MA(Marketing Automation)ツールは、営業などの現場において見込み顧客獲得から成約までのマーケティング業務を自動化し、マーケティング活動そのものを効率化するIT製品です。MAツールには国産のものから海外製品まで多くの種類、製品があります。
「導入を検討しているが、自社に合うツールかどうか不安がある」「まずはお試しで使ってみたい」というマーケティング担当者から声が上がっている企業もあるでしょう。この記事では、MAの基本から、導入メリットと選定方法、そして無料で始められるMAツールを厳選してご紹介します。
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無料のMAツールが求められている背景
無料のMAツールが求められている背景には、主に次の3つの理由が多く挙げられます。まずはコスト削減です。特に中小企業やスタートアップは、限られた予算で最大限の効果を得る必要があり、有料ツールに対する初期投資を抑えたいと考えています。次にマーケティングの効率化・高度化です。MAツールは顧客データの管理、メールキャンペーンの自動化、リードの育成など、さまざまなマーケティング作業を自動化することで業務の効率化を図ることができます。最後に導入リスクの軽減です。無料から始めることで、まずはツールの使い勝手や効果を確認し、自社に適したツールを見極めることが可能です。
初期投資を抑えながらもより効果的なマーケティング活動を推進したい企業は、まずは無料のMAツールを試してみることで、コストを抑えつつマーケティングの強化と自動化・効率化の対策を進める、“かんたんでハードルの低い”第一歩に据えることができます。
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MAツールでできること
MA(Marketing Automation)は、これまで個人単位の知識や経験で行なわれてきた企業のマーケティング活動を「データ」として一元化し、そのプロセスを自動化して効率を高める仕組み、または考え方のことです。それを実現するIT製品を「MA、あるいはMAツール」と呼びます。
マーケティング活動は、新規見込み客の獲得から、育成、提案、フォロー、さまざまなアクションによって「顧客」となるように導いていきます。昔は「担当者個人の経験や勘、コツ」といった個人の能力に依存する要素が多くを占めていましたが、この能力は今や「全員備えるようになる/ライバル社も備えている」とするといかがでしょう。MAの概念的な効果はここにあります。 B to B(自社対企業)とB to C(一般消費者向け)それぞれのビジネス形態別に、MAツールで得られる効果・機能を具体化してみましょう。
- 見込み客獲得行動の精緻化
- 顧客育成と長期的な関係構築
- セールスサイクルの最適化
- 大規模な見込み客獲得
- 顧客ごとに最適化したアクション
- リアルタイムなデータ分析とキャンペーン最適化
(B to B)見込み客獲得タスクの精緻化
MAツールにより、ターゲット企業およびその決定者/対象先を特定し、その人に向けて的確な情報提供を行えます。高品質なビジネス見込み客獲得が可能になります。
(B to B)顧客育成と長期的な関係構築
トラッキングと自動化での活動を組み合わせることで、リードの行動を追跡し、把握あるいは予測ができます。例えば「その顧客専用にカスタマイズしたコンテンツ」を用意するなどで関係を深められます。長期的な関係を築く第一歩につながります。
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(B to B)セールスサイクルの最適化
営業部門や他部門と「顧客の情報」をシームレスに共有できます。見込み客の購買行動を把握・予測できることで、営業活動の迅速化かつ的確なアクションも促せます。
(B to C)大規模な見込み客獲得
MAツールにより、「大量に見込み客を獲得したい」といったキャンペーン戦略の多様性とターゲティング化向上策を実現できるようになります。
(B to C)顧客ごとに最適化したアクション
顧客の購買行動の履歴や好みを分析し、例えば「顧客それぞれ」に特化し、最適とされるプロモーションや提案を行えるようになります。顧客エンゲージメント(信頼関係)とブランドロイヤリティ(自社ブランドへのファン度)を同時に醸成できます。
(B to C)リアルタイムなデータ分析とキャンペーン最適化
リアルタイムにデータを分析することで、「その時」の消費者の行動トレンドを予測、把握できるようになります。これに基づいて即座にキャンペーンを最適化したり、市場動向に迅速対応したりすることが可能になります。
このようにMAツールは、マーケティング業務の効率化だけでなく、見込み客を効率的かつ低コストで引きつけ、売上拡大につなげる、顧客との関係強化とブランドロイヤリティを醸成するなどの効果が見込めます。
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無料で使えるMAツール10選
高性能だがそれだけに高額な製品をいきなり導入するのは……いろいろ難しいと思います。そんな人も大丈夫です。クラウド型/SaaS型製品には、「無料プラン」や「無料トライアル」など無料で始められる製品もたくさんあります。
そこで、「MAを実践したいが、はじめてなので何をどう活用できるかに不安がある」「まずはお試しで使ってみたい」「まずスモールスタートしたい」といった人に向け、コストとリスクを抑えてMAを始められる製品を紹介します。(製品名abcあいうえお順/2025年1月時点)
Benchmark Email
特徴 |
Benchmark Emailは HTMLメールを容易にに作成・配信でき、併せてその「効果測定」を行う機能を豊富に用意するシステムです。
小規模シーン向けの「無料プラン」を用意します。無料プランは最大毎月3500通までメール送信が可能です。
有料プランは月1785円から(Pro)。最大毎月7500通まで配信できます。 |
ベンダーのWebサイト |
https://www.benchmarkemail.com/jp/ |
GENEIEE MA(無料トライアルあり)
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MAツールの無料版 vs. 有料プラン
IT製品は原則として「有料」であることは念頭に置いてもらいつつ、「無料版」の月額無料プランあるいは無料トライアルは、一定の条件のもとで個人事業主から中小規模シーンでの導入に向け、または「選定・検討のためのお試しのため」に用意されます。
一定の条件とは、利用できる機能が基本的なものに限られる/利用できるユーザー数に制限がある/保存できるデータ数に制限がある/保存期間に制限がある/広告が表出するなどがあります。その一方で、制限を理解した上でその範囲で使えると判断できるならば、あるいは無料トライアルで「無料の範囲で試験的にスモールスタート」し、システムの機能や効果を検証したいといったシーンに無料版は適しています。
MAツールの選定プロジェクトにおいては、まず、自社のビジネスや利用シーンの規模とニーズ、成熟度、予算と、必要な機能を洗い出して整理する要件をまとめるところからはじめ、製品の絞り込みや選定の段階で無料版をうまく活用しながら進めていくとよいでしょう。
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(製品名abcあいうえお順/2025年1月時点)
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MAツール/メールマーケティングツールの基本的な使い方
MAツールは実際にどのように使い、成果を出していくのでしょうか。MAツールの基本機能である「基本設定」「メッセージテンプレートの作成」「メッセージの自動スケジュール設定」の3項目を簡単に説明します。
MAツールの基本設定
MAツールを使い始める際の手順は大まかに以下のような作業があります。ただ、会社や導入シーン別に詳細は異なりますので、参考としてご覧ください。
まず、選んだMAツールを自社Webサイトのアクセスログや顧客管理などの各種データと連携させます。MAツールによっては、サイトへタグやスクリプトの埋め込みなどの作業が必要になる場合があります。
MAツールの各種機能については、見込み顧客の属性や行動に応じてスコアを付与するスコアリング機能や、メール配信のタイミングや内容を決めるシナリオ作成機能などを利用します。これにより見込み顧客の情報や行動を分析し、メール配信や広告管理などを行います。
メッセージテンプレートの作成
メッセージテンプレートとは、メール配信に使用するメールのひな型のことです。メッセージテンプレートを作成することで、メールの作成や編集の時間を短縮し、メールの品質や一貫性を保つことができます。メッセージテンプレートの作成方法はMAツールによって異なります。
MAツールによっては、テキストメール、HTMLメール、メールマガジンといったメッセージテンプレートの種類があらかじめ用意されていることも多いです。目的や配信対象に応じて、適切なメッセージテンプレートの種類を選んでいきます。テンプレートをベースに、自社のロゴを入れたり、デザインを工夫したりすることでカスタマイズしていくのもよいでしょう。
続いてメッセージテンプレートの内容を編集します。メールの件名や本文、署名などの内容を編集します。MAツールの多くは、メールの内容を「見込み顧客の興味やニーズに応じて特化した内容」をそれぞれ個別に、自動的に差し入れる機能もあります。
メッセージの自動スケジュール設定
メッセージのスケジューリング化とは、メール配信のタイミングや頻度を事前に設定する作業のことです。メッセージの送信タイミングが適切ならば、購買行動につながりやすくなり、メール配信アクションの効果を最大化できます。
MAツールの多くは、この「タイミング」を顧客別に予測・提案する機能も持ちます。
メッセージのスケジューリング化設定方法は、MAツールによって異なりますが、一般的には以下のような手順で行います。
まずはメッセージの目的と配信対象を決めます。メール配信の目的は、見込み顧客の獲得や育成、成約促進など様々です。メール配信の目的に応じて、配信対象の見込み顧客のセグメントを決めます。セグメントとは、見込み顧客を属性や行動などの条件で分類したグループのことです。
続いてメッセージの内容とタイミングを決めます。メール配信の内容は、配信対象の見込み顧客の興味やニーズに合わせてパーソナライズしましょう。メール配信のタイミングは、見込み顧客の行動や購買サイクルに合わせて最適化することが重要です。メール配信の内容とタイミングを決める際には、シナリオ作成機能やトリガーモデルなどの機能を活用することができます
メール配信の内容とタイミングを決めたら、MAツールのスケジューリング化設定画面で設定します。MAツールによっては、カレンダーやドラッグアンドドロップなどの機能で簡単に設定できる場合があります。
メッセージのスケジューリング化設定が完了したら、開始します。MAツールは、設定した内容とタイミングに従って、自動的にメール配信を行います 。
「MAツール」を軸にしたマーケティング戦略最適化の基礎
MAツールは現代のビジネスマーケティングに不可欠な存在になっています。リードスコアリングやセグメンテーションを活用して的確なターゲティングを実現するとともに、顧客の行動データを分析し、パーソナライズされたコミュニケーションを可能にするためです。ここからは「MAツール」を軸にした戦略の最適化を図る基礎を解説します。
MAツールを活用したリードジェネレーション
MAツールを活用してリードジェネレーションの強化が可能です。リードスコアリングやパーソナライズドなコンテンツ提供を通じてターゲットを絞り込み、タイミングを重視した自動フォローアップを実現します。データ駆動で効果を測定し、柔軟な戦略調整を行うことが成功の鍵となります。
- セグメンテーションとパーソナライゼーション
- メールキャンペーンの効果的な設計
- インテグレーションとデータ分析
- データ分析の重要性
セグメンテーションとパーソナライゼーション
セグメンテーションはターゲット市場を細分化する重要なステップです。デモグラフィクス、行動パターン、購買歴などを分析し、異なるセグメントに分類します。これにより、特定のグループに合わせたマーケティングアプローチが可能となります。
パーソナライゼーションは各セグメントに合わせた個別のエクスペリエンスを提供します。MAツールを活用し、リードの好みや行動データに基づいてタイミング良くパーソナライズされたコンテンツやコミュニケーションを提供。これにより、リレーションシップ構築が可能になり顧客満足度が向上します。
メールキャンペーンの効果的な設計
MAツールを駆使したメールキャンペーンは、リードスコアリングやセグメンテーションでターゲットを精緻(せいち)に絞り込むことが鍵となります。
パーソナライズされたコンテンツと自動化されたフォローアップを組み合わせ、顧客の興味を引きつけます。適切なタイミングで送信し、キャンペーンデータを分析して戦略を最適化することで、効果的なメールキャンペーンを実現できます。
インテグレーションとデータ分析
MAツールの効果を最大限に引き出すには、他のビジネスツールとのシームレスな統合が不可欠となるでしょう。例えば、CRM、SFA、Web解析ツールなどとの連携により、一元的なデータ管理が可能となり、より効果的なキャンペーン実施やパーソナライズされた顧客体験を提供できるようになります。
データ分析の重要性
データ分析やレポーティングの機能の考察は、MAツールの導入で特に成果を出したい企業に欠かせない要素となります。リードの行動分析やキャンペーン効果測定を通じて「洞察を得る」。このことはビジネス躍進への大きな武器になります。
無料で始められるMAツールからビジネス成長の第一歩を
MAツールの導入はビジネスの成長に加速度をもたらします。まず、無料版(無料プランや無料トライアル)を試すことで、ビジネスのニーズに最適なツールかどうかを確認でき、クラウド型製品の利点を生かした柔軟な導入計画やアップグレード戦略も計画できます。試用期間を利用して機能の適切な活用方法を模索し、成果を最大化する第一歩を踏み出しましょう。
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