CRMを活用したメールマーケティングは、顧客の関心に合わせた情報を適切なタイミングで届けることができる手法です。購買履歴や問い合わせ履歴をもとにしたターゲティングにより、開封率やクリック率の向上が期待できます。本記事では、CRMを活用したメールマーケティングのメリットや具体的な実践方法、成功のポイントについて詳しく解説します。
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目次
CRMを活用したメールマーケティングとは?
CRM(顧客管理システム)を活用すると、顧客の氏名や購買履歴、過去の問い合わせ内容などを一元管理できます。このデータをもとに、個々の顧客に最適なメールを配信する手法がCRMを活用したメールマーケティングです。
CRMシステムの概要について知りたい方は「CRMシステムの主な機能と選定ポイント」をご覧ください。
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CRMメールマーケティングのメリット
接する頻度が多いと関心度合いが高くなることを、マーケティング用語で「ザイオンス効果」といいます。企業が顧客と長く良い関係を築くためにも、継続的なコミュニケーションが欠かせません。また、コミュニケーションの内容も大切です。顧客が関心のある情報を適切なタイミングで届けることが重要です。CRMを活用すると、蓄積されたデータをもとに顧客ごとに適したメールを配信できるため、開封率やクリック率の向上が期待できます。
- メールの開封率、クリック率を上げられる
- 適切なタイミングで案内できる
- マーケティング施策を一元管理できる
- 継続的な関係を築きやすくなる
- コストを抑えて効果的に情報を届けられる
メールの開封率、クリック率を上げられる
CRMには、購買履歴や問い合わせ履歴、サイトの閲覧履歴など、さまざまなデータが蓄積されます。この情報をもとに興味を持っている商品やサービスに関連するメールを送ることで、開封率やクリック率の向上が期待できるのです。
例えば、過去に購入した商品の関連情報を提供すると、受信者が内容に興味を持ちやすくなります。関心がある情報だと判断されれば、メールが開封される可能性は高まります。さらに、すべての顧客に同じ内容を送るのではなく、関心に応じた情報を届けることで、不要なメールと判断されにくくなるでしょう。
適切なタイミングで案内できる
CRMの自動配信機能を活用すると、顧客の行動に合わせて最適なタイミングでメールを送信できます。
例えば、商品を購入した直後にお礼のメールを送ると、満足度の向上が期待できます。資料請求をした顧客には、すぐにフォローメールを送ることで、必要な情報を補足し、購買を後押しすることが可能になります。
長期間購入のない顧客に対しては、特典付きのメールを送ることで、再訪や再購入を促すことができます。過去の購買履歴や閲覧履歴をもとに、関心を持ちやすい時間帯にメールを送ると、開封率が上がる可能性があるでしょう。
マーケティング施策を一元管理できる
CRMを活用すると、誰に、いつ、どのようなメールを送ったかを記録できるため、マーケティング施策を体系的に管理しやすくなります。
送信履歴を確認すれば、顧客ごとの開封状況やクリック履歴が把握できます。どのメールがよく読まれているか、どのリンクがクリックされているかを分析し、次回の施策に活かすことができるのです。
また、営業チームやカスタマーサポートと情報を共有すると、顧客対応がスムーズになります。過去のやり取りを参照しながら、新しいメール施策を計画すれば、連携が強化され、一貫性のあるマーケティング施策を実施しやすくなるでしょう。
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継続的な関係を築きやすくなる
定期的にメールを送ることで、顧客との接点を増やすことができます。直接のやり取りがなくても、役立つ情報を提供すれば、信頼関係の構築につながります。
例えば、一度購入した顧客に対して、使い方のアドバイスや追加商品の提案を送ると、継続利用を促しやすくなります。定期的にニュースレターやコラムを配信すると、企業やブランドの認知度が上がり、親しみやすさを持ってもらいやすくなるでしょう。
コストを抑えて効果的に情報を届けられる
メールマーケティングは、紙の広告や電話営業と比べて、少ない費用で広範囲に情報を届けられます。
配信リストを活用すると、一度作成したメールを多くの顧客に送ることが可能です。広告費をかけずに、新商品やキャンペーンの告知ができるため、予算を抑えながらマーケティングを展開しやすくなります。
CRMを活用したメールマーケティングの流れ
効果的なメールマーケティングを行うためには、計画的な運用が欠かせません。ここでは、メールマーケティングの基本的な流れを解説いたします。
- 1. 顧客データの収集と登録
- 2. 顧客のセグメント分け
- 3. メールの作成と自動化
- 4. メール配信と効果測定
1. 顧客データの収集と登録
メールマーケティングの精度を高めるには、まず顧客情報を正確に収集し、CRMに登録する必要があります。氏名、メールアドレス、電話番号といった基本情報のほか、過去の購入履歴や資料請求の有無、問い合わせ履歴も記録しておきましょう。
Webサイトの閲覧履歴やメールの開封履歴を登録しておくと、顧客がどのような商品やサービスに関心を持っているかを分析できます。名刺情報やアンケートの回答なども顧客データに含めることで、より効果的なアプローチを行いやすくなります。
2. 顧客のセグメント分け
収集したデータをもとに、顧客をグループごとに分類します。新規顧客、リピート顧客、長期間購入がない顧客など、関心や行動の違いに応じて分けることで、顧客のステータスに合ったメールを送信できます。
さらに、年齢や居住地域、購入金額、過去のやり取りの頻度などをもとに顧客を細かく分類すると、より的確なメッセージを届けやすくなります。法人向けの場合は、業種や従業員数、担当者の役職を基準に分類する方法もあります。
3. メールの作成と自動化
分類ごとに、内容の異なるメールを作成します。新規顧客には商品の特徴や活用方法を伝えるメールを送信し、リピート顧客には特典や割引情報を案内すると、関心を持ってもらいやすくなります。
長期間購入がない顧客には、再訪を促すキャンペーン情報を提供し、関係を再構築するきっかけを作ることも大切です。
メール配信を効率化するために、CRMの自動配信機能を活用するのも一つの手です。あらかじめ設定したスケジュールに従って送信することで、手作業の負担を減らしながら、適切なタイミングで情報を届けることができます。
4. メール配信と効果測定
メール配信後は、開封率やクリック率を基にどのメールがよく読まれているかを確認します。開封率が高いメールの件名や内容を参考に、今後の配信に活かすことができます。
クリック率が低い場合は、メールの内容を見直したり、配信時間を変更したりして改善を図ります。送信頻度が多すぎると開封率が下がる可能性があるため、適切な間隔の調整も重要です。
メールマーケティングをはじめとした、営業効率化に繋がるツールは数多くあります。「営業効率化ツールの使い分け」の記事では、おすすめ製品を数多くご紹介していますので、ぜひご覧ください。
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CRMを活用したマーケティングメールの種類
顧客に合わせたメールを配信すると、関心を引きやすくなり、企業やブランドへの信頼にもつながります。ここでは、代表的なマーケティングメールの種類と活用方法を紹介します。
- ウェルカムメール
- フォローメール
- ステップメール
- キャンペーンメール
- 休眠顧客向けリテンションメール
ウェルカムメール
新規登録や初回購入後に送るメールは、企業やサービスの印象を大きく左右します。初めて接点を持った顧客が安心して利用できるよう、企業の紹介や利用方法、問い合わせ窓口の情報を記載すると良いでしょう。
また、次の購入やサービスの利用につなげるために、割引クーポンや特典を添えると効果的です。保存しやすい形式で送ると、後から見返しやすくなります。件名に「ようこそ」「はじめまして」といった言葉を入れると、開封率を上げやすくなります。
フォローメール
商品を購入した後やサービスを利用した顧客に対して送るフォローメールは、顧客満足度の向上につながります。購入した商品の使い方を説明したり、関連する商品を紹介したりする事でアップセルにも繋がります。
問い合わせがあった顧客には、解決策や関連情報を提供すると、企業への信頼が深まりやすくなります。購入直後にお礼のメールを送ると、顧客との関係を良好に保ちやすくなるでしょう。
ステップメール
顧客の行動や関心に合わせて、段階的に送るメールです。資料請求をした顧客には、まず基本情報を伝え、その後活用事例を紹介し、最後に特典の案内を送ると、サービスへの関心を高めやすくなります。
また、商品を購入した顧客に対しては、使い方のコツやおすすめの関連商品を紹介すると、満足度を上げつつ追加購入につなげやすくなります。適切な順番で情報を提供すると、顧客が次の行動を取りやすくなります。一度設定すれば自動で配信が行えるため、業務の負担を軽減しながら、継続的な情報提供が可能です。
キャンペーンメール
割引や特典情報を知らせるメールは、顧客の購入意欲を高める効果があります。配信のタイミングを工夫し、週末や給料日後など、購買意欲が高まりやすい時期に送ると、反応を得やすくなるでしょう。
メールにはクーポンコードや特典の内容をわかりやすく記載し、すぐに利用できるようにしておくと、より活用されやすくなります。「〇日まで」「限定〇名様」などの期間や条件を示すと、行動を促しやすいです。過去の購入履歴や関心のあるカテゴリーごとに内容を変えると、より響きやすい情報を届けることができます。
休眠顧客向けリテンションメール
長期間購入やサービス利用がない顧客に対して、関心を取り戻してもらうためのメールです。過去に購入した商品と関連するアイテムを紹介すると、再び興味を持ってもらいやすくなります。
最近のサービス改善点や新機能を案内すると、利用を再開するきっかけになるでしょう。さらに、クーポンやポイントを提供すると、購入やサービス利用のハードルを下げることができます。
メールマーケティングでは、顧客の段階にあったメールを送付します。顧客の段階を判断するには、顧客の分析が大切です。顧客分析の指標のひとつ「CPM分析」についてご紹介した記事もありますので、ぜひご覧ください。
関連記事CPM分析の基礎 主な目的と機能、ビジネスに与える影響、CRM/RFM分析との違い
CRMを活用したメールマーケティングで効果を出すポイント
CRMを活用したメールマーケティングを成功させるには、適切なターゲットに、適切な内容を、適切なタイミングで届けることが重要です。ここでは、効果を高めるための具体的なポイントを紹介いたします。
- One to Oneマーケティングを意識する
- 定期的にリストを見直す
- 開封率とクリック率を上げる工夫
One to Oneマーケティングを意識する
すべての顧客に同じ内容のメールを送るのではなく、それぞれの関心や購買履歴に基づいた情報を届けることが重要です。CRMには、顧客の購買履歴やサイトの閲覧履歴、問い合わせの履歴など、さまざまなデータが蓄積されます。この情報をもとに、顧客ごとに異なる内容のメールを配信すると、関心を引きやすくなるでしょう。
例えば、新規顧客にはサービスの基本情報や初回限定の特典を案内すると、利用開始のハードルが下がります。一方、長く利用している顧客には、特別なキャンペーンや限定商品の案内を送ると、継続的な利用につながりやすくなります。
定期的にリストを見直す
メールマーケティングを成功させるには、配信リストを定期的に整理し、顧客情報の更新が欠かせません。古くなった情報のままメール送付を行うと、メールが届かない、あるいは興味のない顧客に送信される可能性があり、開封率やクリック率の低下を招くおそれがあります。
企業向けの配信では、担当者が変わることも多いため、連絡先を定期的に更新し、不要なアドレスは削除しましょう。個人向けの場合も、メールアドレスの変更や興味がなくなった顧客をリストから除外することで、より効果的な配信を実現できます。
開封率とクリック率を上げる工夫
メールを開封してもらうには、件名も重要です。件名が長すぎると、メールソフトによっては表示範囲を超えてしまい、内容が伝わりにくくなるでしょう。短くわかりやすい表現を心がけ、興味を引く内容にすることで、開封率が上がりやすくなります。
また、送信する時間帯も重要です。ビジネス向けのメールであれば、始業時間前後や昼休みに送ると、開封されやすいと言われています。個人向けのメールでは、帰宅後や週末の朝など、ゆっくりメールを確認できる時間帯に送ると、反応を得やすくなる場合があります。
加えて、本文の構成にも配慮が必要です。クリック率を上げるには、情報を簡潔にまとめ、視認性を高めることが効果的です。画像やボタンを活用し、どこをクリックすればよいかが明確になるようにすると、次の行動へとつなげやすくなります。
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