請求漏れは、請求書の発行または送付のミスにより、商品やサービスの代金を回収できていない状態を指します。売り上げの減少や業務効率の低下など、さまざまなトラブルにつながるほか、取引先との信頼関係にも、悪影響が及びます。
そうならないために、請求漏れの原因を知ったうえで対策を講じましょう。本記事では、よくある請求漏れのパターンやそれによって起こるトラブル例、防止策をご紹介します。
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目次
請求漏れが起こる主な原因と発生するトラブル
請求漏れが起こる主な原因のパターンと、それに伴って起こるトラブルをご紹介します。
請求漏れが起こる主な原因
原因や請求漏れが起こりやすい傾向・パターンを把握することで、防止策を立てやすくなります。
・請求書の作成や発送を忘れていた
請求書の作成自体を忘れていたり、作成していても送付を忘れていたりする人的ミスに起因するケースです。営業・実務担当者、経理担当者など担当作業者間での情報伝達ミスやコミュニケーション不足から多く発生します。
メールやチャットなどの連絡系統で請求書をやり取りをしている場合は「メールに請求書を添付していなかった」などのケアレスミスもあります。
・内容や宛先に誤りや漏れがあった
請求書の内容に誤りや記入漏れなどの不備があり、請求漏れに至るケースです。送付前の内容チェック体制が整備されていないとよく起こりがちです。誤りが発覚したらその時点で取引先へ謝罪すると同時に正しい請求書を再発行する必要があります。
・郵送事故やメールの不達などで正しく届かなかった
悪天候や災害による郵便トラブルが発生し、それに巻き込まれるかたちで請求漏れに至るケースです。配達事業者や天災によるトラブルならば……ではありますが、仕方ないでは済まされない事態も時に起こり得ます。
余裕をもった早期準備フローの構築、証跡が残る方法での送付手段と追跡の体制、請求書発行システムなどIT製品を用いた電子的な方法への切り替えなどの対策方法もあるので、併せて考えていきましょう。
・部署間や担当者間での連絡や確認が不十分だった
「営業担当者と経理担当間での連携が上手くいっていなかった」「帳簿に、請求に必要な情報が記録されていなかった」などを理由とするコミュニケーションミスも多く発生します。
このことが多く発生する現場は、各々の役割分担が曖昧で、「あちらがやってくれると思っていた」といったいわゆる「お見合い」が頻繁に起こっていることが多いようです。結果として、請求情報や売掛金への管理が行き届かずに請求漏れが起こります。請求書の作成担当者や関係者の作業や責任を明確にしたうえで、作成およびチェックの体制を確立させることが大切です。
請求漏れと負の連鎖
請求漏れがあると売り上げの減少をはじめとしたさまざまなトラブルが連鎖して起こります。たかがケアレスミスなのに……ではなく、自社のビジネス全体に大きな影響を及ぼすことも起こり得ます。請求漏れに起因するトラブル例を改めて知っておきましょう。
×売り上げの減少
売掛金の消滅時効は、民法により5年間と定められています。この期間内に請求を行わない場合、債権は消滅し、法的な支払い義務がなくなります。
その結果、売掛金が回収不能になれば会社として大きな損失になります。提供した商品やサービスの売掛金は回収できず、商品やサービスを提供するためのコストは今まで通り必要なため、売り上げ、利益の減少に直結します。
×顧客からの信頼の失墜
請求漏れは、取引先との信頼関係にも深く影響を及ぼします。「請求書の管理がずさん」「会計管理に問題があるのでは?」という印象を与えてしまうだけでなく、取引先の資金管理を滞らせる要因にもなるかもしれません。
顧客との良好な関係を維持するためにも、請求漏れの防止策を確実に講じておくことが大切です。
×業務効率の低下
請求漏れなどのトラブルが発覚すれば、本来の業務を止めてでも即座にその対応をしていくことになるでしょう。請求書の再発行や訂正にはじまり、顧客への連絡と謝罪、交渉、売上データの修正などを行う必要も出てきます。
他の業務に充てるべき時間が「その対応」の時間に割かれてしまう──。業務効率の低下は避けられず、従業員のモチベーションも下がってしまいます。
請求漏れを防ぐ手段とは
請求漏れの防止策として有効な手段を以下で3つ紹介します。請求書の発行や送付、チェック体制などを振り返りながら、請求漏れ防止に努めましょう。
(1)チェックリストを作成する
請求業務の手順を洗い出し、その手順に沿ったチェックリストを作成する方法です。具体的には、以下の工程ごとにチェックリストを作成するとよいでしょう。
- 請求書の発行
- 請求書の送付
- 代金の回収
- 入金の確認
- 入金消込
チェックリストとともに、複数人によるチェック体制を整えましょう。相互チェックの体制を整えることで、ヒューマンエラーをさらに防止しやすくなります。
(2)請求書の発行スケジュールを管理する
請求書の発行から送付までのスケジュールをきちんと管理することも大切です。請求書の発行日や支払い期限は取引先によって異なるものです。取引先に合わせたスケジュール管理を行うことで、ミスやトラブル防止につながります。
また、スケジュールはチームや部署など複数人で共有できる方法にするのがおすすめです。請求書の発行、送付がスケジュール通りに進んでいるか否かがすぐに分かります。体調不良などの緊急時も他メンバーがフォローできます。アラートやリマインダーなどを活用するのも良いでしょう。
(3)請求書発行システムを導入する
上記の(1)(2)をまとめて対策したい、それならば「請求書発行システム」の導入が近道です。
請求書発行システムとは、請求書業務に関する作業を自動化、効率化できるIT製品のことです。請求書の発行、送付、入金管理などの一連の作業をすべて1つのツール上で管理できます。
請求書発行システムの導入により、半ば自動化できる作業フローも構築できます。人的ミスを防止できるだけでなく、作業工数やコストの削減、そして部門、部署間の連携強化にも役立ちます。
請求書発行システムの選定ポイント
これまでのアナログな手法、人力での作業はどうしても人的ミス/ヒューマンエラーが起こってしまうものです。特に「請求漏れ防止」を目標とするならば、請求書まわりのさまざまな課題を解消する請求書発行システムの導入を検討してみましょう。
ミスの防止や業務効率化に加え、クラウド型製品であれば場所や時間、デバイスを問わずに作業を進められるためリモートワークの推進効果も期待できます。以下より請求書発行システムを導入する際に注目しておきたいポイントをご紹介します。
- 取引先の理解が得られるかどうか
- 予算の範囲内か
- 既存のシステムと連携できるか
- セキュリティやサポート体制は十分か
- 法改正に対応できるか
1.取引先の理解が得られるかどうか
フォーマットやフローの都合上、これまで通りの方法で請求書の発行や送付を望むパートナーもあるでしょう。取引先から理解を得るためにも、事前に請求書発行システムを導入する旨や、それに伴って依頼したい対応の内容を丁寧に説明する必要があります。従来のフローを強く希望する取引先があれば、メール送付や郵便代行サービスなどアナログ型フローの効率化にも対応する機能を持つ請求書発行システムを選ぶのがおすすめです。
2.予算の範囲内か
システムの導入には、初期費用やランニングコストが発生します。システムによっては、機能の追加や拡張などに伴って追加費用が発生するケースもあるため、サービス内容を確認しましょう。また、使用ユーザー数を基準に基本料金を追加する料金体制のシステムもあります。費用の内訳をある程度想定しておき、予算に合わせた費用計画を立てましょう。
3.既存のシステムと連携できるか
請求書発行システムで扱う「モノ」「カネ」のデータは、顧客管理のCRM(顧客管理システム)や名刺管理システム、営業推進管理のSFA(営業支援システム)やMA(マーケティングオートメーション)、商材管理の在庫管理システムや受発注システム、販売管理システム、経理系の帳票システムなど、社内で使う別システムとも多くを共有できる自社の情報資産でもあります。
請求書発行システムにおいても「社内で使用しているITシステムと連携が可能か」「連携はどのように実現するのか/できるのか」の点をチェックしましょう。自社/部門のような単位での連携も視野に入れることで、全社で効率化できる業務の幅がさらに広がります。
例えば、販売管理システムと連携できれば記録されている売上データをもとに請求書の自動作成が可能になります。顧客管理システムと連携ができればその顧客情報を参照して請求書へ取り込むといった自動化がスムーズになります。手作業で起こっていた入力ミス、人的ミスは限りなく減少できるでしょう。
4.セキュリティやサポート体制は十分か
セキュリティ対策は昨今どの会社も適度に行っているとは思います。しかし、進化が早く日に日に巧妙になるといわれる脅威に対して、実施したので……と安心し、長い間対策が更新されていない例も多くあるでしょう。IT製品の導入シーンは「セキュリティ対策を再度確認/刷新する/強固にするいい機会」といえます。製品の選定において自社のセキュリティ対策や要望も棚卸しして刷新し、「要件」として定めましょう。
併せて、製品選定においてベンダーのサポート体制を確認することも忘れずに行いましょう。システムの運用において予期しないトラブルが発生する機会は多々あります。ベンダーのサポート体制はビジネスのダウンタイム/被害を最小限に抑える効果にもつながります。
5.法改正に対応できるか
請求書関連の業務は、例えば近年改正された「電子帳簿保存法」「インボイス制度」などに正しく対応していく必要があります。新たに請求書発行システムを導入するならば、製品として、ベンダーとして「各種法令に対応しているか」の確認は必須です。クラウド型製品ならば機能アップデートなども容易であることから「将来の法改正も、実施に応じて機能がアップデートされるかどうか」も併せて確認しましょう。
請求漏れを防ぐ体制づくりは「請求書発行システムの導入」が近道
会社にとって、請求漏れのミスは仮にケアレスミスといえど……後々ビジネス上の深刻なダメージにつながります。チェック体制の整備やスケジュール管理によって、日頃から請求漏れを防ぐ意識とそれを防ぐ体制づくりが必要です。この対策において、現在の人力ベースの体制に限界を感じているならば専門の機能を備えた「請求書発行システム」の導入が近道です。取引先の理解や予算、セキュリティ体制などに注目しながら請求書発行システムを検討していきましょう。
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