企業が取り扱う見積書や発注書、請求書、納品書などは従来、紙が利用されていました。ただし紙だと印刷や送付に多大な手間がかかります。管理・保管の工数も多く必要です。電子帳簿保存法の施行とともに、こうした書類は電子媒体で保存することも認められます。逆に、電子データの帳簿類は紙で保存できなくなりました。
この対策には「帳票システム」の導入が有効です。一元化するデータとともに電帳法に準拠した帳票業務の整理と管理が可能になります。社内全体、他システムと連携活用していくニーズに応えることも容易になります。
本記事では帳票システムを導入する際の効果やメリットと主な機能、検討ポイントについて解説していきます。あなたの会社とビジネスに適する帳票システムを見つけるための一助となれば幸いです。
目次
帳票システムとは
帳票システムの概要とその用途を確認しましょう。
帳票システムの基礎
帳票システムは、企業や組織が様々なデータを効率的に管理し、必要な情報を整理して出力するためのシステムです。
帳票システムの利用範囲と用途
帳票システムは、財務報告、顧客データ、在庫管理など、さまざまなビジネスプロセスで生成されるデータを取り扱います。主な機能として、データの収集・保存、分析・加工、そしてレポートの生成があります。
ユーザーは帳票システムを通じて、日々の業務の中で必要となる各種レポートや帳票を簡単に作成できます。
帳票システムがビジネスに与える影響
帳票の各情報をデータとして一元化し、正しい情報として可視化されることで、管理者、経営層の状況把握や経営判断の支援と迅速化にも寄与します。
このように帳票システムは、DX時代のビジネス透明性・競争力を高める重要なツールと言えます。
帳票システムの主な機能
帳票システムにはどのような機能があるのでしょうか。ポイントを追って解説していきます。
帳票の生成と出力機能
帳票システムの核となるのが帳票の生成と出力です。帳票システムは、企業や組織のデータベースから必要な情報を収集し、定義されたフォーマットに従って帳票を生成します。これには、財務報告、営業統計、在庫リストなど、様々な種類の帳票が含まれます。
生成された帳票はプリントアウトするか、PDFやExcelファイルなどの電子形式で出力できます。また、スケジュール機能を使って定期的な報告書の自動生成と送信も可能です。
デザインとカスタマイズ性
帳票システムは高いカスタマイズ性を備えています。帳票システムを利用すると、帳票のレイアウトやデザインを自由に設定でき、企業のブランドや特定の報告要件に合わせて調整することが可能です。
これには、フォントの種類やサイズ、色の使用、ロゴの挿入、表やグラフの配置などが含まれます。テンプレート機能を用いることで、一貫性のあるデザインを維持しながら、さまざまな種類の帳票を迅速に作成できます。
データのインポートと整形機能
帳票システムは、さまざまなデータソースからのデータインポートをサポートしています。これには、内部データベース、クラウドストレージ、スプレッドシート、外部APIからのデータなどが含まれます。
インポートされたデータは、フィルタリング、並べ替え、集計などの処理を経て整形され、帳票に必要な情報として表示されます。このプロセスにより、複雑で多岐にわたるデータも、簡潔で理解しやすい形式の帳票に変換されます。
帳票システムの選定ポイント
帳票システムを選択するポイントは多数ありますが、重要なものを5つに絞ってご説明します。
使い勝手とカスタマイズ性
帳票システムは、自社の業態や従業員の利用シーンに沿って柔軟になデザインとカスタマイズが可能なことが望ましいです。帳票のレイアウト、フォント、色彩の選択、ロゴやブランディング要素の挿入などが含まれます。
要件には「自社独自のルールや作法」もいくつかあるはずです。それにも合わせられる製品、あるいはその要望を真剣に考え応えてくれる製品ベンダーだと安心できるでしょう。
ITセレクトは、貴社の課題・目的・予算に合わせてピッタリの帳票システム、製品ベンダーをご紹介しています。
データのインポートと整形機能
帳票システムは、さまざまなソースや形式からのデータインポートに対応し、データを効率的に整形・加工できる機能を持つ必要があります。これにはCSV、Excel、データベース、API経由のデータ取り込みなどが含まれます。また、データのフィルタリング、並べ替え、集計といった処理はもちろん、分析機能の有無も選定のポイントと言えるでしょう。
帳票の生成と出力オプション
帳票システムには便利な帳票生成機能は必須です。業務フローや取引先のニーズなどに合わせて、複数のフォーマット(PDF、Excel、HTMLなど)での出力をサポートし、印刷や電子メールでの送信オプションがあるとよいでしょう。定期的なレポート生成の自動化や、カスタマイズされた出力オプションも求められることが多いです。
データのセキュリティとアクセス制御
データの安全性とプライバシーは非常に重要です。選択する帳票システムは、データ暗号化、アクセス権限の設定、監査ログの保持など、厳格なセキュリティ対策を備えている必要があります。ユーザーによるアクセス制御機能は、データの誤用や漏洩を防ぐ上で不可欠です。
モバイル対応性とクラウド連携
働き方の多様化が進む現代のビジネス環境では、モバイルデバイスへの対応とクラウドベースの機能がますます重要になっています。
帳票システムはモバイルで簡単に利用できることで、従業員がオフィスを離れていても利用できる利便性を提供します。また、クラウドストレージとのシームレスな連携を提供することでリモートワークや分散環境での協業をサポートするほか、ビジネスプロセスを効率的に管理できるようになります。
電子帳簿保存法対応のおすすめ帳票システム6選
「電子帳簿保存法の準拠」とともに、2024年現在評価数の多い帳票システムをピックアップしてご紹介します。(ITreviewのレビュー数順より選定し、製品名 abcあいうえお順)