昨今、働き方改革関連法の順守とともに「勤怠管理」の重要性が増しています。あなたの会社は、従業員が課題や不安を抱えていませんか? 従業員が安心して、多様な方法で不安なく働ける環境をどのように提供していますでしょうか。
勤怠管理アプリ/勤怠管理システムの導入はこの課題を解決する有効な手段の1つです。本記事では、勤怠管理システムで実現する機能、中小規模企業でも低コストで始められる「無料版」の検討手段とともに詳しく解説します。
目次
勤怠管理システムの主な機能
勤怠管理システムは主に以下の機能を搭載しています。
●打刻機能
打刻機能は、従業員が出勤・退勤時刻を記録するためのものです。従業員はスマートフォンなどのアプリ上で、または専用の端末を使用して打刻を行います。また、GPS機能や顔認証技術を組み込むことで、よりセキュアで正確な打刻が可能になります。
●自動集計機能
自動集計機能は、打刻データを基にした勤怠情報(出勤時間、退勤時間、休憩時間、残業時間など)を自動で計算し、集計する機能です。この機能により、人事担当者の手作業による計算ミスが減少し、労働時間の管理が格段に効率化します。また、集計されたデータは給与計算や労働時間分析にも利用され、企業運営の効率化に大きく貢献します。
●予実管理
予実管理機能では、事前に設定された勤務計画(シフトや勤務予定)と実際の勤務実績を比較分析できます。この機能により、計画と実績の乖離を把握しやすくなり、人員配置の最適化や労働コストの管理が可能になります。
勤怠管理システム、無料版と有料版の違い
クラウド型のIT製品は多くの場合、月額○円/人、年額○円/人といったサブスクリプション形態の有料製品ですが、勤怠管理アプリの中には無料の製品もあります。無料版と有料版は何が違うのでしょう。ポイントとともに確認していきましょう。
機能制限の有無
無料版には大きく分けて「月額無料プラン」を用意するものと、一定期間試用できる「無料トライアル」を用意するものに分かれます。ここでは月額無料プランのある製品について説明します。
無料プランは主にユーザー数が少ない小規模シーンに向け、基本的な機能──例えば出退勤の打刻、自動集計機能などが利用できるようになっています。一方で、高度な分析ツールやカスタマイズ機能などは制限されることが多いです。
一方、有料プランにアップグレードすることで、予実管理、高度なレポーティング、統合的な人事管理システムとの連携、カスタムフィールド設定など、より高度かつ複雑な機能も利用でき、活用/効率化が望めるシーンの幅が広がります。
データの保存期間、容量制限の有無
無料版は、データの保存期間やデータの保存容量に制限がある場合があります。上限に達すると過去の勤怠データを参照できなくなったり、追加記録ができなくなったりする可能性があります。
一方の有料版は、料金プランに応じて利用人数やデータ保存容量を定めます。長期間のデータ保持、容量を気にしないデータ保存が可能となるでしょう。
アカウント数制限の有無
無料版の多くは、利用する従業員数(ユーザー数)/アカウント数を少なめに制限することで「無料」を実現しています。無料の範囲は製品によって異なりますが、参考としては1~10人/アカウント程度です。個人~小規模企業あるいはチームや部署単位が適用範囲になるでしょう。
有料版では、企業の規模や需要に応じて柔軟にアカウント数の設定が可能となります。大規模な組織や複数部門を持つ企業でも利用できます。
サポート内容の種類/制限の有無
無料版は、多くの場合サポート内容も制限されます。製品ページ単位のオンラインサポートやFAQページくらいは用意されますが、個別のサポートは限られるか、提供されない(対象外となる)ことが多いです。
有料版は、料金プランに応じて、またはサポート強化オプションのプランを用意する製品もあります。専任のサポートチームによる個別対応、導入サポートなど、高度なサポートを受けられます。
広告の表示・非表示
無料版は、製品によって第三者の広告が表出されるものもあります。この広告の収益によって無料版の提供を実現するためです。
一方の有料版は、基本的に第三者の広告は表出されません。
無料の勤怠管理アプリの導入が向いている企業の特徴
勤怠管理システムを「できるだけ低コスト」で導入したい。しかし無料版で大丈夫なのでしょうか、それとも有料版が向いているのでしょうか。無料版の導入シーンを考えてみましょう。
・シンプルな機能でよい
企業が勤怠管理に求める基本的な機能、例えば出退勤の打刻、基本的な時間集計、簡単なレポート作成などである場合は無料版で済み、しかも時間を掛けずにすぐ導入できることでしょう。
複雑な設定やカスタマイズが不要で、また管理側も授業員もシンプルで直感的な使い勝手で、PCでもスマホでもすぐ使えてしまうならば、例えば、事業主と従業員数人規模の小売業の企業や事業所などに適合できそうです。
・利用人数が少ない
従業員数が少ない、スタートアップや小規模事業者など、限られた数のアカウントで運用可能な企業であれば、人数制限のある無料版も効果的に活用できそうです。
クラウド型であれば料金プランの変更や機能拡張も比較的容易に行えます。企業の成長や業態の変化に応じて、足りなくなったら有料版にすればいいといった柔軟な考え方で進められるでしょう。
・勤怠管理システムの導入/刷新を検討している
勤怠管理システムの導入を検討しているが、どんな製品か、どこが開発・提供しているのか、どのような機能があるのか、どう使えるのか、そして、そもそもこの製品は自社に合っているのか──。勤怠管理システムの導入プロジェクトを進める担当者は、まずこのあたりをチェックしたいはずです。
このニーズには、1カ月ほどの一定期間、無料で試用できる「無料トライアル」を用意する製品が向いています。機能や使い勝手を確かめる目的でスモールスタートし、追って本格検討として製品を絞っていくイメージです。無料トライアルはぜひ遠慮なく活用しましょう。
【無料で始められる】クラウド型勤怠管理システム5選
「無料プラン」あるいは「無料トライアル」を用意する、日本企業に導入例の多い勤怠管理システムをピックアップしました。製品選定の参考としてご覧ください。(製品名 abcあいうえお順)
AKASHI
特徴 | PCやiPad、スマートフォン、FeliCaカード、専用打刻機による打刻が可能で、オフィスでも出先でも打刻が可能。スマホのGPS機能を利用して位置情報も記録できる。 |
主な料金プラン | 無料トライアル:あり(30日)
タイムレコーダー:月200円/人 スタンダード:月300円/人 プレミアム:月400円/人 |
ベンダーのWebサイト | https://ak4.jp/ |