現代のビジネスでは、迅速かつ効率的な受発注プロセスが重要です。その鍵を握るのが、受発注システムです。
受発注システムは、受注や発注処理における業務を一元管理できるシステムで、受注管理から在庫管理、さらには出荷管理まで、オンライン上で行うことができます。
本記事では、受発注システムの主な機能とそのメリット、選定時のポイント、おすすめの受発注システム(全26製品/2024年11月時点)を詳しくご紹介します。
目次
受発注システムの主な機能と種類
受発注システムは、受注や発注を行う上で必要な様々な機能が備わっています。
まずは、それらの主な機能と、受発注システムの種類について説明します。
受発注システムの主な機能
受発注システムの主な機能は下記の通りです。
機能名 | 概要 |
受注管理機能 | ・受注した注文を一元管理する機能 ・異なるチャネルの販売状況もリアルタイムで管理可能 ・受注伝票や納品書などを作成、送付可能 |
発注管理機能 | ・発注した注文を一元管理する機能 ・手配発注や定量発注など、状況に応じた発注が可能 |
在庫管理機能 | ・商品の在庫を管理する機能 ・在庫数を管理し、フロントページに表示させることなどができる |
出荷管理機能 | ・受注した注文商品の出荷、納品プロセスを管理する機能 ・スケジュールの作成や出荷状況の追跡を行う |
請求管理機能 | ・受領書や納品書などのデータから、請求書を作成する機能 |
メール自動発信機能 | ・HTML、テキスト形式でのメール作成が可能 ・受注、発送などのタイミングでメールを自動配信できる |
発注者ログイン機能 | ・顧客ごとに用意された管理画面にログインできる機能 ・過去の発注履歴や、配送状況の確認が可能 |
他システムとの連携機能 | ・他の販売管理システムや生産管理システムと連携できる機能 ・データの二重入力が不要になる |
受発注システムの主な種類
受発注システムは、大きく分けてオンプレミス型、クラウド型、パッケージ型の3種類に分けられます。
オンプレミス型
オンプレミス型は、自社にあるサーバにシステムを構築して利用します。
独自のサーバを使用するため、セキュリティやカスタマイズ性が高い傾向にあります。
しかし、その分初期費用やランニングコストが高くなりやすいため、注意が必要です。
クラウド型
クラウド型は、サービスが提供しているサーバにアカウント等を登録して利用します。
サービスプロバイダがシステムの管理と保守を担当するため、アップデートやセキュリティは一任します。
比較的、低い初期投資で始められ、使用量に応じた課金モデルが多いです。
パッケージ型
パッケージ型は、オンプレミスかクラウド上で動作するもので、事前に設計された標準機能が提供されます。
企業がシステムの一部の管理と保守を行いますが、パッケージソフトウェアのプロバイダが主要なアップデートやセキュリティ対策を担当することが多いです。
ライセンス料金を払って使用し、一定のカスタマイズは可能ですが、オンプレミス型ほどの自由度はありません。
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受発注システムを導入するメリットと注意点
ここからは、受発注システムを導入するメリットと、導入時に注意すべきポイントを説明します。
受発注システムを導入する主なメリット
作業効率の向上につながる
受発注に関する多くのやり取りや、入力作業を自動化することができます。
自動化によって、これまで手動で行っていた時間のかかる作業が削減され、人的ミスの低下も期待できます。
情報を管理しやすい
在庫や売上、請求などの情報が一元管理できるようになります。
ビジネスに必要なデータへのアクセスが、リアルタイムで可能になります。
情報が一箇所に集約されることで、データの整合性を保ちながら迅速な意思決定を行うことができ、ビジネス運営の効率化に大きく貢献します。
受発注機会の増加が期待できる
受発注システムを利用することで、営業時間外や遠隔地にいても、受発注の確認が可能になります。
時間や場所に縛られることなくビジネスを行うことが可能になり、顧客のニーズに迅速に対応しやすくなります。
その結果、受発注の機会が増え、ビジネスの拡大が期待できます。
ペーパーレス化を推進しやすい
デジタルのシステムのため、紙媒体を使用する必要性が大幅に減少し、ペーパーレス化を推進しやすくなります。
紙媒体の使用が減少すると、印刷代などのコストや、保管場所の確保と管理にかかる手間が削減されます。
さらに、社内のデジタルトランスフォーメーション(DX)の推進にもつながります。
受発注システムを導入する際の主な注意点
一定のコストが発生する
システムによって、導入費用やランニング費用は異なります。
また、提供される機能の多さや、システムを使用する企業の規模に比例して、コストは高くなる傾向があります。
システムを選定する際は、必要な機能と予算を慎重に考慮し、費用対効果を確認した上で最適なシステムを選びましょう。
取引先の理解が必要
受発注業務は社内だけで完結するものではなく、取引先あっての業務のため、取引先の理解は欠かせません。
取引先によっては、受発注システムの利用に対して抵抗を持つおそれがあります。
事前に導入するメリットや使い方を説明し、取引先の理解と協力を得ることが重要です。
導入前に社員教育の機会を設ける
システム導入後に社員がスムーズに業務に取り組めるようにするためには、適切な教育とトレーニングが必要です。
また、業務フローの見直しも同時に行い、システム導入に備えておくことが望ましいです。
受発注システムの導入がおすすめの企業と製品選びのポイント
ここからは、受発注システムの導入がおすすめの企業と最適な製品を選ぶためのポイントについて説明します。
受発注システムの導入がおすすめの企業の特徴
下記のような、現状の受発注業務に課題を抱えている企業は、システムの導入によって解決が期待できるため、導入をおすすめします。
- FAXや電話、メールなどを使ったやり取りが多く、手間やミスが発生している
- 複数のチャネルからの受注に対応しており、管理が煩雑になっている
- データの一元化や異なるシステム間でのデータ連携がうまくできていない
- 在庫管理、出荷管理、請求管理などを別々のシステムやツールで行っている
- 複数の店舗で個別に受発注業務を行っている
受発注システムを選ぶ際の主なポイント
受発注システムを選ぶ際、いくつかの重要なポイントがあります。
下記は、システム選定時に考慮すべきポイントです。
- 自社の業務に必要な機能はそろっているか
- 予算に対して、導入費用やランニングコストは適切か
- システムは導入しやすいか(クラウド型のほうが、導入のハードルは低くなります)
- 事前に使い勝手を確認できるか
- 無料トライアル期間を設定しているか
- 取引先との連携を行いやすいか
- サポート体制は充実しているか
これらのポイントを考慮しながら、最適な受発注システムを選定しましょう。
中小企業向けのおすすめ受発注システム3選
受発注システムには、複数のタイプが存在します。その中から、自社のニーズに最適なシステムを見つけることが重要です。
汎用タイプは、さまざまな業種や受発注業務に対応し、柔軟な運用が可能です。一方で、業界特化タイプは、特定の業界に特有の機能を提供し、専門性の高いニーズに応えます。
また、BtoBやBtoCの受注管理に特化したECサイト向けのタイプもあり、オンラインでの取引をスムーズに行うための機能が充実しています。
これらの中から、自社の業種や業態に最適なシステムを見つけていきましょう。
楽楽B2B
特徴 | 取引先に応じた柔軟な設定ができるBtoB専用ECサイトサービス |
月額費用/購入価格 | ・Standard:月額3万9800円(税抜) ・Professional:月額6万9800円(税抜) |
トライアル期間の有無 | 無料デモアカウントの申し込みが可能 |
主な機能 | ・取引先ごとに掛け率、価格、商品、決済手段を設定可能 ・AIによるOCR注文書自動読み込み機能 |
Bカート
特徴 | BtoBの受発注業務に特化し、EC化するクラウドサービス |
月額費用/購入価格 | 初期費用8万円(税抜) + 月額費用(プランによって商品数と会員数の上限が変動) ・ライト:9800円(税抜) ・プラン10:1万9800円(税抜) ・プラン30:2万9800円(税抜) ・プラン50:3万9800円(税抜) ・プラン100:4万9800円(税抜) ・プラン300:7万9800円(税抜) |
トライアル期間の有無 | 30日間 |
主な機能 | ・取引先ごとに価格、商品、決済手段を設定可能 ・標準機能以外に必要な機能はオプションとして柔軟に追加可能 |
BtoBプラットフォーム 受発注
特徴 | 飲食業界に特化した受発注システム |
月額費用/購入価格 | 要お問い合わせ |
トライアル期間の有無 | 要お問い合わせ |
主な機能 | ・スマホやタブレットに数字を入力するだけで棚卸可能 ・レシピごとの原価やアレルギー情報を管理できるメニュー管理機能 |
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