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昨今、早期の対応や実践が叫ばれる「企業のDX（デジタルトランスフォーメーション）」。このDXを実践、検討していく中でよく登場する「聞き慣れない単語／略語」から、IT製品の活用において「実はあまり理解していなかったかもしれない用語／略語」「これから使っていくかもしれない言葉」をピックアップし、サクッと解説します。今回は「MA（Marketing Automation）」です。
目次
MAの基礎知識
MAは、自社のビジネスにどんな成果をもたらすのでしょう。以下より、何をどのように実現するIT製品なのかをじっくり解説していきます。
MAとは
MA（マーケティングオートメーション／Marketing Automation）は、マーケティングプロセスを自動化し、効率化するための技術、およびそれを行うツール、製品の総称です。
MAの目的は、より効率的なリソースの利用、高いROI（投資収益率）の実現、そして最終的な顧客獲得と顧客満足度の向上にあります。
MAによって、見込み客（リード）の発掘、育成、評価、施策の実施などを含むマーケティング戦略、そして効果測定などの自動化を実現します。
MAツールに備わる主な機能と利用シーン
・リードジェネレーション
リードジェネレーション機能は、リード（見込み客）を発掘、獲得するための活動を支援します。例えば、サイト訪問者の行動分析、展示会で交換した名刺、アンケートや資料請求フォームからの情報などを一元化的に管理できます。
・リードナーチャリング
リードナーチャリングは、見込み客を「顧客へ育てる」ことを支援する機能群です。例えば、一人ひとりの属性や購買、行動履歴などに基づいて最適とされる情報を適切に提供する「パーソナライズメールを配信する」など、見込み客の感心や興味を惹きつけて、購買意欲を沸かせる活動を効率的に行えるようにします。
・スコアリング
スコアリング機能は、見込み客の購買欲や優先順位などをデータ化／数値化し「活動状況を見える化」する機能です。営業チームが効果的にフォローアップできるように支援します。
・キャンペーン管理
顧客獲得に向けた販促キャンペーンの計画、実行、効果分析を支援し、効率化する機能によって、成果創出のための戦略や効率、迅速化を支援します。
・分析とレポーティング
マーケティング活動それぞれの成果を詳細に分析し、レポート化する工程を自動化する機能を備えます。改善点や成功パターンを明確にできます。
MAがビジネスに与える影響
MAによる、マーケティング活動に向けた行程や作業の自動化、効率化によって、マーケティングチームは日々の繰り返し作業から解放され、その分、戦略的な実務、タスクに注力できるようになります。
顧客一人ひとりの行動や好みなどを把握できれば「その人専用」に注力したマーケティング活動、戦略も実現できます。顧客とのコミュニケーションを密にし、また自社のファンにさせる（ロイヤリティ）効果を促進できます。
見込み客の育成（リードナーチャリング）と特化した戦略（ターゲティング）を効果的に行うことで、顧客になってくれる率（コンバージョン率）が高まり、売上増加につながります。
一元化した「リアルタイムで正しいデータ」を根拠とした精密な分析と実践によって、マーケティング活動のROI（Return On Investment／投資収益率）の最大化に寄与します。また市場の変化に素早く適応し、競争優位を確保するための管理層、経営層の正確かつ迅速な意思決定も支援します。
MAツールの導入メリット
- マーケティング活動の自動化と効率化
- リードナーチャリングの強化
- ROIの向上と収益増加
マーケティング活動の自動化と効率化
MAツールは、繰り返しのタスクやルーチンワークを自動化するための強力な機能を備えます。例えば、リードの発掘と管理、キャンペーンページの生成、キャンペーンメールの一括送信、キャンペーン活動成果の管理、成果分析とレポート自動作成などの機能によって実現します。
リードナーチャリングの強化
MAツールは、見込み客を含む顧客の行動に関する情報を一元的に記録し、スコアリングや分類・区分（セグメンテーション）を行い、その情報に基づいたマーケティング戦略を実践できる機能を備えます。
これにより、より質の高い見込み客であるかどうかの判断、そして見込み客との関係を良いものにし、顧客となるまで育成する活動「リードナーチャリング」を強力に支援します。
ROIの向上と収益増加
MAツールは、マーケティング活動全般を可視化し、追跡し、評価・レポート化する機能を備えます。一元化した「リアルタイムで正しいデータ」を根拠とした精密な分析を行えることでマーケシング活動におけるROI（Return On Investment／投資収益率）の最大化に寄与します。
また市場の変化に素早く適応し、競争優位を確保するための管理層、経営層の正確かつ迅速な意思決定も支援します。
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「CRM」とMA
CRM（顧客関係管理システム）は「既存の顧客」を管理し、その顧客満足度の向上を目指します。MAとは管理の対象が見込み客なのか、既存の顧客なのかで違いがあります。例えば、MAツールで発掘し、育成した見込み客をCRMへ引き渡して連携させることで、よりスムーズな商談と成功率の向上が期待できます。密な連携が求められるため、製品によってはMAもCRMも隔てなく、それぞれの機能が包括されている例も多いです。
「SFA」とMA
SFA（営業支援システム）は、営業活動を一元管理し、商談と成功率向上の効率化を目指すツールです。例えば、MAで見込み客を育成し、興味を持った見込み客をSFAへ渡して連携させることで、より効果的な営業戦略を実現できます。顧客情報の密な連携が求められるため、MAもSFAも、前述したCRMもまとめて、それぞれの機能を包括した製品もあります。
「CMS」とMA
CMS（コンテンツ管理システム）は、Webサイト全体を管理し、ページの作成や更新の効率化を図るシステムです。例えば、MAで行う見込み客獲得に向けたキャンペーンページを効率よく生成するために、情報をCMSへ連携させ、ページ作成と管理を効率化するシーンが挙げられます。
「ソーシャルメディア管理ツール」とMA
ソーシャルメディア管理ツールは、企業内ソーシャルメディア（SNS）の運用を効率化するツールです。投稿スケジュールの管理やアクセス分析機能などを備えます。例えば、MAで育てた、セグメントされた見込み客に対してソーシャルメディア管理ツールを用いて情報／広告を自動配信するといった連携によって効率化が見込めます。
（執筆：合同会社伝心）
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