勤務シフトを作成・管理する作業が大変で面倒、何とかしたい! ……と悩んでいませんでしょうか。人員を適切に配置するシフト作成・シフト組みは、自社の業務を正しく、円滑に、効率的に回すのに欠かせないとても重要な工程です。しかし、手作業で行う方法では試行錯誤を繰り返しながら組む手間に加え、従業員の希望回収や勤怠関連の確認なども必要。まず、管理者の負担がとても大きいのが現状です。こうした背景から「シフト作成自動化ツール」のようなデジタル・クラウド/SaaSを有効に活用することで自動化と効率化を図る企業が急速に増えています。
本記事では、シフト作成自動化ツールの目的とメリット、そしてシステム選定のポイントを分かりやすく解説するとともに、シフト作成システムのおすすめ製品を紹介します。ツールの主要機能や運用イメージを把握することで、従来の手作業による課題を一気に解消し、今後大きな成果を出していくための第一歩にしていきましょう。
機能で比較「シフト管理システム」おすすめ製品一覧
目次
シフト作成ツールとは
まずはシフト作成ツールがどのようなものなのか、その基礎を押さえておきましょう。
シフト勤務とは、24時間または長時間にわたる事業・サービスを効率的に行うために、従業員を複数の勤務時間帯に分けて配置する働き方のことです。シフト勤務の管理が求められる業種は、営業時間が長く、場合によっては24時間体制での運営が求められる事業、特定の時間帯や季節/イベント時に業務量が集中する業種、例えば飲食業、小売業、医療・介護業、製造業、物流・倉庫業、宿泊業、コールセンター・カスタマーサービス業、警備・保安業などが挙げられます。
シフト作成ツールは、このシフト勤務の運用と管理に向け、従業員の勤務希望や稼働可能な時間帯などの条件を入力することで、勤務シフトを自動的に組み上げてくれるITシステムです。従業員の希望シフト提出機能と、店長や管理者向けの「シフト自動調整機能」「勤務状況管理・レポート機能」などを備え、従来の紙やエクセルに頼った手作業に比べ、作業効率と正確性の大幅な向上が期待できます。シフト組みのための計算アルゴリズムを備え、製品によってはAI(Artificial Intelligence:人工知能)による高度な機能も活用し、能力や資格、あるいは労働基準法違反を防ぎながら従業員が希望するシフトを組めます。シフト管理にかかる手間・時間の削減とともに、法令違反のようなリスク回避対策も併せて実現することも期待できます。
エクセルなどを使うシフト作成の課題
エクセルなどで行うシフト作成は手軽な半面、従業員の希望やシフト条件を一つひとつ手作業で反映し、条件に合わない場合は手動で修正しなければならないこと、つまり「工数がかかる」「大変」「面倒」「人手不足になる」ことが大きな課題です。従業員の人数が多く、多様な雇用形態を抱える職場になるほど管理が複雑化し、作業の抜け漏れや入力ミスのリスクが高まります。こうしたミスはシフトの不公平感を生むだけでなく、従業員のモチベーションや勤務状況にも影響を及ぼしてしまいます。
- シフト作成の手間・時間の負担が大きい
- 従業員の希望と業務条件をバランスさせるのが難しい
- 勤怠・給与管理など他システムと連携できない
シフト作成の手間・時間の負担が大きい
紙やエクセルでのシフト作成は、担当者が一人で作業すると数時間、場合によっては数日かかるケースも少なくありません。毎月・毎回、従業員の希望を収集し、重複がないかを確認しながら手動で編集するため、更新作業に多大な時間を割くことになります。こうした業務に時間を取られていると、経営や運営、人材活用など、より重要なタスクに十分なリソースを割けなくなっていることも大きな課題になります。
従業員の希望と業務条件をバランスさせるのが難しい
従業員の希望する時間帯と、業務の繁忙期・スキル要件などを両立させることも容易ではありません。「繁忙時間帯に経験豊富なスタッフを配置したいが、人員コストなども考慮するとバランスを取れず調整しにくい」「突発的な事態・事情が出るだけで、運営・製造体制に支障が出てしまう」──このようなシーンも多いのではないでしょうか。こうした利害を調整するには、様々な要素を加味してシフトを組む必要があり、その結果として作業が複雑化していきます。
勤怠・給与管理と連携されていない
勤務シフトは、従業員の勤怠・給与などその他の管理情報とも関連・連携されるべき情報ですが、単体管理だけではこれらのシステムと効率的に連携しにくいことあります。勤怠管理システム/勤怠管理データと連携できないと、シフトと実績の乖離をチェックする作業が発生し、さらなる時間と労力がかかります。給与計算においても、実際に働いた時間との整合性を手作業で確認する必要があり、手動が多い工程ではミスが起こる可能性が急増します。このようにシフトの管理と勤怠・給与管理のようなシステムと連携されていない/連携しにくい体制では、データの重複入力や情報の漏れが生じやすく、労務管理上のリスクが増えてしまいます。
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シフト管理システムの導入で解決
上記の課題を解決するためにシフト作成ツール、シフト管理システムが存在します。まず手作業・エクセル作業の煩雑さと時間負担を大幅に軽減できます。自動化機能で従業員の希望や業務条件を瞬時にマッチングし、公平かつ効率的なシフトを生成できるようになります。また勤怠や給与計算のシステムとも連携できれば、実際の勤務データとの一元管理が楽になり、手入力ミスや漏れを最小限に抑えることにもつながります。
シフト作成ツールのメリット/自動化、効率化できること
シフト作成ツールを導入することで、具体的にどのような業務が自動化・効率化できるのでしょうか。
シフト作成ツールを使うメリットは単にシフト作成の時間を減らすだけではありません。自動化された仕組みを通じて、従業員の希望収集からシフトの確定、共有、さらにはアフターフォローまでスムーズに行えるようになることが最大の特徴です。企業や店舗の規模、業種に応じて様々なカスタマイズも可能で、シフト管理の精度や運営効率を一気に向上させることができます。シフトがスピーディかつ柔軟に組めるようになることで、スタッフのモチベーション向上やサービスの安定提供にも寄与します。
- シフト作成を自動化できる
- 従業員希望シフトの管理が容易になる
- シフト共有が楽になる
- シフト変更対応が迅速・的確になる
- シフトの公平性・バランス確保の体制が容易に整う
- 勤怠管理など他システムと統合・連携しやすくなる
- 分析・レポートの自動作成を実現する
シフト作成の自動化
AIや高度なアルゴリズムを活用し、シフトを自動生成あるいは作成支援を行うメインの機能です。事前に設定した勤務条件やスタッフの希望時間、および店舗の繁忙スケジュールなどを考慮し、最適解を導き出します。手作業ではいくつもの組み合わせを試行錯誤する必要がありますが、自動化機能を活用すれば試行回数を大幅に減らせます。管理者の負担が軽減され、シフトの確定までにかかる時間も短縮できます。
従業員希望シフトの管理
従業員の希望シフトを一括収集・一元管理する機能です。従業員はスマートフォンやPCなどから直接希望を提出でき、管理者はその情報をリアルタイムで受領・確認を可能にします。連絡の行き違いや申請漏れを防止でき、シフト作成の工程もスムーズになります。
シフトの共有
作成されたシフトを従業員や関連スタッフへ容易に共有・通知できるようにする機能です。コミュニケーションのロスを大幅に削減でき、従業員も自分の「最新の」勤務スケジュールをいつでもどこでも確認できます。製品によっては、アプリでのプッシュ通知などでシフトが確定したタイミングや更新情報をすぐに伝えられる機能も備えます。
シフト変更対応
急な欠勤やシフト変更が生じたときの対応・対策に必要な機能です。変更希望の受領→承認→シフト再調整・再作成→再共有といったプロセスを自動化できます。システム上で代わりのスタッフを自動的にサジェストしたり、候補者へ一斉通知したりする機能が備わります。紙のシフト表では何度も書き換えが必要になりますが、システム上であれば簡単に更新が反映されるため管理者と従業員双方の負担を大幅に軽減できるでしょう。製品によってはスタッフ同士で交代のやりとりを行うといったこともシステム/オンライン上で完結でき、煩雑なやり取りを最小限に抑えられます。
シフトの公平性・バランスの確保
AIをはじめとする自動化アルゴリズムを取り入れたシフト作成ツールは、スタッフの働き過ぎ、休日の偏り、特定の人だけに負荷が集中するといった問題も予防しやすくなります。業務量に見合った配置を自動で算出できるため、人件費最適化とスタッフ満足度のバランスを取りやすくなります。公平性を高めるルールを設定することでスタッフのモチベーション維持にも効果が期待できます。
勤怠管理との統合
勤怠や給与のシステムとデータ連動することで、打刻データや実際の労働時間などとのスムーズな確認・突け合わせが可能です。これにより勤怠集計や給与計算の工程が簡略化され、手作業に由来するミスや面倒を大きく減少します。残業時間や休憩時間のチェックも自動化できれば労務リスクを低減し、会社として従業員にとって安心して働ける環境を整えられます。
分析・レポートの自動作成
シフト管理状況が「デジタルデータ」として収集・蓄積・一元管理されることで、従業員の稼働率やコスト、売上との関連分析など、多角的なレポートを作成する自動化機能を備える製品もあります。こうしたレポートを活用することでより合理的な運営計画や人員配置の見直しを行ったり、組織全体の生産性向上につなげたりと、今後の運用効率化やビジネス戦略に役立てられることが期待できます。
「無料」で始められるシフト作成ツールおすすめ7選
まずは“できるだけコストをかけず”に対策できる「無料版」のある製品から検討を始めてみることをおすすめします。
IT製品、特にクラウド型製品には「無料版」を用意するものが多くあります。無料版とは、一定の条件のもとで個人事業主から中小規模シーンでの導入に向け、または選定・検討に向けたお試しのために用意される「無料プランのある製品」あるいは「無料トライアルを用意する製品」のことを差します。「サクッとスモールスタートできる」あるいは「有料版の機能をタダで試用できる」ことがメリットです。
無料トライアルで有料版へ実際にどんな機能があるのか、どう活用できそうかといった自社の要件に合っているかどうかをお試しできますし、個人事業主や小規模シーンならば無料プランで十分と判断できることもあり得ます。どの有料プランで契約するのかのかをじっくり選ぶための有益な判断材料にもなるので、無料版はぜひ遠慮なく活用していきましょう。(製品名 abcあいうえお順/2025年2月時点)
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