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中小企業におすすめのCRM6選を比較|導入すべき理由とメリット、選定ポイントを徹底解説

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ITセレクト編集部

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CRMとは自社の顧客情報を管理・分析することで、顧客との良好な関係性を築きそれを効果的に経営戦略につなげるためのツールです。名称はCustomer Relationship Managementの頭文字で、日本語では顧客関係管理、顧客管理システムなどと訳されます。

CRMの導入によって、顧客情報を商談・受注からその後も、コミュニケーションを取った履歴などまでも「データ」として集約し、蓄積することで、行動分析、マーケティング活動、カスタマーサポートなどまで活用できるようになります。これによって中小企業が抱える顧客管理に関する問題解決の助けとなるでしょう。

この記事では、中小企業の現状から、CRMを導入するメリット、注意点とともに、製品の選び方、おすすめCRM製品(6製品/2024年7月時点)をご紹介します。

中小企業がCRMを導入するメリット

デジタルツールを使用した顧客情報管理は、決して大企業だけの特権ではありません。中小企業だからこそ、CRMを導入することで大きな恩恵を受けられる利点があります。もちろん、ツールの導入にはいくつかの注意もあります。CRMの導入が自社にとって本当にメリットがあるか、効果を出せるか、この記事を機会にじっくり検討していきましょう。

中小企業のCRM導入率と現状

中小企業庁「2024年版中小企業白書」によると、CRMなどを用いて、デジタル化(DX)による業務効率化やデータ分析に取り組んでいる(段階3)、またはデジタル化によるビジネスモデルの変革や競争力強化に取り組んでいる(段階4)中小企業は2019年の約10%から、2023年には33.8%と3倍の水準まで増えています。さらに2025年には、それが88.5%まで急増すると見込まれています。

 

中小企業におけるDXの取り組み状況。2019年から2023年にかけ、段階3以上の企業が急増 出典:中小企業庁「2024年版中小企業白書(第1部第4章:中小規模・小規模事業者が直面する課題と今後の展望)

中小企業におけるDXの取り組み率 2025年時点の見込み。2025年には段階3以上の企業が9割近くになると予測 出典:中小企業庁「2023年版中小企業白書(第2部第3章:中小企業・小規模事業者の共通基盤)

特にCRMが担う顧客データの一元管理とデータ利活用の取り組みは、「段階2以下の“まだ/これから”の企業と段階3以上の企業との間で比率差が大きく、その取り組みはDXの推進やビジネスモデルの変革に効果が高いと示唆される」「DXに早期から取り組むことで、業務効率化や新規ビジネス創出などを通じて、長期的には高付加価値化につながる可能性が示唆される」と報告されています。

もちろん今からでも遅くありません。できるだけ早期に取り組むことで、ビジネス成果も早期に、他社・ライバル社に先駆けて早く成果を上げていくことが大きく期待できるでしょう。

参考おすすめ記事 CRMのシェア率と市場規模 CRM導入のビジネスメリットとツール選びのポイント

中小企業がCRMを導入する主なメリット

CRMの導入によって、企業へ以下のようなメリットをもたらします。

  • 顧客関係の強化
  • 効率の向上
  • データ分析と戦略の改善

顧客関係の強化

CRMはデジタル化した顧客データの一元管理が可能です。それぞれの顧客に対する対応履歴を蓄積し、顧客ごとに最適な形にカスタマイズしたサービスを提供できます。これにより顧客のロイヤリティが向上し、良質なリピーターを獲得しやすくなります。

効率の向上

CRMは顧客データの管理、分析、レポート作成といった業務プロセスの自動化が可能です。従来業務に必要だった人的コストを削減しつつ、一定のタイミングに必要なデータを揃えられるため、カスタマーサポートやマーケティング、営業といった各部門が必要なデータにアクセスしやすくなり、それぞれの課題を解決するためにデータを活用できます。

データ分析と戦略の改善

CRMは大量に収集した顧客データを管理・分析する機能があります。多角的なユーザーデータの分析結果から、新たな営業戦略やマーケティング戦略の立案が可能となるでしょう。中小企業の弱みともいえるデータの活用が容易となり、データドリブン型の意思決定による企業競争力の向上が期待できます。

顧客管理をまだアナログで行う中小企業にありがちな課題

業務の進め方やルールが、旧来からの手法や、ある担当者単位の経験やコツ、勘、慣習といった要素に強く左右されることがあります。企業は大切な歴史や独特の習慣などは大切にすべきながら、特定の従業員しか対応できない「属人化」した業務体制はできるだけ解消していくことが求められます。

しかし「顧客管理」においても、紙の帳簿やMicrosoft Excelなどを用いる旧来からのやり方から脱却できず、アナログ的手法ならではの課題が残り続ける企業は少なくありません。これにはどんな弊害があるのでしょうか。

アナログ手法は「データの断片化、不整合が起こりやすい」

かつては顧客情報管理の主流であったMicrosoft Excelなどの表計算オフィスソフトウェアを用いた管理方法は、利用のハードルこそ低いですが、規模や顧客数が増えるに従い課題が増えていき、今や「弊害」「障害」の原因になる管理方法になりつつあります。顧客データが個人個人、個々のファイルやシートで特にルール化されず分散管理してあれば、ファイル間の連携にトラブルが起きやすく、データの整合性が取りにくく、何より「使えない/使われない」情報としてたまり続けます。

またExcelは、バージョンアップによって使える機能や数式に差異が出ます。同じExcelファイルだとしても、データエラーの発生や連携不可といった問題が起きることがあり、「永続的に使えるかどうか」と「セキュリティ体制」の観点でも不安が残ると言われます。

もう1つ、アナログ的手法は「使用者に依存」し、部内に独自ルールが生まれがちです。一部の担当者だけが分かるようなフローや、独特な価値観に基づいたルールが定着してしまうと、それを脱却しにくい「業務の属人化」に陥ります。この脱却を課題に据える管理者、経営者は多いはずです。

アナログ手法は「機能が限られ、効率化しにくい」

これまでのアナログ的手法は、最新のデジタルツールに比べると、管理機能は「ベース機能を作る人」の能力に依存します。例えば、集計の自動化、リマインダー、分析、情報共有機能、最新のデジタルツールに備えるような「効率的なマーケティング活動支援機能」や「自動化した売り上げ追跡機能」のような機能をExcelで作るとなるとどうでしょう。それができるスーパーパーソンが社内にいれば別ですが、大抵は顧客情報をリスト化するくらいに留まるのではないでしょうか。

アナログ手法は「セキュリティとデータ損失のリスクがある」

Excelファイルは、「ないよりはマシだが……程度」と語られるパスワード保護機能、マクロ機能にはウイルスやマルウェアに感染しやすい傾向、そして多くのオフィスユーザーが使うので「狙われやすい」ことがリスクとして挙がります。

また、単に共有フォルダへ格納されているだけでは、ファイルの削除やデータの上書きなど、人的ミスで貴重な顧客データを失うリスクもあります。そうした人的なミスは取り返しがつかないケースが多いため、従業員がデータを取り扱う際にプレッシャーを感じることにもつながります。

これらのリスクを鑑み、顧客情報管理の効率化と安全性向上のためにCRMシステムの導入や顧客データのデータベース化が望まれます。デジタルツールを活用できるようになれば、大量にある顧客データの統合、高度なデータ分析、作業自動化、セキュリティ性向上といった恩恵を受けられるようになり、業務プロセスの最適化と効率化が望めるでしょう。

中小企業向けCRMの選び方/選定ポイント

導入のコストに限りがある中小企業は、導入・運用に大きなコストがかかるCRMの選択は慎重になります。導入を検討する際には、CRMを選ぶポイントを押さえ、少ないコストで自社に適切なシステムを導入しましょう。

  1. 自社の業務形態と合っているか
  2. 導入後のカスタマイズは可能か
  3. サポート体制は整っているか
  4. 無料トライアル期間があるか

(1)自社の業務形態と合っているか

CRMを選ぶ際には、自社が強化したい要件に適した機能を持った製品を選ぶことが重要です。セールスとマーケティングの要件、カスタマーサポートの要件、データ分析とレポートの要件など、必要な要件に強みを持ったツールを選択しましょう。

(2)導入後のカスタマイズは可能か

成長過程にある中小企業では、導入したIT製品の機能が企業規模の拡大や事業活動の変化に追い付かず、適合しなくなる現象がよく発生します。CRMも例外ではなく、事業拡大などに応じてこれまで十分だったはずの機能が不足することもあり得ます。こうした変化を伴うカスタマイズに対応している/対応してくれる製品であるかどうかも重要になります。

導入時点でちょうどいい機能を備えつつ、将来のカスタマイズ余地も見越した製品は、長く使用できる費用対効果の高いツールとして重宝するでしょう。

(3)サポート体制は整っているか

CRMはITシステムである以上、予期せぬ不具合が発生する可能性があります。またユーザー側の使い方の問題で事故が起きる場合もあります。こうしたトラブル発生時に受けられるサポート内容も勘案した製品選び/プラン選びも重要なポイントになります。

なお、高度なサポートプランを月額費用とは別にオプションなどとして設定することも多いです。負担できるコストと受けたいサポートのバランスを見ながら検討しましょう。

(3)無料トライアル期間があるか

比較サイトや公式ページなどで製品仕様を比較し、「情報」として要件に合うような製品はいくつかみつかった──ものの、実際に使ってみるまでは使い勝手は分かりません。欲しい機能は「仕様」として備わるけれど操作しにくい、自社の業務内容には適合しにくいなど、イメージと異なる場合は多々あります。

「無料トライアル」を用意する製品であれば、まず積極的に利用しましょう。逆に、優先度が低かったツールが使いやすかったといった発見もあります。複数のツールを無料トライアルで試用しながら製品候補を絞っていくとよいでしょう。

中小企業におすすめ|無料プラン、あるいは無料トライアルのあるCRM 6選

ここでは、初めてCRMを導入する中小企業におすすめの、無料プラン、あるいは無料トライアルを用意する製品をご紹介します。

F-RevoCRM

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統合型顧客管理システム「F-RevoCRM」

シンキングリード株式会社

4.3

6

  • 多様化、デジタル化する顧客接点に対応できる
  • 業務フェーズや担当部署にとらわれず顧客情報を一元管理できる
  • OSSがベースのためお客様のご要望に沿った柔軟な追加開発・改修も対応可能

製品詳細を見る

GENIEE SFA/CRM

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GENIEE SFA/CRM

株式会社ジーニー

3.6

50

  • 低価格で誰でも簡単使えるUIと高い拡張性
  • 導入支援~運用後も手厚いサポート対応
  • 「最先端のAI」 を活用した営業支援

製品詳細を見る

SONR

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コミュニケーションツール
「SONR」

マーケティングユニット株式会社

4.7

19

  • みんながつかえる!ディスカッションボード
  • 確認ボタンでタスク確認と情報共有がラクラク!
  • 低価格で提供可能なクラウド型コミュニケーションツール

製品詳細を見る

 

HubSpot CRM

初期費用 36万円【Professional】
72万円【Enterprise】
有料プランの月額費用 2399円【Starter】

10万6800円【Professional】

43万2000円【Enterprise】

主な機能 ・顧客情報管理

・Eメールトラッキング・マーケティング

・ウェブチャット

・フォームの自動化

・分析機能

システムの特徴 ・無料から大企業向けEnterpriseプランまで、事業規模に応じたプランが豊富

・無料プランの利用人数制限なし

無料プラン / トライアル 無料プランあり
ポイント HubSpot CRMは完全無料プランを持つCRMです。無料プランでも一通りの基本機能を利用でき、有料プランでは人数や回数制限の解放やツール上のロゴ削除が可能です。無料を含む4つのプランがあり、事業規模の拡大に応じてツール単位でプランを引き上げることができます。
ベンダーのWebサイト https://www.hubspot.jp/products/crm

 

monday sales CRM

初期費用 なし
有料プランの月額費用 1300円 / 1ユーザー【ベーシックCRM】

1700円 / 1ユーザー【スタンダードCRM】

3300円 / 1ユーザー【プロCRM】

要問い合わせ【エンタープライズCRM】

主な機能 ・ダッシュボード

・販売予測

・アクティビティ追跡

・データ統合

・連絡先管理

・リード管理

システムの特徴 ・基本的なCRM機能に加え、リード管理などのSFA機能も利用可

・直感的にカスタマイズ可能

・リアルタイム追跡とレポーティングで迅速な可視化

・mondayのプロジェクト管理「monday work management」、開発管理「monday Dev」と連携しオールインワンの業務管理も可能

無料プラン / トライアル 無料プランあり
ポイント monday sales CRMは直感的なUIでスムーズな操作が可能なCRMツールです。基本的なCRM機能に加え、リード管理などSFA機能も含まれています。mondeyのツールと連携すれば、タスクからプロジェクトまで、オールインワンの業務管理が可能です。
ベンダーのWebサイト https://monday.com/lang/ja/use-cases/sales-crm

 

Insightly

初期費用 なし
月額費用 29ドル / 1ユーザー【Plus】

49ドル / 1ユーザー【Professional】

99ドル / 1ユーザー【Enterprise】

主な機能 ・顧客管理

・コンタクト管理

・マイルストーン管理

・プロジェクト管理

・Eメールマーケティング

システムの特徴 ・閲覧データを自由に選べるダッシュボードカスタマイズ

・マーケティング・アプリコネクト・サービスツールと連携し顧客情報を多角的に管理

無料プラン / トライアル あり ※期間制限なし ※2ユーザーまで
ポイント Insightlyは世界中で2万5000社以上に導入実績があるとするCRMツールです。過去の商談やコミュニケーション、社内メンバーとのつながりなどをマッピング化した状態で確認できるため、顧客情報を視覚的にわかりやすく管理できます。CRM機能だけではなく、カスタマージャーニーの視覚化など、SFAの役割も兼ね備えています。
ベンダーのWebサイト https://www.insightly.com/
関連記事はこちら:CRMアプリとは?導入メリットと注意点、おすすめCRM 9選

 

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中小企業がCRMを導入する際の主な注意点

CRMを有効活用すれば多大なるメリットがある一方、導入する際には注意しなければならないポイントもあります。自社にとって想定されるリスクを理解したうえで導入を検討しましょう。

自社のニーズを確認し、要件を定める

自社のニーズをあらためて正確に把握し、必要な要件を明確にしましょう。具体的な要件として定めておくことで、選定する製品を探しやすく、絞りやすくなります。そして導入後のギャップを最小限に抑えられます。

具体的には、システムの導入・検討に向けた以前準備として自社のニーズ、どのような業務プロセスを改善したいのか、どの業務に最も時間がかかっているのか、また将来的にどのような機能が必要になる可能性があるのか、といった要素をできるだけ多くリストアップし、優先順位を付けた「要件」としてまとめることをおすすめします。

コストと予算

CRMの導入には一定の費用がかかるだけでなく、利用中にはランニングコストが発生し続けます。システムのライセンス料やカスタマイズ費用、トレーニング費用など、企業の規模によってはコストの負担が経営を圧迫する要因になりかねません。多額のコスト投入に見合った成果が期待できるのか十分に検討し、導入のための現実的な予算を組む必要があります。

データの品質とセキュリティ

CRMの導入を成果に繋げるためには、高品質なデータを扱う必要があります。誤ったデータや重複するデータが含まれてしまうと、システムの信頼性を損なうおそれがあります。

また、顧客データというデリケートなデータを扱うシステムであるため、セキュリティには十分に配慮する必要があります。導入したシステムを監視し、適切なセキュリティ強度を担保できるスタッフの雇用や、外部委託するコストの確保も検討課題です。

ユーザートレーニングとサポート体制

CRMを効果的に使用するためには、操作する従業員がスキルと知識を習得することが重要であり、そのためには適切なトレーニングプログラムの実施が必要となります。トレーニング委託先や社内体制、トレーニングを受けるメンバーの選定をどうするか、十分に検討しましょう。

また、運用も含めてトラブルが発生した際も的確かつ迅速に対応するために、製品/ベンダーのサポート体制、サポートメニューについても忘れずに確認しましょう。

中小企業だからこそ成果期待大、CRMで早期のDX化とビジネス効果を

業績アップに向けて業務効率が課題となる中小企業にとって、DX、そしてCRMの導入はビジネスを大きく加速させるきっかけとなり得ます。CRMを選ぶポイントは、自社が抱える課題の解決につながる機能の有無だけでなく、ビジネスが成長しても使い続けられる拡張性と柔軟性が重要です。無料版や無料トライアルで使い勝手を試し、自社にあったCRMを選択しましょう。

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