現代の企業には、正確で効率的な業務運用管理が強く求められています。例えば、小売り販売業務を行う企業は、受注、在庫、売上、顧客情報管理などさまざまな情報を的確に管理し、そしてそのデータを活用することで販売業務の「効率化」と「正確性の向上」を果たせます。
それを実現、サポートするIT製品が「販売管理システム」「販売管理ソフト」です。
Excelなどの汎用ソフトウェアで行う管理も思い浮かびますが、それは旧来型かもしれません。進んでいる企業は、販売管理に特化した専用システムを用いることで効率化やコスト削減を果たしています。
本記事では、販売管理システム/ソフトウェアについての基礎から、主な機能、メリットとデメリット、そしておすすめの販売管理ソフトまでをご紹介します。
もし「自社に合うIT製品・サービスが分からない」「時間をかけずに効率的にサービスを検討したい」というご担当者様はITセレクトの専門スタッフまで気軽にお問い合わせください(無料です)。適切なIT製品・サービス選定を最後までサポートいたします。
目次
販売管理をまだアナログ型/Excelで行っている小規模企業にありがちな課題
販売管理をアナログ手段やExcelで行うと、様々な課題が発生します。アナログな手段では入力ミスのリスクが増え、業務効率もあげられません。
また、Excelではデータの整合性確保や更新作業が煩雑になることが多いです。具体的には、以下のような課題が生じがちです。あなたの会社はいかがでしょうか。
- 手動入力によるミスのリスクが常につきまとう
- 情報漏えいのリスクがある
- データの紛失・破損・バックアップ不足の不安が拭えない
- 複数人での同時作業が困難
- 分析やレポート作成に手間がかかる
×手動入力によるミスのリスクが常につきまとう
販売管理をExcelで行っている場合、手動入力によるミスのリスクがあります。
商品名や価格の誤りは、企業の信用をなくすことにも繋がってしまいます。
また、小さなミスが積み重なると、在庫数や売上数の計算に大きな誤差を生じさせ、結果的にビジネスの意思決定にまで悪影響を及ぼします。
×情報漏えいのリスクがある
Excelファイルは情報漏えいしてしまうリスクが高いといわれます。まず、世界中で多くのオフィスユーザーが使うので「狙われやすい」のです。パスワード保護も可能ですが「ないよりはまし」程度といわれ、それだけで万全だとはとても言えません。
また手軽に扱えてしまうだけに、従業員によるメールや共有フォルダでのファイル誤送信や、ウイルス感染などのリスク対策はかなり難しいものになります。
×データのバックアップ不足、破損・紛失の不安が拭えない
データの紛失、破損、バックアップ不足などのリスクも大きな課題となります。
ファイルの管理を従業員個人にすべて委ねるとなるといかがでしょう。人的ミスやPCの不具合で破損、紛失する可能性はどうしてもあります。
また、仮にその従業員が退職したら……データのありかから分からなくなる事態にも陥ります。
×複数人での同時作業が困難
現代のビジネスでは、オンライン上での共同作業が一般的になっています。
Excelデータもクラウド型サービスやオンライン共有フォルダなどとともに、ある程度同時作業は行えるようになっていますが、データ量や利用人数などに応じて限界も見えてきます。
一般的には、複数の人が同時に編集を行うとデータの競合や重複入力などの問題が発生しやすくなります。データの整合性を損なう原因になります。
×分析やレポート作成に手間がかかる
Excelは機能が豊富で、詳しい人ならば「やろうと思えば何でもできてしまう」のですが、従業員全員がそのスキルを持っている……わけではありません。例えば、データ分析はともかく、その「レポートを作成するシーン」は、他のツールも使いこなしながら……などとかなり手間がかかる作業になっているのではないでしょうか。
必要な情報をファイルから抽出し、それをもとに分析を行ったり、報告書を作成したりする業務はそれなりに時間がかかります。データが複雑だったり、大量にあったりする場合には特に労力を要します。
中小企業が販売管理ソフトを導入するメリット
ここからは販売管理ソフトの導入が中小企業にもたらす主なメリットは以下の通りです。
- 業務の効率化
- データの一元管理
- 経営判断の迅速化
・業務の効率化
販売管理ソフトは、受注管理、在庫管理、売上管理、顧客情報管理などの機能を備えています。
これらの機能で様々な情報を管理することで、業務の効率化や正確性の向上が期待できます。
・データの一元管理
販売に関連するすべての情報が一カ所に集約され、アクセスや管理が大幅に容易になります。
結果として、データの重複や漏れを防ぎ、常に正確かつ最新の情報に基づいて業務を進めることができます。
・経営判断の迅速化
経営判断の迅速化にも大きく貢献します。
従来のExcelに比べて、必要な情報をリアルタイムに閲覧できるようになります。
分析やレポートの作成までできるため、迅速な経営判断をサポートしてくれます。
小規模企業向け 販売管理ソフトの選定ポイント
販売管理ソフトには、様々な機能が備わります。しかしそれらの機能と、自社の業務フローやニーズと合っていないならば、それらの効果や成果を最大限には引き出せません。
導入する際は、まず自社の業務フローを分析し、必要な機能を洗い出すことが重要です。以下に準備・選定ポイントを挙げて説明します。
- 自社の業務形態に適しているか
- 導入コストとランニングコストを見積もる
- セキュリティ対策の再確認
- 導入後のカスタマイズは可能か
- サポート体制は整っているか
- 無料プラン、無料トライアル期間があるか
- 従業員および管理者、総じて自社にとって使いやすいか
○自社の業務形態に適しているか
導入に先立ち、導入する理由と必要な機能を明確にしましょう。
「営業効率の改善」や「社内の情報共有強化」など、なぜコストを掛けて販売管理ソフトを導入するのか、どのような課題を解決したいのかを明確にすれば、以降のプロセスを進める際にも方針に迷いにくくなるでしょう。
○導入コストとランニングコストの見積もり
自社の予算や運用体制を十分に考慮し、費用対効果を検討する必要があります。
また、導入後にかかる保守費用やアップデート費用なども確認しておきましょう。
○セキュリティ対策の再確認
販売管理ソフトウェアには、顧客情報や取引履歴などの機密情報が含まれます。
そのため、十分なセキュリティ対策が必要になります。パスワード設定やアクセス制限などの基本的な対策はもちろん、データバックアップや不正アクセス対策なども考慮しましょう。
○導入後のカスタマイズは可能か
導入後も「カスタマイズができるかどうか」も企業によっては重要な確認ポイントになります。ビジネスの成長や市場の変化に応じて、機能の調整が必要になる場合があるからです。
カスタマイズをはじめとする導入後の要望にも応えてくれる製品、ベンダーを選定できれば、将来的なニーズの変化にも柔軟に対応でき、長期的な視点での運用も安心できるといえます。
○サポート体制は整っているか
サポート体制やメニューが整っているかどうかも必須のポイントです。特に中小企業では、IT部門やIT専任のスタッフを用意できない場合も多いです。システムの導入、運用時に外部/ベンダーの支援を的確に得られることは、今後の運用の安定化、そして成果創出への近道と言えます。
○従業員および管理者にとって使いやすいか
従業員や管理者が日常的に使用するツールであるため、使いやすい製品かどうかも重要なポイントです。複雑すぎる操作や分かりにくい設計は、作業の効率を下げ、ストレスを増加させる原因になります。「使われなくなる」のでは意味がありません。
「自社に適した使いやすさ」視点で選定していくことは、今後の業務の効率化と従業員の満足度に直結するでしょう。
○無料プラン、無料トライアル期間があるか
販売管理システム/ソフトウェアは製品、ベンダーによって特徴が異なります。クラウド型のIT製品は一般的に、多くの業種や業態を想定してできるだけ多くの需要をカバーできるよう「汎用的」に設計されています。しかし、機能スペック表では「あり」とあっても、実際に使ったら自社の業務フローと合わないことも起こり得ます。
無料プラン、あるいは無料トライアル期間のある製品ならば、まず「無料で試して」機能をを確認できます。また、小規模でテスト運用しつつ、徐々に本格導入に移行していくいった計画にするのも有効です。
無料プランあるいは無料トライアルを用意する小規模企業におすすめの販売管理ソフト3選
ここからは、おすすめの販売管理ソフトをご紹介します。(製品名abcあいうえお順)
SmileWorks
特徴 | ・必要な機能だけを選択して契約可能
・EDI機能で、取引先と伝票や帳票をブラウザ上でやり取り可能 |
初期費用 | ・標準プラン:3万円(税抜) ・インボイス特別プラン:0円 ※ 契約者専用サーバーを構築し、個別カスタマイズするEnterpriseプランもあり |
月額料金 | ・標準プラン(販売ワークス):1万円(税抜) ・インボイス特別プラン:3000円(税抜) ※ 上記に加え、オプションや会計、給与機能も付けると増加 ※ 公式サイトから料金シミュレーションが可能 |
無料プラン | 無料トライアルあり(最大2カ月) |
主な機能 | ・必要な機能をオプションから選択して利用可能 ・EDI(電子データ交換)機能で取引先とやり取り可能 |
ベンダーのWebサイト | https://www.smile-works.co.jp/ |
プロカン
特徴 | ・案件やプロジェクトごとのデータを集約し、収支の明確化や数ヶ月先の売上予測が可能
・承認ワークフローを簡単に作成、運用可能 |
初期費用 | ・初期アカウント開設費 :12万5000円(税抜)〜 |
月額料金 | ・スタンダード:月額2万円(税抜)〜 ・プロ:月額2万2250円(税抜)〜 |
無料プラン | 無料デモンストレーションあり |
主な機能 | ・案件やプロジェクトごとにデータを集約して明確化 ・承認ワークフローや間接業務の自動化機能 |
ベンダーのWebサイト | https://www.project-shuushikanri.jp/ |
楽楽販売
特徴 | ・帳票の自動発行や、データのステータス自動変更など、ルーチンワークの自動化が可能
・マウス操作だけで簡単にカスタマイズ可能 |
初期費用 | ・15万円(税抜) |
月額料金 | ・月額6万円(税抜)〜 ※ ユーザー数やデータベース作成数に応じて変動 |
無料プラン | 無料トライアルあり(要問い合わせ) |
主な機能 | ・自社仕様にカスタマイズ可能 ・外部連携が豊富 |
ベンダーのWebサイト | https://www.rakurakuhanbai.jp/ |
小規模企業にとって最適な販売管理ソフトを選択しましょう
小規模企業にとって、販売管理ソフトの導入は業務の効率化、データ管理の一元化、そして迅速な経営判断に関わる重要な選択になります。自社の勤務形態や業務フローに合った機能を洗い出し、最適な販売管理ソフトを選択しましょう。
「自社に合うIT製品・サービスが分からない」「時間をかけずに効率的にサービスを検討したい」というご担当者様は、ぜひITセレクトのコンシェルジュサービスまでお問い合わせください。適切なIT製品・サービスのご紹介や各種資料をご提供します。