企業の成功には、効率的かつ戦略的な営業活動が不可欠です。そこで昨今注目されているIT製品が「SFA」です。SFAは営業活動をデジタルデータを軸に大きく効率化できます。
本記事では、SFAの基礎知識から、主要機能、CRMやMAトの違い、導入メリット、そして製品選定のポイント、他社の成功事例やSFAの将来までをじっくり体系的に解説します。併せて、機能/特徴別に、日本企業に導入例が増えているおすすめSFA製品を20製品(2024年8月時点)紹介します。SFAの導入を検討している担当者のぜひ参考にしてください。
目次
- SFA(営業支援システム)とは?
- SFA(営業支援システム)とCRM(顧客管理システム)の違い
- SFA(営業支援システム)とMA(マーケティングオートメーション)の違い
- SFA(営業支援システム)導入のメリット
- SFA(営業支援システム)導入のデメリット
- SFA(営業支援システム)の主要機能一覧
- SFA(営業支援システム)の導入と選択
- SFA(営業支援システム)選定のポイント
- CRM+MA機能も統合する多機能・万能型のおすすめSFA製品 6選
- SFA機能にも強みを持つCRM製品 14選
- MA機能やワークフロー管理などニーズ別特化機能のあるおすすめSFA製品 6選
- SFA(営業支援システム)の導入事例
- SFA(営業支援システム)の今後のトレンド
- SFA(営業支援システム)は、営業の効率化と売上向上、そして自社の成長のための「心強い強力な武器」
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SFA(営業支援システム)とは?
SFA(Sales Force Automation/営業支援ツール)は営業活動を効率化し、自動化するための手法、またそのシステムやツールのことです。
具体的には、顧客情報の管理、営業案件の追跡、営業活動の計画、分析、見積もりや提案書の作成など、営業/セールスに関連するさまざまな業務を効率化します。
SFAは、中小企業から大企業まで幅広い規模の組織で利用されており、機能や価格もさまざまあります。自社の営業プロセスに適するSFAを選定し、導入することで、営業チームの効率化、コスト削減、成果・成績・売上の向上、顧客満足度向上などの大きな成果が期待できます。
SFAの重要性
SFAは、営業プロセスの効率化と売上向上を実現するために、昨今非常に重宝されるようになっています。
例えば、ある企業がSFAを導入した結果、営業担当者の訪問履歴や顧客とのコミュニケーション履歴が一元管理され、情報のばらつきや重複が解消されました。これにより、営業活動がスムーズに進み、顧客対応の一貫性が保たれ、顧客満足度が向上する効果を実現できました。また、営業チーム/メンバーのパフォーマンスを可視化し、データに基づいて評価・改善できる体制によって、全体の生産性が向上し、実際の売上成績を大きく増加させる成果を上げています。
SFAの持つ「売上予測機能」を有効に活用することで経営陣は、正確なデータと精度の高い売上予測に基づいて、自信・根拠を持って迅速に意思決定できるようになり、また精度の高い情報とともに、人的リソースを最適に配分する業務・事業判断にも役立てています。
これらSFAの活用で期待される要素により、自社の競争力を強化し、顧客満足度を高めるとともに、売上の向上を実現できることになります。
SFA(営業支援システム)とCRM(顧客管理システム)の違い
SFAとCRM(Customer Relationship Management/顧客管理システム)は、それぞれ「セールス部門」が主に用いることが多いです。違いは主に、そのフォーカス領域にあります。
SFAは「営業プロセスの効率化と自動化」に特化しており、営業活動の管理や売上予測、営業担当者の行動追跡を支援します。
一方のCRMは「顧客全体の関係性管理」に焦点を当てています。マーケティング、営業、カスタマーサポートなどの部門間で顧客情報を一元管理し、統合的に顧客満足度を向上させることを目的としています。
SFA(営業支援システム)とMA(マーケティングオートメーション)の違い
同様にSFAとMA(Marketing Automation)の違いも混同されがちかもしれません。SFAとMAツールの違いは、その対象とする業務プロセスにあります。
SFAは営業活動の自動化と効率化に特化し、「営業案件の管理や売上予測、営業担当者の行動追跡」を支援します。
一方のMAは「マーケティング活動の自動化」に特化したツールです。リード(見込み客)の生成、見込み客のナーチャリング(育成)、マーケティングキャンペーンの実施や管理などを通じて、潜在顧客を効率的に育て、営業チームに引き渡すことを目的としています。
SFA(営業支援システム)導入のメリット
- 営業プロセス・進捗を可視化できる
- 営業活動の効率化を実現する
- 顧客情報を一元管理できる
- 精度の高い売上予測が可能になる
- 営業部門全体のパフォーマンスが向上する
- 迅速な意思決定を強力にサポートできる
営業プロセス・進捗を可視化できる
SFAを導入することで、営業活動の各ステップがシステム上で管理され、進捗状況が一目で分かるようになります。これにより、どの案件がどの段階にあるのか、どの営業担当者がどの案件を担当しているのかを把握しやすくなり、効率的なマネジメントが可能となります。
営業活動の効率化を実現する
SFAは営業活動の自動化を支援するツールです。顧客情報の一元管理、スケジュールの自動調整、定型業務の自動化などにより、営業担当者はルーチンワークから解放され、より重要な顧客対応や戦略的な営業活動に集中することができます。
顧客情報を一元管理できる
顧客情報が一元管理されることで、各営業担当者が持つ情報のバラつきを防ぎます。これにより、どの担当者でも顧客の過去の取引履歴やコミュニケーション履歴を即座に参照でき、一貫した顧客対応が実現します。
精度の高い売上予測が可能になる
SFAはデータに基づいた売上予測機能を提供します。過去の営業データや現在の案件進捗状況を分析することで、より正確な売上予測が可能になり、経営判断やリソース配分の精度を向上させます。
営業部門全体のパフォーマンスが向上する
各営業担当者の業績や活動量を可視化し、目標達成度合いやボトルネックを明確化します。その結果、フィードバックやトレーニングを通じて個々のパフォーマンスを向上させることができ、チーム全体の成果を高めます。
迅速な意思決定を強力にサポートできる
SFAはリアルタイムで営業データを提供し、迅速な意思決定を支援します。経営陣や上長・管理者は、タイムリーな情報を基に迅速かつ適切な判断を行うことができ、ビジネスチャンスを逃さずに対応することが可能になります。
SFA(営業支援システム)導入のデメリット
SFAの導入には多くのメリットがありますが、一方で、初期導入コストとシステムの定着化に時間がかかることには注意が必要です。特に中小企業にとっては、導入にかかる費用や時間が負担となる場合があります。
また、システムの操作に慣れ、効果的に活用できるようになるまでの教育やトレーニングも他の一般的なIT製品より多く、時間がかかる傾向があります。これにより、一時的に業務が停滞する可能性もあります。なお、全ての営業担当者が積極的にシステムを活用しないと期待される効果が十分に得られず、失敗に終わってしまう可能性も導入時の課題・心配ごととして挙がります。これらの点を考慮し、適切な計画とフォローアップとともに導入検討をすすめていくことが重要になるでしょう。
SFA(営業支援システム)の主要機能一覧
顧客情報管理機能
顧客情報を一元管理する機能です。顧客の基本情報、過去の取引履歴、コミュニケーション履歴などを集約し、営業担当者がいつでもアクセス可能にします。これにより、顧客対応の一貫性を保ち、信頼関係の構築をサポートします。
案件管理機能
営業案件の進捗状況を管理する機能です。各案件のステータス、担当者、予測売上、次のアクションなどを可視化し、営業活動の効果を最大化します。これにより、リソースの最適配分や戦略的な営業活動を支援します。
行動管理機能
営業担当者の活動記録を管理する機能です。訪問履歴、電話記録、メール送信履歴などを一括で管理し、営業活動の透明性を高めます。これにより上長・営業マネージャーも各担当者のパフォーマンスをリアルタイムで把握できるようになります。
売上予測機能
過去のデータや現在の案件状況に基づいて将来の売上を予測する機能です。これにより、経営陣は戦略的な意思決定を行いやすくなり、リソースの最適な配分や迅速な対応が可能となります。
レポート・分析機能
営業活動のデータを集計し、さまざまな視点から分析する機能です。カスタマイズ可能なレポートを生成し、営業チームのパフォーマンスや市場動向を把握します。これにより、データに基づいた改善策を講じることが可能です。
スケジュール管理機能
営業担当者のスケジュールを管理する機能です。訪問予定、会議、タスクなどを一元管理し、効率的な時間配分をサポートします。これにより、営業活動の計画性が向上し、無駄な時間を削減します。
SFA(営業支援システム)の導入と選択
ここからは、SFAの導入方法や基本的な機能についてご紹介します。
なお、SFAはサービスによって機能が異なりますので、あくまで参考としてご覧ください。
SFA導入のステップ
自社に最適なSFAを導入し、活用するためには、計画的かつ段階的に進めていく必要があります。
以下に、導入ステップの例をご紹介します。
ステップ | 実施内容 |
---|---|
1. 要件定義 | 企業がSFAに求める要件を検討する。 顧客管理の改善、営業プロセスの効率化、データ分析の強化など、具体的な目標を設定することが重要。 |
2. 市場調査と選定 | 利用可能なSFAツールを調査し、企業のニーズや予算に合ったものを選択する。 |
3. カスタマイズ | 必要な機能の追加や不要な機能の排除など、選択したSFAを企業の要件に合わせてカスタマイズする。 |
4. 導入と試運用 | SFAを実際に導入し、初期の試運用期間を設ける。無料トライアルのある製品ならば、自社のニーズに合う機能があるかどうか、この先使っていけそうかどうかを遠慮なく「お試し」して確認する。 |
5. トレーニング | 従業員がシステムを理解し、効率的に使えるようにするためのトレーニングを行う。 |
6. 評価と改善 | 定期的にSFAのパフォーマンスを評価し、改善の余地がないかを検討する。 |
SFA(営業支援システム)選定のポイント
- 機能とカスタマイズ性
- ユーザビリティと使いやすさ
- 統合性
- セキュリティとプライバシー
- コストとスケーラビリティ
(1)機能とカスタマイズ性
まず、最も重要なことは、求めている機能が備わっていることです。
各企業の営業プロセスは異なるため、自社のニーズにSFAが応えられるかを確認しましょう。
また、ビジネスの成長や市場の変化に合わせてシステムを柔軟に調整できるカスタマイズ性も重要です。
顧客管理、営業プロセスのカスタマイズや、レポート作成などの機能が必要かどうかを検討しましょう。
(2)ユーザビリティと使いやすさ
SFAの選定において、ユーザビリティと使いやすさも重要な要素です。
使いやすいインターフェース、モバイルアクセス、学習のしやすさなどは、利用する従業員の心理的ハードルを下げ、結果として全体の生産性を向上させる効果があります。
ツールの機能性と同様に、使いやすさも重要な選定基準になります。
(3)統合性
他のシステムとの統合性も考慮しましょう。
効率的なビジネス運営には、異なるシステム間でのスムーズなデータ連携が不可欠です。
ERP、CRM、電子メール、カスタマーサポートなど、他のシステムとの連携が容易であることが望ましいです。
特に、既に使っているシステムがある場合は、連携が可能か必ず確認しましょう。
(4)セキュリティとプライバシー
企業のデータは機密情報のため、SFAには強力なセキュリティと、データ、プライバシーの保護が必要です。
データの暗号化、アクセス制御、セキュリティアップデートなどのセキュリティ対策が適切に行われているかを確認しましょう。
(5)コストとスケーラビリティ
コストとスケーラビリティも重要なポイントになります。
できる限りコストのかからないシステムを選択したいものですが、同時に、企業成長に合わせてシステムが拡張可能であることも重要です。
参考として、従業員規模ごとにかかる月額コストは以下の通りです。
- 小規模企業(従業員数20人以下):月額で約5000円〜1万5000円(税抜)/人
- 中規模企業(従業員数 数百人):月額で約2万円〜5万円(税抜) /人
- 大企業(従業員数 数百人以上):月額で5万円超/人、場合によっては数10万円(税抜)超/人
これらは概算です。実際のコストは選択するシステムの機能や業種、求めるサービスレベルによって違ってきます。
CRM+MA機能も統合する多機能・万能型のおすすめSFA製品 6選
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