昨今、早期の対応や実践が叫ばれる「企業のDX(デジタルトランスフォーメーション)」。このDXを実践、検討していく中でよく登場する「聞き慣れない単語/略語」から、IT製品の活用において「実はあまり理解していなかったかもしれない用語/略語」「これから使っていくかもしれない言葉」をピックアップし、サクッと解説します。今回は「DSP」です。
目次
DSPの基礎知識
DSPとは
DSP(Demand-Side Platform)とは、デジタル広告を効果的に購入し、管理するための基盤(プラットフォーム)、またはそれを行うITツールのことを指します。
DSPを使い、広告主や広告代理店は複数の広告在庫から広告スペースをリアルタイムに入札して購入できるようになります。
DSPの目的
DSPの目的は、広告主側の視点を踏まえて広告在庫の効率的な活用を支援することです。広告主が獲得したい顧客へ的確に広告を配信し、マーケティング効果の最大化を図ります。
DSPに備えるリアルタイムのデータ解析や行動分析、ターゲティング機能などを用い、よりパーソナライズされた(個別に適合した)広告配信を実現します。
DSPの導入例
DSPはオンライン広告の展開が主流である業種やブランドに広く活用され、活用シーンは多岐にわたります。例えば、小売り、旅行・観光、エンターテインメント、自動車、食品・飲料などが挙げられます。
中でも大規模キャンペーンやターゲット顧客が細分化された広告活動を行うシーン、リアルタイムで広告効果を測定し、即座に改善を加えていきたいシーンでDSPが効果的に使われます。
DSPで得られるビジネス効果
マーケティング効率の向上
DSPの活用で得られる成果は、まず「マーケティング効率の向上」があります。DSPはリアルタイムのデータ解析と効果測定を行いながら広告を配信する機能を持つため、広告の効果をすぐ評価でき、最適化、最大化に向けた改善をしていくことができます。
ターゲティング精度の向上
もう1つは「ターゲティング精度の向上」です。DSPは蓄積される豊富なデータを活用して、広告効果が特に高いと予測された「特定の」顧客に向けて広告を配信する機能を持ちます。広告をより的確に広告主のターゲット層へ届けることで、広告の効果的な訴求やコンバージョン(成果達成)率の向上が期待できます。
DSPと関連する/併用で相乗効果が得られるIT製品
DSPはMAツールと高い親和性があります。MAはマーケティング活動を自動化し、効率的に実行するためのツールです。DSPと組み合わせることで、広告管理の自動化とともに一元化したマーケティング活動を実現できます。
MA(マーケティングオートメーション)ツール
MAツールは、マーケティング活動を「自動化」し、効率化するためのIT製品です。顧客の購買プロセスが変容し続ける時代において「新規の見込み客(リード)獲得から、育成や見込み度別に選別し、成約の見込みが高い顧客を抽出する」といった、これまで属人化しがちで、知識や経験も必要だった高度なマーケティング活動とその行程を、集約したデータともとに自動化できます。
「顧客情報とその関係性」を一元的にかつ効率的に管理するCRMも併用されることが多いIT製品です。DSPとCRMを連携させることで、よりターゲット精度を高めた広告配信、個別適合した(パーソナライズされた)上で顧客へ訴求をしていくことができます。
CRM(顧客管理システム)
CRMは、取引先、購入者から、見込み客まで「自社の顧客」に関するあらゆる情報を一元管理して戦略的に活用していくためのIT製品です。DMPはCRMのデータと統合・融合でき、顧客の行動履歴や属性などのデータから「より緻密でピンポイント」な顧客対応力の強化を可能にします。
マーケティング活動のためのデータを一元管理する基盤である「DMP」も連携性が特に高いツールです。概念としては分けられ、ツールとして個別に存在することもありますが、それぞれが統合、自然に融合されていることが多いようです。DMPは広告主が所有するデータと、外部のセカンドパーティデータやサードパーティデータを組み合わせ、より洞察に基づいたマーケティング戦略を展開するのに役立ちます。
DMP
DMP(Data Management Platform)は、マーケティング活動に必要とされる情報を一元管理できるシステムのことです。日本語では「データ管理基盤」などと訳されます。蓄積された自社データや外部データ、顧客属性や自社サイトの行動履歴などのデータを収集、管理し、分析することで、適切かつ効果的なマーケティング施策を立案していくための情報や手段を提供します。
「どの製品がいいのか分からない…」そんなときは、ぜひITセレクトの専門スタッフにご相談ください
「自社に合うIT製品・サービスが分からない」「どんな製品があるのかを知りたい」「どう選べばいいのか分からない」「時間をかけずに効率的にサービスを検討したい」というご担当者様は、ぜひITセレクトの専門スタッフまでお問い合わせください。適切なIT製品・サービス選定を最後までサポートいたします。