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経営管理システムとは? 導入メリットと主な機能、ERPとの違い、選定ポイントを紹介|おすすめ製品9選を比較

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ITセレクト編集部

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「経営判断の効率化を図りたいが、自社の情報系統はいまだ部門ごとにサイロ化したままだ。得たい情報を思うように得られない……」。経営者や管理者は、経営、事業戦略の意思決定に必要な情報が得られず、業績管理の煩雑さに日々頭を悩ませています。この課題は経営管理システムにより解消できるかもしれません。本記事では、経営管理システムで実現する効果、導入メリットと主な機能、そして検討ポイントを詳しく解説します。あなたの会社とビジネスに適する経営管理システムを見つけるための一助となれば幸いです。

経営管理システムの基礎知識

経営管理システムとは、組織や企業が経営活動を効率的に管理し、意思決定をサポートするためのシステムやソフトウェアのことを指します。以下より、「経営管理システム」の基礎と機能、役割やメリット、導入と活用で得られる効果を簡単に解説していきます。

経営管理システムとは何か? 

経営管理システムは「経営課題を可視化し、迅速かつリアルタイムに適切な経営判断を行う」を実現するために、企業が活動を行う上で経営判断に必要なデータを一元管理し、提供します。

経営管理システムは、ITソフトウェア/クラウド型ツール/SaaS(Software as a Sercice)における一般的なカテゴリとしては「会計システム」の1つとして分類されることが多いです。このほかに、「プロジェクト管理ツール」「BI(Business Intelligence)ツール」「CRM(Customer Relationship Management/顧客管理システム)」「HRM(Human Resource Management)」、そして企業の持つ資産である「ヒト、モノ、カネ、情報」を踏まえた企業戦略を一元管理する統合基幹ソフトウェア群「ERP(統合基幹業務)パッケージ」に包括されることも多いです。

経営管理システムとERPの違い

経営管理システムは、ERPと似た概念や機能を持つことが多いかもしれません。ERPは複数の基幹システムを1つのプラットフォームで統合し、企業全体の資産である「ヒト、モノ、カネ、情報」を一元管理してプロセスを効率化することが主軸です。それに対して経営管理システムは、経営判断のための情報を収集・加工・提供するための「経営に必要な具体的な目的・要望」に特化し、会計や人事、生産などの業務データを統合して提供します。

最終的に「誰」に向けたシステムなのか、誰向けに特化しているのか、の観点で少し異なるといえます。経営管理は企業の経営全般をサポートする幅広い機能を提供する“より広範”な概念であり、ERPはその中の一部分となるイメージです。ERPは主に内部の業務プロセスの効率化に焦点を当てますが、経営管理システムはそれに加えて外部環境(例えば市場や顧客)に関する情報管理や意思決定支援も含めて、より広い範囲を含みます。システム選定を行う際には、自社の具体的なニーズや目指すべき方向性を明確にした上で、これらの違いを踏まえて選定していきましょう。

経営管理システムのメリット、導入で得られる効果

経営管理システムで実現する主な機能

経営管理システムには「経営判断」に通じる多くの機能が備わりますが、以下に主要な3つを取り上げて説明します。

  • マーケティング機能
  • イノベーション機能
  • 経営管理的機能

マーケティング機能

経営管理システムにおけるマーケティング機能は、企業が市場の動向を把握し、顧客との関係を深め、収益の向上を目指すための核となる機能となります。例えば、顧客管理システム/顧客データベースを用いた高度な属性/分類化(セグメンテーション)により、特定の顧客層に合わせたパーソナライズされたマーケティング活動が可能になります。これにより、顧客一人ひとりのニーズに合わせた製品やサービスを提供することができ、顧客満足度の向上と共に、リピート率の増加や新規顧客の獲得に繋がります。

また、SNSやWebの分析ツールで得たデータなども統合し、リアルタイムでの市場動向や顧客の声を捉えることも可能です。リアルタイムで正しいデータを根拠に迅速な事業戦略の調整が可能になることが経営層にとって大きな魅力となるでしょう。

イノベーション機能

イノベーション戦略も企業が持続可能な成長を遂げるために不可欠です。経営管理システムでは、ビッグデータの分析やAI技術を活用して、市場や顧客の未来のニーズを予測し、それに基づいた新製品や事業、サービスの開発を支援できます。例えば、消費者の購買履歴やオンライン行動の分析とともに未来のトレンドを見極めることができます。競合他社に先駆けて革新的な製品を市場に投入する戦略が可能になるでしょう。

また、社内に設けるアイデア共有プラットフォームなどを通じて、従業員からの革新的なアイデアを収集・評価する──といった機能を備える製品もあります。新しいビジネスモデルの創出を促すための基盤を強化できるでしょう。

経営管理的機能

経営管理的機能は、組織全体のパフォーマンスを最適化し、戦略的な意思決定を支援することで、企業の持続的な成長を図るための機能です。財務管理、人事管理、生産管理、予算管理、予実管理、経営企画などの業務プロセスを統合し、リアルタイムでの情報共有を可能とすることで、すべての部門が一体となって効率的に動くよう体制を整えられます。

例えば、財務状況をリアルタイムに分析できれば、資金繰りの最適化や投資判断の精度を高められます。また、人事データの分析を通じて、従業員の能力や業績を正確に把握し、適切な人員配置や育成計画の立案に役立てることも可能です。このように経営管理的機能は、組織の効率化、リスク管理、戦略的な意思決定の精度向上に貢献し、企業の競争力の強化に大きく寄与します。

経営管理システムの導入で得られる効果

 経営管理システムの導入は、企業の効率性と生産性を向上させるための重要なステップとなります。主に挙がるそのメリットは以下の通りです。

  • 効率化
  • 意思決定の支援
  • 透明性

 まず、経営判断に伴う業務プロセスが自動化され、手作業のエラーが減少し、時間とコストが節約されます。正しいデータ、およびリアルタイムのデータに基づき、より正確で迅速な意思決定が可能になります。

 また、業務情報が一元化されることで、経営者・管理者は組織全体のパフォーマンスを的確に把握できるようになります。企業の競争力を高め、持続可能な成長を実現する一助となるでしょう。

経営管理システム導入プロジェクトの検討フローと注意点

では「経営管理システム」の導入を初期検討をシミュレートしてみましょう。一般的な検討フローを簡潔に示します。

  1. 自社ニーズの把握と分析
  2. 製品・ベンダーの調査・比較・検討
  3. 具体的な導入計画の策定

まず必要なのは「導入目的と期待する成果」を明確にすることです。企業や組織の目標と現状の業務プロセスを理解し、棚卸しし、整理し、必要な機能を定めます。

次に、製品の機能、コスト、サポート体制などを調査し、比較し、自社に適する製品、ベンダーの候補を絞っていきます。資料請求したり、検討の相談をしてみたり、無料トライアル期間などのお試しサービスを用いたりして、スモールスタートで簡易評価していくも得策です。

製品とベンダーの選定作業と並行して、具体的なスケジュール、コスト、人員配置などを計画していくとよいでしょう。

企業の規模や業種、目的や要件によってどれを主眼に置くか、予算やスケジュール感などは異なりますが、ポイントはやはり「自社に合った」製品の機能・サービスとそのベンダーがみつかるか、にあります。確認点や不明点を正しく、明快に答えてくれ、自社の目的と要望を理解して応えてくれる製品・ベンダーの選定は成功への近道といえます。

導入段階に入る前の注意点は以下の通りです。

  • ユーザー説明と教育
  • データ移行
  • 長期的視野

新たなシステムの導入、入れ替え時は「慣れないことによるユーザーの困惑」が多々発生します。システムの効果的な活用には、ユーザーの理解と協力が不可欠です。導入プロジェクトにおいては、ユーザー教育の期間と内容を十分に考慮し、余裕のある行程を確保しておくのも計画として忘れないようにしましょう。

経営管理システムはとにかく「データの正確さ」がキモです。既存のデータをどのように新システムへ正しく移行するか。そして移行する際の「データの整合性」と「安全性」の観点をどう確保するか。これらのことを可能な限り時間を取って検証していきましょう。

最後に、システムは企業の成長とともに進化します。自社の成長とともに、求める機能や内容、精度なども変わってくることでしょう。このことを踏まえた「将来的な拡張性」も選定要件として考慮しておきたいところです。

ITセレクトおすすめ「ERP」製品8選を比較

(製品名 abcあいうえお順/2024年7月時点)

Aladdin Office

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Aladdin Office

株式会社アイル

3.7

2

  • 【5000社以上の導入実績】多くのお客様の声を反映した完成度の高いパッケージ
  • お客様のご要望に合わせたカスタマイズ提案も対応可能
  • システム導入前から導入後まで、安心のフォロー体制。ユーザーリピート率は98.4%

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FAST

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RobotERPツバイソ

ツバイソ株式会社

4.1

25

  • 【ベストプラクティス】と【自動化】による生産性向上。
  • 【強力な管理会計】得意先、案件、商品、部門、セグメント、担当者別の計数管理
  • 【顧客と社内のコミュニケーションの強化、自動化】顧客、仕入先との電子取引。

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MA-EYES

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MA-EYES

株式会社ビーブレイクシステムズ

3.9

2

  • システムの自由度が高く、自社の業務フローに合わせた利用が可能
  • プロジェクトにアサインした人員の工数管理と勤怠管理が一緒に管理できる
  • 社内共通のプラットフォームでプロジェクト全体を見える化

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Odoo

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Odoo

株式会社湘南イノベーション

  • ビジネス機能を1つに統合され、データの一貫性と効率性が向上
  • カスタマイズや拡張が容易で、ビジネスニーズに合わせソリューション調整可能
  • コストパフォーマンス重視しながら、企業の成長に対応するための柔軟性と拡張性を提供

製品詳細を見る

RobotERPツバイソ

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販売・生産管理システム|FAST

株式会社すまいる顔

  • 本当に必要な機能だけを組み合わせられるから、無駄がない!
  • まずは使って試して後から調整できる。3ヶ月のカスタマイズし放題期間
  • IT導入補助金の補助対象だから、低コストでシステム導入が可能!

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Wasteforce

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Wasteforce

株式会社イーアイアイ

  • 廃棄物処理業に特化した AI自動配車・基幹業務システム
  • 新たな社会要請に対応する拡張性を持っています
  • AI自動配車のみでも利用可能

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いえらぶCLOUD

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いえらぶCLOUD

株式会社いえらぶGROUP

4

1

  • 不動産業界の幅広い業務を一気通貫でオンライン化できる使いやすさ。
  • 毎週高頻度で行われるアップデートが支持され、利用社数は15,000社を突破。
  • リアルタイムのポータル連動、LINEやチャットなどの自動追客機能。

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プロカン

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案件収支管理システム
プロカン

株式会社シービーティ―

4.6

3

  • 月ごと、案件ごと、担当ごとの収支状況がリアルタイムにわかる!
  • 「見やすく」「使いやすい」UIで誰でも操作がカンタン!
  • シンプルな料金プランで、リーズナブルに導入ができる!

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会計システムの選定と導入

続いて、経営管理システムの基本機能も含まれることが多い統合型の「会計システム」も併せて解説していきます。

会計システムの基礎と主な機能

会計システムは、企業の会計業務をシステム化し、帳票・伝票の記入、決算書の作成、会計内容の管理などの業務、会計に関わるデータを一元化し、効率化するシステム、ソフトウェア群です。

会計システムは主に、“外向け”の情報を管理する「財務会計システム」、“内向け(社内)”の情報を管理する「管理会計システム」、振込・手形発行などの支払い処理や管理のための「債務・支払いシステム」に分けられ、それらの機能が統合されています。製品や製品のプラン単位で個別に用意されることもあります。今回の経営管理システムは、管理会計システムと似た目的で用いるという理解でよいでしょう。

参考おすすめ記事 管理会計システムとは? 主な種類と導入のメリット、検討ポイントを解説

会計システムの主な機能

 会計システムが備える主要機能は以下の通りです。

  • 帳簿・伝票入力機能
  • 資金管理機能
  • 経営分析機能

「帳簿・伝票入力」は、日々の取引を記録するための帳簿や伝票を入力し、管理する機能です。データを一元化することで「自社全体」の財務状況を正確に把握できるようにもなります。

ITセレクトおすすめの会計システム

freee会計

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freee会計

freee株式会社

4

163

  • クラウド完結の社内申請で紙、エクセル業務から脱却
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経営管理システムは、経営層の「重要な経営判断」を強力に支援

以上、経営者・管理者の「経営判断」を支援する「経営管理システム」の効果と、実際に導入検討を進めていく上で準備しておくべきポイントを解説しました。

システムを選ぶ際には、総じて自社のニーズに合った機能を優先したうえでコスト対効果をじっくり検討し、他のシステムとの連携やUI/UXの利便性、ユーザーへの教育体制なども評価することが大切です。新システムを導入することで、「効率向上」「コスト削減」「データドリブン型の戦略を実現できる」といったビジネス成長の効果も期待できます。

「自社に合うIT製品・サービスが分からない」「時間をかけずに効率的にサービスを検討したい」というご担当者様は、ぜひITセレクトのコンシェルジュサービス(無料)までお問い合わせください。適切なIT製品・サービスのご紹介や各種資料を分かりやすくご提供します。

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