労務管理の効率化は、多くの経営者や人事担当者が直面する課題です。現代では従業員のワークライフバランスや労働環境の改善が求められていますが、実現には大小さまざまな問題があるでしょう。企業はこれらの課題にどう対処していくべきでしょうか?
本記事では、労務管理の効率化において昨今喫緊の課題に挙がる「物流・運送業の2024年問題」とともに、今すぐ対応できる/まだ間に合う可能性も高い「SaaS型勤怠管理システム」の選び方と、おすすめ製品を詳しく解説します。また、物流・運送業ではない業態の企業にも課題の多くは似通います。勤怠管理システムの導入を考えている人もぜひ一緒に導入を考えていきましょう。
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労務管理とは? 法令順守と対応、「物流・運送業界の2024年問題」
労務管理とは、従業員の労働条件や労働環境を適切に管理し、企業と従業員双方の利益を守るために重要な行程です。まずは労務管理の基本概念や目的、物流業界や運送業界が直面している、通称「物流の2024年問題」を確認していきましょう。
労務管理の基本的な概念
労務管理は、従業員の労働条件や労働時間、休日、休暇などを適切に管理することを指します。適切な管理は、従業員の満足度を高め、同時に企業の生産性向上に寄与します。
あらためて企業に取って、労務管理は法令順守と従業員の健康と安全を保証する上で非常に重要です。
労務管理の目的と役割
労務管理の目的は、労働法規の遵守、労働条件の公正な管理、そして従業員の健康と安全確保による満足度の向上です。
従業員の満足度は、業務の生産性に大きく関わります。企業は従業員の能力を最大化し、また、長期的に企業を存続させ、また成長していくためにも非常に重要な要素といえます。
労務管理の課題
昨今、企業は従業員へ「多様な働き方」を認め、その環境を適切に提供していくことが求められます。先の感染症流行の影響で、これまで日本では馴染まないと思われていた一般企業のリモートワーク、テレワークといった「出社必須ではない働き方」も急速に一般化しました。
一方の物流・運送業界では、従業員の働き方に関する法の改正に順守しなければならない「期限」が間近に迫る「物流・運送業の2024年問題(通称)」が叫ばれ、企業は対応に追われています。
物流・運送業界の「2024年問題」とは
物流・運送業の2024年問題とは、「働き方改革関連法(働き方改革を推進するための関係法律の整備に関する法律)」の全面適用に起因する課題の呼称のことです。
働き方改革関連法は「労働者がそれぞれの事情に応じた多様な働き方を選択できる社会の実現」を目的とする法律です。端的には「時間外労働時間」が原則月45時間、年間360時間と規定され、時間外労働に対して罰則を伴う上限が設けられます。
2019年4月に順次施行された働き方改革関連法は、大企業は2019年から、中小企業は2020年から適用されています。しかし運送業、物流業、建築業などの一部は業態の特性から別の扱いとなり、一般則とは異なる年間960時間の上限制限が適用されます。併せて2024年3月末までの猶予期間が与えられています。時間外労働の上限が一般則とは異なる業界・業種は、物流業、運送業、建築業、医師などが挙げられます。
働き方改革関連法の全面施行によって、トラックドライバーをはじめとする自動車運転業務従事者の年間時間外労働時間が制限されることになります。
労働時間が短くなれば輸送能力が不足します。同じ物流量を維持するならば人員増などの対策が必要です。物流が滞る=モノを運べなければ、経済、わたしたちの社会生活にも大きく影響します。ドライバーの人手不足も課題として深刻です。
長距離の物流が困難になるといえど、会社は法で定められた上限を超えないよう、同時に従業員へそのことで不利益がないよう支援する対応とともに、より正確な労働時間の管理・確認を行っていく必要があります。
物流・運送業、その他業種にも 今すぐ検討できるクラウド型「勤怠管理システム」7選
物流業など「業種特化型」の機能を特徴とする製品とともに、一般企業向けも含めた導入例の多い主要勤怠管理システムは以下の通りです。(製品名 abcあいうえお順)
freee勤怠管理Plus
ロジポケ【物流・運送業向け】
特徴 |
運送手配や安全教育など、物流業界や運送業界に特化した業務改善・経営支援が可能なクラウドサービス |
料金プラン |
要問い合わせ |
無料トライアル |
要問い合わせ |
無料プラン |
要問い合わせ |
ベンダーのWebサイト |
https://logipoke.com/ |
勤怠管理システムのメリットと導入効果
勤怠管理システムの導入には、さまざまなメリットがあります。
ここからは、具体的な導入効果と企業にもたらすメリットを解説します。
勤怠管理システムでできること
勤怠管理システムは、労働時間の正確な把握や法令遵守の確保、業務効率化など多くのメリットを提供します。
労働時間の正確な把握
勤怠管理システムを用いることで、従業員の労働時間が正確に記録されます。
その記録をもとに、労働基準法にもとづいた適正な管理が可能です。
法令遵守の確保
多くの勤怠管理システムは、労働法規に準拠した勤務体系の設計をサポートしてくれます。
過重労働の防止や労働時間に関する法律違反リスクの低減に貢献します。
業務の効率化
時間計測、記録、報告の自動化を通じて業務の効率化を実現します。
従来の紙ベースや手動での勤怠管理に比べて、データ入力の手間が削減され、人的ミスを減らすことができます。
働き方改革関連法への対応に向けた勤怠管理システムの選び方
企業が勤怠管理システムを選ぶ際には、機能性、使いやすさ、コストパフォーマンスなどが重要な選定基準となります。
ここでは、それらの要素を具体的に解説し、適切なシステム選定のためのポイントを提供します。
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機能性
勤怠管理システムは、従業員の出退勤の追跡、休憩時間の管理、残業の計算、有給休暇の管理など、基本的な勤怠管理機能を備えている必要があります。
さらに、働き方改革関連法への対応として、時間外労働の制限、休憩時間の確保、フレックスタイム制度の管理などの機能も重要です。
これらの機能を通じて、企業は法令遵守を容易にし、労働環境の改善を図ることができます。
使いやすさ
使いやすさも重要な選定基準です。
勤怠管理システムは従業員自身が日常的に使用するため、直感的で分かりやすいシステムであることが重要です。
また、スマートフォンに対応しているかどうかや、使い勝手も確認しましょう。
スマートフォン対応のシステムであれば、従業員はいつでもどこからでも勤怠の記録や確認を行えます。
コストパフォーマンス
最後に、コストパフォーマンスも重要な考慮事項です。
企業の予算や規模に合わせたシステム選びが重要で、高価すぎるシステムは経済的負担になり得ます。
自社に必要な機能を備えつつ、導入コストと維持費用が企業の予算内で収まるシステムの選定が重要です。
また、システムのアップデートやサポートによる追加コストも検討する必要があります。
クラウド型勤怠管理システムで、労務管理の効率化と2024年問題対策を実現
以上、本記事では労務管理の概要とともにおすすめの勤怠管理システムと選定ポイントを解説しました。
特に2024年3月末がデッドラインである物流の2024年問題に直面している企業も、対策、対応できることはまだたくさんあります。中でもクラウド型の、あるいは業界特化型の勤怠管理システムを導入することは、適切に法にも順守できる良好な手段の1つといえます。勤怠管理システムによって、労務管理の効率や精度を高めて法令順守を確保しながらも、従業員の働きやすい環境を整えることが期待できるでしょう。
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