「物流の2024年問題」が大きな課題となっています。厳格化する労働時間規制で労働力が不足し、物流に関わる運送業、建設業などに大きな影響があると危惧されています。もちろん、物流が滞れば「モノが届かない」「建てられない」「つくれない」「商売できない」……など、他業種の企業、一般消費者にも連鎖的に影響が及びます。
2024年問題への対策は喫緊の課題。“これから”であっても間に合うのでしょうか。例えばどんな対策があるのでしょうか。本記事では、物流の2024年問題とともに勤怠管理システムの重要性と“これから”であっても対策できる方法を詳しく解説します。
目次
運送、物流業の「2024年問題」とは
物流の2024年問題は「働き方改革関連法(働き方改革を推進するための関係法律の整備に関する法律)」の全面適用に起因する課題です。
働き方改革関連法は「労働者がそれぞれの事情に応じた多様な働き方を選択できる社会の実現」を目的とする法律です。端的には「時間外労働時間」が原則月45時間、年間360時間と規定され、時間外労働に対して罰則を伴う上限が設けられます。
この働き方改革関連法については、大企業は2019年から、中小企業は2020年から適用されています。しかし運送業と建築業などの一部は業態の特性から別の扱いとなり、一般則とは異なる年間960時間の上限制限が適用されます。併せて、2024年3月末までの猶予期間が与えられています。時間外労働の上限が一般則とは異なる業界は、物流業、運送業のほかに、建築業、医師なども挙げられます。
物流の2024年問題によって以下の問題が懸念されています。
- トラックドライバーの労働時間が短くなることで輸送能力が不足し、モノが運べなくなる
- もともと高齢化と労働人口の減少による深刻な人材不足が発生していたが、制限が設けられることで、さらなる労働力不足が発生する
経済産業省「持続可能な物流の実現に向けた検討会」資料によると、2024年問題に対して何も対策を講じない場合、「営業用トラックの輸送能力が2024年には14.2%、2030年には34.1%も不足する」と試算されています。
この問題に対処するために以下の対策が考えられます。
- 労働者の勤務スケジュールを最適化して無駄な労働時間を減らす
- 手作業/アナログ方法による無駄な作業を減らすことで、業務の効率を高める
- 働きやすい環境を整えることで、労働力の多様化を図る
これらは、手作業/アナログな従来型手法に代わる「クラウド型のIT製品」により、時間を掛けずに、比較的低コストで対策できる可能性が多くあります。今回はその中から「勤怠管理システム」を例に対策シーンを検討していきます。
“これから”の企業も大丈夫? 物流の2024年問題と勤怠管理システムの基礎知識
勤怠管理システムとは、従業員の勤務時間や休暇などのあらゆる勤怠情報・状況を正しく、リアルタイムにデータとして一元管理するシステムのことを指します。
「物流の2024年問題」については労働力の不足、労働時間の厳格な規制への的確な対応などさまざまな課題があります。もし「まだ」ならば、早急の対策が必要となります。リミットは2024年3月末です。
労働時間の規制変更に正しく対応するには、正確な労働時間の記録と管理のための体制が必須となります。
しかし業種、業態によってはオフィスワークの社員のように開始と終了をきっちりと明確にできないシーンは多くあるでしょう。労働力も不足する中で、主業務外である勤怠の記録や管理が複雑で、手間も時間が掛かって面倒なのであれば、結果曖昧になって「正確さが欠ける」ことになります。このような体制のままでは従業員は辟易しますし、企業としても大きなリスクになります。
これらの課題を解決する手段の1つが、クラウド型勤怠管理システムです。
自社の業態ニーズに合わせた勤怠管理システムの導入により、「正確なデータ」として登録、記録していくための基盤を整えられます。
勤怠管理システムの主な機能
勤怠管理システムには、従業員の勤怠情報を効率的に管理するためのさまざまな機能が備わっています。
勤怠管理システムの主な機能は以下の通りです。
機能名 | 機能詳細 |
---|---|
リアルタイム追跡機能 | GPSやモバイルデバイスを活用することで、従業員の勤務地と時間をリアルタイムで追跡する機能 |
労働時間の自動計算機能 | 勤怠情報をもとに自動で労働時間を計算し、残業や休日労働の管理を効率化する機能 |
休暇管理機能 | 休暇申請や承認をシステム上で行える機能 |
労働法規制の自動更新 | 労働法の変更に自動的に対応し、適切な勤務時間の設定を支援する機能 |
レポート生成 | 労働時間や出勤状況に関するレポートを生成する機能 |
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