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基幹システムとは? 費用相場と主な種類、導入のメリット・注意点

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ITセレクト編集部

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基幹システムは、企業や組織が日々の業務を行う上で得た情報を管理したり、分析して効果的に活用したりするためにも重要な役割を担っています。本記事では、基幹システムの基本的な概念と、なぜそれが組織にとって必要不可欠なのか、そして基幹システムの設計や運用方法についてご紹介します。

組織内のさまざまなデータを効果的に活用するためにも、基幹システムの重要性と運用方法を正しく理解しましょう。

基幹システムの基礎知識

まずは基幹システムの概要や役割と重要性、種類など基礎的な部分についてご紹介します。

・基幹システムとは何か?

基幹システムとは、企業や組織の基幹業務を支えるITシステムの総称です。ERPや基幹系システムと呼ばれる場合もあります。

業務のプロセスに合わせていくつかの種類がありますが、主に顧客情報、財務情報、在庫情報などのデータを管理します。

 

・基幹システムの役割と重要性

基幹システムには、データの管理と処理、セキュリティ管理などの機能があり、業務プロセスを調整したり、円滑に運用する役割を果たします。

また、データを整理、分析することで、企業の意思決定やサービス向上のサポートもします。

このように企業の成長のためにも非常に重要な役割を担っています。

 

・基幹システムの種類

基幹システムには機能や目的、規模別にいくつかの種類に分けられます。

総じて基幹システムは特定の業務領域を強化するためのものですが、それぞれの領域、機能を包括した「ERP」と呼ばれる製品群が一般的です。

組織の要件、予算、業務プロセスに応じて最適な組み合わせを検討し、効果的に基幹システムを選択、運用することが重要です。

 

(1)ERP (Enterprise Resource Planning)

ERPは、厳密には基幹システムとは別とされています。後述する個別の基幹システムを集約し、統合した、“統合”基幹システムと呼ばれます。

基幹システムが特定の業務プロセスに特化しているのに対して、ERPは企業のあらゆる業務データを一元管理します。データを集約して管理するため、社内のデータをまとめて分析、リアルタイムに可視化しやすくなります。

その結果、迅速な意思決定や施策の実行に繋げることが期待できます。

 

(2)CRM (Customer Relationship Management)

CRMは顧客情報の管理を行うためのシステムです。

顧客情報、コンタクト履歴、販売活動などのデータを管理することで、顧客との関係を強化したり、営業や顧客サービスの向上をサポートしたりでき、顧客満足度向上に繋げます。

 

(3)SCM (Supply Chain Management)

SCMは商品が消費者の手にわたるまでのサプライチェーン上の「モノ」や「カネ」の流れを効率的に管理するためのシステムです。

調達、生産計画、在庫管理、物流管理などのプロセスを統合して管理し、生産性向上とコスト削減を実現します。

 

(4)HRIS (Human Resources Information System)

HRISは人事管理を支援するためのシステムです。

従業員情報、給与データ、勤怠データなどを効率的に管理したり、採用プロセスや従業員のトレーニングプログラムの計画や、その追跡を支援します。

 

(5)BI (Business Intelligence)

BIはビジネスデータの収集、分析、可視化を行うためのシステムです。

組織内部や外部(市場データ、競合情報)など、さまざまなソースからデータを収集、管理します。

収拾したデータを分析、可視化することで組織の迅速な意思決定をサポートします。

 

基幹システム設計の原則

基幹システムの導入には、いくつかの原則があります。設計や選定時は、以下の設計原則を参考にして行いましょう。

 

  • 拡張性:組織の成長や変化に対応できる
  • 可用性:障害が発生しても稼働できる
  • セキュリティ:重要な情報を扱うため、高いセキュリティが必要
  • ユーザビリティ:システムの利用が簡単にできる
  • サポート体制:効果的な運用を保証するための体制が必要

 

基幹システムの選定プロセス

基幹システムの選定プロセスは以下の流れに沿って進めます。

 

  1. 要件定義:ビジョンを明確にし、必要な機能や具体的な要求事項を文書化する
  2. 市場調査:市場で利用可能なシステムを調査する
  3. 比較検討:利用可能なシステムの中から、自社の要求事項に合ったシステムを選定する

必要な要件が満たせるかどうかをしっかり検討しましょう。

 

カスタム vs. パッケージソフトウェア その費用感

基幹システムは自社独自のカスタムソリューションを作成するか、既存のパッケージソフトウェアを使用するかで大きく異なります。

組織のニーズや予算、スケジュール、将来の成長戦略などを考慮して選択しましょう。

カスタムソリューションの場合は、組織の特定の要件に合わせた設計や、既存の業務プロセスに合わせた最適化ができます。

しかし、その分開発と維持にコストがかかりますし、多くの時間を要します。

 

それに対して、パッケージソフトウェアはライセンス料金や初期コストが比較的低く、選定から導入までの時間も短く済みます。

その代わり、組織が求める要件や既存プロセスと合わない場合、プロセスの変更が必要になることもあります。

基幹システムの計画、実装、運用までの大まかな流れ

基幹システムを効果的に活用するための計画から、選定、実装、運用までの大まかな流れは以下の通りです

・基幹システムの導入・準備フェーズ

既存のパッケージソフトウェアを使用する場合、基幹システムの選定が終わったら、システムの導入計画を策定し、従業員のトレーニングやデータ移行も検討します。

その後は、実際にシステムを導入し、システムの運用とサポート体制を整えます。

 

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・検討から選定フェーズ

  1. 開発会社の選定:カスタムソリューションを作成する開発会社を探し、依頼する
  2. 要件定義と設計:システム選定時に決めた要件を開発会社とすり合わせる
  3. 開発:カスタムソリューションを作成する
  4. テスト:実際に使用し、テストする

各フェーズで従業員からもフィードバックを受け、要件がきちんと達成できるかを意識しながら進めましょう。

 

・運用から保守フェーズ

システムを長期的に運用するためには、適切な運用体制と計画的なアップデートが必要です。

運用成果を定期的に評価し、改善サイクルを何度も回して、効果を高めていきます。

 

基幹システムのセキュリティとリスク管理

基幹システムを使う上で、セキュリティには特に注意する必要があります。

また、セキュリティ以外にもさまざまなリスクに備えて、できる限りシステムが止まらないようにしましょう。

 

・システムセキュリティの重要性

基幹システムは重要なデータを扱う場合が多いため、セキュリティの重要性は特に大きくなります。

情報が漏洩してしまうと、企業の信頼性が損なわれます。

セキュリティを高めて、データを保護しましょう。

 

・セキュリティ対策の戦略

セキュリティ対策は、以下のような基本的な手法を意識して実践しつつ、セキュリティポリシーの策定と従業員への啓発も行いましょう。

 

  • 強力なパスワードの使用
  • 二要素認証
  • アクセス制御
  • セキュアな通信
  • 定期的なアップデート
  • 脅威モニタリング

・データバックアップと災害対策

データバックアップや災害対策も、情報を保護するために重要です。

適切なバックアップポリシーを策定して、定期的なバックアップや分散保存を行い、災害発生時には迅速な復旧ができるようにしましょう。

 

基幹システムの最適化とアップグレードを見据える

基幹システムは導入して終わりではなく、その後も継続的な改善が重要になります。

定期的に最適化とアップグレードを検討し、最大のパフォーマンスを得られるようにしましょう。

 

○システムの最適化方法と選定パートナー

パフォーマンスのモニタリングと調整、データの整理、自動化、セキュリティの向上、スタッフのスキル向上を行うことで、さらに効率性を高められます。

 

○システムアップグレードの計画と実行

システムアップグレードの計画時は、スケジュールを立て、ユーザーへの影響を最小限に抑える戦略を考えます。

あらかじめ、すべての手順と情報をドキュメント化したり、万が一トラブルが発生した場合にどのように復旧するかも整理しておきます。

アップグレード前には全体のバックアップを行い、まずはテスト環境でアップグレードをテストします。

テストして問題がなければ、本番環境に反映します。

 

○新技術の導入とROIの考察

企業の成長や時代の変化により、新技術の導入が必要になるかもしれません。

新技術は生産性向上やコスト削減に貢献できる可能性もありますが、その分リスクも付きまといます。ROIの最大化を検討した上で採用することが重要です。

導入前に明確な目標を設定し、導入後は成果を評価するプロセスも含めましょう。

 

基幹システムは組織の成長に必要不可欠な検討要素

基幹システムは業務効率化やコスト削減に大きな影響を与え、組織の成長に大きく貢献します。慎重に検討し、要件をきちんと達成できるシステムを導入しましょう。

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・帳票類管理(請求書など):80時間 ⇒ 60時間
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