日々の業務を効率化し、競争力をより高めるためにAI技術の導入を検討していると思います。その1つであるAI画像認識技術は、ディープラーニングの発展を背景に近年急速な進化を遂げ、それまで人間の熟練した判断や知識が必要とされていた領域でも精度の高い認識・解析が可能になっています。
本記事では、その基礎的な仕組みや活用例、そして実際に企業が導入するうえで考慮すべきポイントを解説し、AIで業務効率化やコスト削減につなげる「第一歩」となる手法・ステップをご紹介します。
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目次
AI画像認識の基本とそのビジネスへの応用
まずはAI画像認識の定義や利点、ディープラーニングとの関係などを把握しましょう。
AI画像認識とは、コンピュータが画像の内容を解析し、人物や物体、文字などを認識する技術を指します。以前は特徴量の抽出に人間の手作業や専門知識が求められていましたが、近年はAIが自動的に特徴量などを学習し、高度に識別・判断できるようになるほど高い認識精度が得られるようになり、その能力は日に日に高まっています。
ビジネスの現場では、AIで認識したデータをもとに自動仕分けを行ったり、決裁用書類のチェックを行ったりと、多岐にわたる業務の効率化に役立てられています。特に、大量の画像データを取り扱う業界や、人の目視判断に頼っていた業務での導入が進んでいます。
こうした画像認識技術の発展は、企業にとって新しいサービスの創出や品質向上につながり、コスト削減と同時に競争力を高める、大きな成果の創出が強く期待されています。
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AI画像認識とは何か?
AI画像認識とは、カメラやスキャナーなどから得られた画像をコンピュータが解析し、写っている対象物やパターン、文字などを識別・分類する技術のことす。
技術のベースには機械学習やディープラーニングがあります。特にディープラーニング技術の進化によって膨大なデータセットから特徴を自動学習し、人間の認識精度に近づく──シーンによっては人間の能力を上回るケースも出てきています。
具体的には、不鮮明な画像や被写体の位置・形状がバラバラの画像に対しても柔軟に対応できることが注目されています。これにより製造業や医療、広告など幅広い分野での応用が見込まれています。
ビジネスにおけるAI画像認識の主なメリット
ビジネスの現場では、手作業で行うと多くの時間や人手を要するタスクがあります。そのような現場へAI画像認識を導入することで、例えば「膨大な量の画像や書類を整理し、振り分ける」のような作業を自動処理できるようになります。
また、繰り返し行うタスクを同様に自動化できれば、人的ミスの発生率を低減させられるのも大きなメリットです。人間が集中力を維持できないくらいの長時間作業でも、機械であるAIは安定した精度を保ち続けられるからです。分かりやすく業務効率化やコスト削減に直結することは想像いただけると思います。
「AI」を幅広く柔軟に活用した業務改革を通じて、新たなビジネスチャンスを生み出し、競合との差別化を図る戦略としての活用シーンが強く期待されています。
- 業務効率化と生産性向上を実現する
- 精度をより高め、ヒューマンエラーを削減できる
- コストを削減できる
- 顧客満足度を高められる
- 新たなビジネスチャンスを生み出せる
業務効率化と生産性向上を実現する
AI画像認識を導入することで、定型作業の多くを自動化し、高速化できます。例えば、物流センターでの荷受け作業や製造ラインでの欠陥検知など、人が目視で行う仕事の時間を大幅に削減できます。
これにより、作業時間の短縮や生産性の向上が実現します。そして余力が生まれた分、高付加価値の業務に人的リソースを振り向けやすくなるでしょう。
精度をより高め、ヒューマンエラーを削減できる
人が高速で大量の情報を処理する場合、どうしても判断ミスや見落としが発生するリスクがあります。AI画像認識を用いることで、この「判断ミスや見落とし」のリスクを限りなく低く抑えられるようになります。特定分野に関しては人間以上の識別精度を発揮するケースは多いです。
AIを用いることで、例えば製品検査やセキュリティ分野のような、高度な精度が要求される場面でもヒューマンエラーを大幅に低減し、より精度・確実性を高めて業務を進行できるようになるでしょう。
コストを削減できる
AIによる自動化は、人件費や作業時間の削減に大きくつながります。例えば、書類の入力作業をAI画像認識などを活用して代替させれば、人の手で行っていた入力ミスの修正コストや二重チェックの手間が減ります。企業全体のオペレーションコストを抑えられます。
もちろん、AI技術の導入・運用コストを回収できる期間・スピードはプロジェクト規模や業務内容により異なりますが、運用が軌道に乗れば長期的なコスト削減が期待できます。
顧客満足度を高められる
AIによって、顧客からの問い合わせへの迅速な対応や、より正確なサービス提供が可能になれば、さらなる顧客満足度の向上が期待できます。例えば、ECサイトで商品画像の自動分類や認識・提案をAIが行うシーンがあります。ユーザーは欲しい商品を素早く的確に、あるいは求めている期待値以上のものを見つけられるようになれば、サイトに対する評価は自然と高まることでしょう。
また、画像認識を活用した受付やサポートシステムなどもAIが有効に機能するシーンとして期待されています。問い合わせへの応答速度向上、AI翻訳とともに言語の壁をなくす、見えざる感情も予測した対応力などから、顧客体験の質自体を引き上げる効果が見込まれます。
新たなビジネスチャンスを創出できる
AI画像認識はこれまで人が検知できなかった詳細な傾向や特徴を把握できることで、これまでなかった/知り得なかった新たなサービスや商品の開発につながる可能性を秘めています。一例として、画像認識を活用したリアルタイムマーケティングや、自動レコメンド機能などがありますが、もちろんそれだけにとどまりません。
AIは従来の事業領域にこだわらず、顧客ニーズを掘り起こす視点で活用できることもポイントです。新規市場の獲得につながり、企業の成長をサポートする強力な原動力となります。
ディープラーニングとAI画像認識の関係
ディープラーニングとは、多層のニューラルネットワークを使い、データの特徴を自動的に学習する手法のことです。AI画像認識においては、画像の特徴量を人間が定義しなくても、自ら最適な認識モデルを獲得していく能力のための基幹技術とされます。
この技術的特徴により、非常に複雑な画像や多様なパターンでも高精度の分類や検出が可能です。そして大量の学習データが用意できる時代背景も相まって、AIによる画像処理技術が飛躍的な進化を遂げたポイントです。
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画像認識技術の種類と用途
AI画像認識の応用範囲はとても広いです。物体を識別するだけでなく、人物の顔を検出したり、画像から文字を読み取ったりすることも技術・機能の1つです。
ここでは主要な技術と活用シーンをいくつか取り上げ、それぞれのメリットや注意点を理解していきましょう。
- 物体認識とセグメンテーション技術
- 顔認識とセキュリティ
- 文字認識(OCR)と画像キャプション生成
- ECサイトやマーケティングでの活用
物体認識とセグメンテーション技術
物体認識は、画像内の特定の物体を見つけ、その種類を特定する技術です。
例えば、製造現場での不良品検出、医療画像での臓器・患部の認識など、高精度な分析が必要な場面で大きな効果が期待されています。
また、セグメンテーション技術と組み合わせることで、未知のセグメントを発見し提案する、アタックすべき顧客をよりピンポイントに絞り込む、対象物以外の背景情報を無視する、より詳細な解析や自動分類を行うといったことも活用範囲になります。
顔認識とセキュリティ
顔認識はセキュリティ分野で活躍する代表的な技術です。防犯カメラの映像から不審者を探し出したり、入退室の管理に活用したりとさまざまな用途があります。
最近ではAIが“まるで本物のような”自然な画像や映像を生成できるようになったことを悪用し、「本物である」と欺く目的の画像・映像を作成するディープフェイクといった技術も同様に進歩しています。顔認識の精度とともに、セキュリティの観点からもAIによる高度な仕組みが求められています。
文字認識(OCR)と画像キャプション生成
OCRは画像内のテキストを読み取って文字データに変換するかなり昔からある技術ですが、AI画像認識技術(AI-OCR)によってこの精度が飛躍的に高まっています。請求書や領収書の情報を自動で抽出するなどのシーンで事務作業の負担を大きく削減し、ヒューマンエラーも抑制できることが期待されます。
また、画像キャプション生成も近年ニーズが高まっています。画像の内容を理解して自動的に文章化する技術で、写真やイラストの説明文をリアルタイムで生成できます。SNS分析や写真管理システムのほか、視覚障がい者支援の対策などとしても活用が期待されています。
ECサイトやマーケティングでの活用
ECサイトでは、商品画像をもとにAIが自動でタグ付けやカテゴリー分けして登録を効率化する仕組みが登場しています。またユーザーの閲覧履歴を分析し、レコメンド精度を高めるといった機能・目的にもAIの活用が進んでいます。
マーケティング領域でのAI画像認識では、例えばSNSにアップロードされた写真データを解析し、ユーザー属性や嗜好を推定するといった活用例があります。これらの活用によってターゲットを絞った販促活動が実現し、企業の売上増に寄与するケースが増えています。
AI画像認識の最新動向と導入ポイント
AI画像認識技術は、単に画像を分析するだけでなく、リアルタイム処理や時系列データの解析などにも広がっています。AIツール・サービスを活用することで大容量のデータ分析が可能になり、より高度なユースケースが実現されています。
最新の画像認識技術とトレンド
最新のトレンドとしては、リアルタイムでの物体検出が進歩し、自動運転分野や監視システムなどで活用が加速しています。GPUの進歩やクラウドの普及によって、大規模な画像データを高速に処理できる環境が整ってきました。
また、ビッグデータ解析との組み合わせにより、膨大な画像・動画情報を統合的に分析してユーザー行動や市場の動向を予測するといった高度な取り組みも増えています。
企業が導入前に知っておくべきポイント
導入コストに関しては、システム導入費やクラウド利用などの初期支出に加え、モデルの再学習やメンテナンス費用を見込む必要があります。どの業務範囲までカバーするかを事前に明確にし、ROI(費用対効果)の試算を行うことが欠かせません。
社内体制においては、AIの専門知識を持つ人材の確保や担当部門との連携が重要となるでしょう。さらに、扱うデータのプライバシーやセキュリティに関する社内ルールの整備も無視できません。
AI画像認識技術のビジネス活用例
企業のコア業務から日常的な事務作業に至るまで、AI画像認識はさまざまな場面で役立ちます。以下の活用例は、導入効果をイメージしやすいように参考として具体化したものです。自社の課題に近いフィールドがあると思うのでぜひ参考にしてください。
基幹業務(ERP)
受発注や在庫管理などの基幹システムにAI画像認識を導入すれば、紙資料やメール添付の画像ファイルなどからデータを自動抽出しERPに直接入力できるようになります。データの整理と分類の高度化にAIを用いるイメージです。これにより、人的入力のミスを抑えながら処理速度を大幅に向上できます。
また、定期的なレポート作成にもAIは活用できるでしょう。手動集計作業を削減し経営判断を迅速化する基盤を整えられます。
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生産管理
工場などの生産ラインでは、製品に傷や不良が発生していないか、のような品質・数量確認をAI画像認識で検知する仕組みが活用されはじめています。ラインカメラで撮影した画像をリアルタイム判別し、即座にアラートを出すことで、不良品の流出を防止できます。
この自動化により、検査コストや人員を最適化するとともに、ヒューマンエラーのリスクも最小化できます。
倉庫管理
大型の倉庫では、荷物の仕分けや在庫のロケーション管理に人手がかかるケースが多いです。AI画像認識を行うカメラやドローンなどを用い、カメラで棚の状況を定期的にスキャンし、自動で在庫数と実際の保管状況を照合することが可能になります。
誤配送やロスを防げるだけでなく、業務の可視化も進み、在庫コントロールが格段にスムーズになることが期待されます。
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経費精算
経費精算にAI画像認識のOCR機能を活用するシーンが増えています。経費精算システムあるいはそのスマートフォンアプリで、領収書やレシートの情報を自動で読み取り、的確にデータ化する機能です。日付や金額、店舗名などを自動入力できるため、手作業での入力ミスやタイムロスを削減します。
請求書処理
膨大な請求書処理を必要とする企業では、OCRによるAI文字認識とデータベースの自動照合によって作業時間を大幅に短縮できます。特に社内ルールと照らし合わせてエラーを抽出する仕組みがあれば、不正請求や入力ミスを早期に発見しやすくなります。
紙からデジタルへの移行をスピーディに行い、請求処理の精度と効率を同時に高められます。
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勤怠管理
AI画像認識を活用した勤怠管理のシーンは、出退勤時の顔認証やカメラによる時刻判定などで有効に活用され始めています。AI画像認識を取り入れることで、なりすましや押し忘れなどの不正やミスを防止できます。セキュリティレベルを高められることもコンプライアンス面で大きなメリットがあります。
また、表情などから体調の良し悪しを判定するといったこともAIが担えると予想されます。従業員が無理をしていないか、メンタルヘルス等に課題はないか、会社として従業員のヘルスケアをより正しく・手厚く行う体制も重要です。
顧客管理(CRM)
顧客管理/CRMにおいて、顧客のプロフィール写真や関連ドキュメントを自動整理するシーンでAI機能/AI画像認識を用いる製品が増えています。CRMデータベースの一元管理と拡張を行いやすくなります。顧客と接する現場で必要な情報を素早く呼び出す際に効果を発揮します。
また顔認識と組み合わせれば、顧客が来店したらぐに過去の購入履歴や要望を表示するといった仕組みとともに顧客サービスの向上化も可能になるでしょう。
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名刺管理
名刺を撮影するだけで、AI画像認識(AI-OCR)で連絡先情報を自動的に読み取ってデータ化する機能は、既に多くの名刺管理システムで採用されています。AIによってこの読み取り精度は日に日に高まっています。手入力の手間を省くだけでなく、文字の読み間違いを防ぎ、正確な顧客情報を維持しやすくなります。
在庫管理
棚卸作業は企業が抱える大きな負担の1つですが、この工程はAI画像認識の活用でより効率化されると期待されています。在庫の数量や場所を自動スキャンしてデータ化し、リアルタイムで在庫状況を把握するといったシステムに活用されます。欠品防止やロス削減に効果を発揮します。
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需要予測
データ分析と予測はAIの得意分野です。例えば商品画像や市場トレンドデータをまとめて解析し、購買意欲や消費傾向をより正確に把握するといったシーンで大いに活躍するでしょう。時節やイベントごとの需要パターンを画像情報と合わせて分析することで、在庫管理や商品開発のヒントを得られます。
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輸配送管理
物流業務での誤配送や破損は企業の信頼を左右します。AI画像認識を活用し、出荷時や到着時の荷物画像を自動的に判別することで、商品不備や配送間違いを早期に発見できるようになるでしょう。温度管理や積載状況のモニタリングなど、画像をもとに輸送環境を可視化する手法も進んできており、物流全体の効率アップを支援します。
工数管理
生産現場や建設現場などで、作業の進捗を画像によって記録し、AIが自動で認識して稼働時間や工程状況を集計する仕組みが考案されています。AIによって、プロジェクトの工数をリアルタイムで可視化し、リソース配分を柔軟に行う体制を強力に支援します。
AI画像認識を踏まえたシステム選定のポイント
AI画像認識を導入する際のシステム選びでは、要件を整理しサポート体制を見極めることが重要です。
AI画像認識の機能や性能は、業界や企業の規模によって求められる内容が異なります。システム選定時には、まず自社の要件を明確にし、それに合致する技術的スペックや運用性を備えているかを判断することがポイントです。
- 自社の業務やニーズに合っているか
- サポート体制は整っているか
- セキュリティとルール化の観点
- 「無料トライアル」はあるか
自社の業務やニーズに合っているか
AI機能に限らず、IT製品を導入する際にはまず「自社は何の問題を解決したいのか」を明確にする必要があります。ターゲットとする課題によって選ぶべきAI対応ツールの種類や必要となる機能は大きく変わります。最初に「要件定義すること」が成功の鍵を握ります。
第一歩として、自社のビジネスプロセスや業務の課題、従業員の状況、ニーズをあらためて見直して、どの業務に問題があるのか、どのプロセスを改善したいのかを明確にしましょう。例えば「新たな知見を得て戦略を練るため」「ルーチン業務の手間を削減して効率化するため」「法令順守やリスク管理の強化のため」「従業員のモチベーション向上や働き方改革の推進のため」など、企業によって主目的、実現したい成果、優先順位は異なると思います。
なお、導入を担当者であるあなたひとりで選定・決定するのは大抵の場合、困難です。ニーズや課題は会社別、部門別、担当者別でもそれぞれ違います。さまざまな視点で、できるだけ多くの課題を拾い上げて製品を選定するために、別部署や管理部門、現場、経営層・上層部なども遠慮なく巻き込みながらプロジェクトを進めていくことをおすすめします。
こうした要素をできるだけ具体的にリストアップし、得たい成果や目標値、期日を可能な限り定め、優先順位を付けることで、自社独自の「要件」としてまとまってきます。このプロセスをできるだけ丁寧に行うことが、製品選定フローの効率と確実性、そして運用後の実成果へ大きく効いてくるポイントの1つです。
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サポート体制は整っているか
AI画像認識は、導入後も学習モデルの更新やパフォーマンスチューニングが必要になるケースがあります。ベンダーのサポートが充実しているか、導入企業の声や事例を参考にしながら確認を行うのがおすすめです。
障害対応や運用コンサルティングなど、実際の現場でどれだけフォローしてもらえるかによって、運用の安定度が左右されます。
セキュリティとルール化の観点
クラウド型かオンプレミス型か、既存システムとの連携性はどうかなど、AI機能やシステムの導入形態が自社に適しているかどうかも確認しましょう。
多くのAIツールはクラウド型でサービスが提供されます。クラウド環境へ(つまり、自社管理外へ)自社のデータをアップロードして回答・分析させるケースも多々考えられます。
そのため、機密情報の取り扱いとアクセス制限の管理は極めて重要です。導入前にサービス提供側のセキュリティ体制をしっかりと確認するとともに、「自社/従業員」へも情報流出や著作権侵害などのリスクを考慮し、最小化する運用・利用ルールを整備することが求められます。
「無料トライアル」はあるか
AI画像認識の導入を計画する際、実際の業務データを使った検証は欠かせません。ベンダーが無料トライアルやPoC(概念実証)のサポートを提供している場合、機能や精度を実機テストで確認できます。
欲しい機能は「仕様/対応している」として載っていたけれど、実際に使ってみると操作しにくかった、機能が乏しかった、自社の業務シーンとは適合しにくかった、などイメージと異なる場合も多々あります。
クラウド型/SaaS型製品には無料で試用できる「無料版(デモ版、無料トライアル版)」も多く存在します。この無料トライアルを活用して実際の機能、UIや操作感を確かめると導入後のイメージがグッと具体的になります。多くの場合、資料請求後に無料トライアルダウンロードの案内があります。無料版はぜひ遠慮なく活用することをおすすめします。
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AI画像認識の未来と展望
AI画像認識は、ディープラーニングのさらなる進歩に伴い、人間の知覚能力を超える解析を行う可能性を秘めています。センサー技術の発展や通信環境の向上によって、データをリアルタイムで収集し、超高速で分析する環境も整いつつあります。
今後は音声やテキストなど他のAI技術と連携し、マルチモーダル(テキスト、音声、画像、動画、センサー情報など複数の異なる情報源から情報を収集し、統合して処理する)解析が一層進む見込みです。企業としてこうしたAI技術の発展を見据えながら、データ活用基盤やセキュリティ強化を同時に進めることが有効な戦略と言えるでしょう。
AI画像認識で、さらなる業務効率化を実現する「次」のステップを
AI画像認識技術の導入は、業務効率化や精度向上、コスト削減に大きな効果をもたらします。自社のニーズに合った製品を選び、カスタマイズの可能性やサポート体制を確認し、無料トライアルで実際の効果を検証することがポイントの1つです。
具体的な導入プロセスを踏むことで成功への道筋が見えてきます。今こそ、AI画像認識を活用して業務を革新し、競争力を高める一歩を踏み出しましょう。まずは、製品やサービスに触れたり専門家に相談したりして、あなたの会社に適するソリューションを見つけることから動いていきましょう。
もし「自社に合うIT製品・サービスが分からない」「どう探せばよいのか分からない」とお困りでしたら、あるいは「おすすめ製品・ベンダーを紹介してほしい」のような希望がありましたら、適切なIT製品・サービス選定を最後までサポートする専門スタッフがいるITセレクトのコンシェルジュ相談サービスをぜひご利用ください。(無料です!)
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