLINEから提出できるシステムが増えており、従業員側に負担をかけずに希望シフトを受け取れるようになりました。
期日までに希望シフトを提出していない従業員には自動的にリマインドをしてくれるため、提出率の向上も期待できます
シフト調整機能
提出された希望シフトから自動生成されたシフトは、その時点ではまだ仮の状態です。希望シフト提出後に寄せられる追加の希望や、繁忙期・閑散期などの兼ね合いなどを考慮した微調整が可能です。システムによっては、グループ店舗からのヘルプスタッフ手配も可能です。
シフト共有機能
調整終、シフトが確定するとシステムが自動的に従業員へシフトを送信します。送信にはメールやアプリ、LINEなどが利用できるため、従業員はスマホ上で確認が可能です。店舗のバックヤードに掲示するプリントアウトの内容も、日別・週別・従業員別などのパターンに分けて印刷できます。
シフト管理システムの導入効果と主な管理機能
ここまで解説した機能を含め、シフト管理システムでは以下の機能が利用できます。シフトの管理だけでなく労務管理機能も多く含まれています。
機能 | 説明 |
勤怠管理機能 | 従業員の出勤記録、シフト状況を記録・管理 |
給与計算機能 | 従業員の出勤日数を基準に給与を計算 |
タイムカード管理機能 | 従業員の出退勤をアプリやLINEで登録 |
就業形態管理機能 | 従業員の就業形態を管理 |
レポート作成機能 | 従業員の勤務状況を集計しレポートを作成 |
セキュリティ | ツールへのアクセス制限や従業員向けアプリのアカウント管理など |
シフト管理システムは、店舗に所属する従業員の勤怠管理を中心に、給与計算から就業形態まで従業員のシフトに関する情報を一元管理できます。また、従業員の勤務状況や人件費推移など、エリアマネージャーや本社に提出するレポートの作成も可能です。従業員が退職した後のアクセス権限変更など、情報漏洩を防ぐセキュリティ機能もシフト管理システムに含まれます。
シフト管理システムのメリットとデメリット、向く業種
手作業で行うと煩雑な従業員の勤怠管理は、シフト管理システムの導入で自動化・効率化が期待できる一方、すべての面においてプラスになるとはいえません。システムの導入には、具体的にどのようなメリット・デメリットがあるのでしょうか。
シフト管理システムのメリット
シフト管理システムの導入により、シフト管理にかかる時間や担当者の手間を大幅に削減できます。また手作業では発生しがちなミスも減らせます。システムの自動化やアラート機能により、ミスを防止する仕組みになるからです。
また、一定のルールを設定したシフト管理システムなら、人員を過剰に配置するようなシフト作成を防げますので、人件費の削減も期待できます。
シフト管理システム導入のデメリット・注意点
シフト管理システムの導入には、初期費用や毎月の利用料など一定の費用が発生します。小規模店舗向けの安価な製品もありますが、機能が増えるほどコストも引き上がる傾向があります。また、企業や店舗独自のルールや特定の従業員への配慮をシステムが反映しきれない場合もあるため、期待している通りの成果を出せない場合もあるでしょう。
また、費用やルールの面をクリアし導入した後には従業員に使い方を教えるための教育コストが発生することも注意点の1つです。
シフト管理システムの早期導入が向く業種
シフト管理システムは、特に以下の業種、企業への導入に適しています。
- 小売業
- サービス業
- 飲食店
これらの業種には、さまざまな勤務体系/雇用体系の従業員がおり、一般的に夜勤や早番・遅番などの交代シフト制が導入されていることが多いです。全従業員が同じ勤務時間ではなく、休日も一定ではないため、毎月のシフト管理は非常に煩雑になりがちです。
またパートタイマーやアルバイトなど、従業員によって雇用条件も大きく異なります。各従業員の希望を考慮したシフトを組むためにも、仮シフトの自動作成や画面上でのシフト調整が容易なシフト管理システムの導入がおすすめです。
【無料トライアルあり】【法人向け】おすすめのシフト管理システム2選
シフト管理システムは、利用できる機能ごとに法人向けと個人向けに分類されます。ここでは法人向けのシフト管理システムをご紹介します。(製品名abcあいうえお順)
ジョブカン勤怠管理
初期費用 | 無料 |
月額費用 | 1ユーザーあたり200~500円
※500名以上は要問い合わせ |
主な機能 | ・出勤管理 ・シフト管理 ・休暇・申請管理・工数管理 |
特徴 | ・料金は機能数(1~4機能)に応じて変化 ・LINE、Slack、顔認証など多彩な打刻方法・外国語表示(英語、韓国語、スペイン語、タイ語、中国語、ベトナム語)・超過労働時にアラート発出 |
無料トライアルの有無 | あり ※30日 |
ポイント | ジョブカン勤怠管理は出勤管理やシフト管理など、従業員の労働環境管理機能が豊富なシフト管理システムです。顔認証、ICカード打刻やチャットツールでの打刻など、外部連携により多彩な打刻方法の採用が可能です。少人数店舗から500名以上の大規模グループまで、幅広い規模のビジネスに対応します。 |
ベンダーのWebサイト | https://jobcan.ne.jp/ |
マネーフォワード クラウド勤怠
初期費用 | 無料 |
月額費用 | ・法人向け:基本料金(2980円~)+従量課金(従業員1名あたり300円~) |
主な機能 | ・勤怠管理
・シフト管理 ・ワークフロー ・異動履歴管理 ・休暇管理 ・アラート機能 ・打刻丸め機能 ・インポート・エクスポート機能 |
特徴 | ・マネーフォワードクラウド給与などとの連携可
・勤怠状況の確認・集計・分析 ・各種手続きをシステム上で申請・承認可 ・働き方改革対応機能で長時間労働などにアラート発出 |
無料トライアルの有無 | あり |
ポイント | マネーフォワード クラウド勤怠は、従業員の勤怠情報を確認・集計・分析可能な勤怠管理システムです。シフト作成・管理はもちろん、従業員の異動履歴や休暇管理など、労務情報を総合的に管理できます。マネーフォワードクラウド給与と連携し、勤務シフトに応じた給与計算を自動的に行えます。 |
ベンダーのWebサイト | https://biz.moneyforward.com/attendance/ |
【無料プランあり】【個人事業主~小規模ビジネス向け】おすすめのシフト管理システム2選
法人向けのシフト管理システムに対し、個人事業主~小規模ビジネス向けは機能を絞りつつ、従業員も手軽に使えるようシンプルな構成となっています。ここでは個人事業主向けのシフト管理システムを2製品ご紹介します。
Microsoft Teams/Shiftsアプリ
初期費用 | 無料 ※Microsoft Teams内機能 |
月額費用 | 無料 ※Microsoft Teams内機能 |
主な機能 | ・スケジュール機能
・グループ機能 ・タイムクロック(出退勤)機能 ・リクエスト(休暇等申請)機能 ・シフト追加機能 ・共有機能 |
特徴 | ・Microsoft Teams内機能のため、Teams有料プラン利用者は追加費用なし |
無料トライアルの有無 | なし |
ポイント | ShiftsはMicrosoft Teams有料版で利用できるシフト管理システムです。シフト作成機能や出退勤管理、休暇申請といった一般的な機能に加え、メンバーをチーム単位で管理するグループ機能やスケジュールのチーム共有機能など、小〜中規模の管理に役立つ機能が搭載されています。Teamsアプリをインストールすれば、スマホを使ったコミュニケーションも可能です。 |
ベンダーのWebサイト | https://www.microsoft.com/ja-jp/microsoft-teams/group-chat-software |