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経営管理システムとは? 導入のメリットと主な機能、検討ポイントをチェック

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ITセレクト編集部

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「経営判断の効率化を図りたいが、自社の情報系統はいまだ部門ごとにサイロ化したままだ。得たい情報を思うように得られない……」。経営者や管理者は、経営、事業戦略の意思決定に必要な情報が得られず、業績管理の煩雑さに日々頭を悩ませています。「経営管理システム」により、その課題を解消できるかもしれません。本記事では、経営管理システムで実現する効果、導入メリットと主な機能、そして検討ポイントを詳しく解説します。あなたの会社とビジネスに適する経営管理システムを見つけるための一助となれば幸いです。

経営管理システムの基礎知識

 経営管理システムとは、組織や企業が経営活動を効率的に管理し、意思決定をサポートするためのシステムやソフトウェアのことを指します。以下より、「経営管理システム」の基礎と機能、役割やメリット、導入と活用で得られる効果を簡単に解説していきます。

経営管理システムとは何か? 

経営管理システムは「経営課題を可視化し、迅速かつリアルタイムに適切な経営判断を行う」を実現するために、企業が活動を行う上で経営判断に必要なデータを一元管理するシステムです。

経営管理システムは、ITソフトウェア/SaaS(Software as a Sercice)における一般的なカテゴリとしては「会計システム」の1つとして分類されることが多いです。このほかに、「プロジェクト管理ツール」「BI(Business Intelligence)ツール」「CRM(Customer Relationship Management)」「HRM(Human Resource Management)」、そして企業の持つ資産である「ヒト、モノ、カネ、情報」を踏まえた企業戦略を一元管理する統合基幹ソフトウェア群「ERP(統合基幹業務)パッケージ」に包括されることも多いです。

経営管理システムは、ERPと似た概念や機能を持つことが多いかもしれません。ERPは複数の基幹システムを1つのプラットフォームで統合し、企業全体の資産である「ヒト、モノ、カネ、情報」を一元管理して効率化することが主軸です。それに対して経営管理システムは、経営判断のための情報を収集・加工・提供するための「具体的な目的・要望」に特化し、会計や人事、生産などの業務データを統合して提供します。最終的に「誰」に向けたシステムなのか、誰向けに特化しているのか、の観点で少し異なるといえるかもしれません。

 

経営管理システムのメリット、導入で得られる効果

経営管理システムで実現する主な機能

経営管理システムには「経営判断」に通じる多くの機能が備わりますが、以下に主要な3つを取り上げて説明します。

  • マーケティング機能
  • イノベーション機能
  • 経営管理的機能

マーケティング機能は経営管理システムの基本的な要素です。自社の能力・状況とともに、市場および顧客のニーズに応えることができるようなサービスや商品を開発し、供給していく仕組みを構築できます。流行や市場の動向についての情報を素早く集めて、正確に分析した情報を出すことが求められます。

イノベーション機能は技術革新、開発、新しい価値観の創出を行うことで、自社が安定して成長をしていくことにつなげていく戦略を立てるためにあります。自社の技術を再構築したり、自社の商品を改良したり、付加価値をつけたりといった工夫もこの機能で判断するものとなるでしょう。

経営管理的機能はその名前の通り、管理会計の明確化や「KPI(Key Performance Indicator:重要業績評価指標)」の設定などを行うことで、企業の生産性を向上させていくための機能です。この機能を活用し、充実させていくことで、経営資源を適切に管理、配分していけるだけでなく、進ちょくをリアルタイムに把握して判断することも可能となってきます。

 

経営管理システムの導入で得られる効果

 経営管理システムの導入は、企業の効率性と生産性を向上させるための重要なステップとなります。主に挙がるそのメリットは以下の通りです。

 

  • 効率化
  • 意思決定の支援
  • 透明性

 まず、経営判断に伴う業務プロセスが自動化され、手作業のエラーが減少し、時間とコストが節約されます。正しいデータ、およびリアルタイムのデータに基づき、より正確で迅速な意思決定が可能になります。

 また、業務情報が一元化されることで、経営者・管理者は組織全体のパフォーマンスを的確に把握できるようになります。企業の競争力を高め、持続可能な成長を実現する一助となるでしょう。

 

経営管理システム導入プロジェクトの検討フローと注意点

では「経営管理システム」の導入を初期検討をシミュレートしてみましょう。一般的な検討フローを簡潔に示します。

 

  1. 自社ニーズの把握と分析
  2. 製品・ベンダーの調査・比較・検討
  3. 具体的な導入計画の策定

まず必要なのは「導入目的と期待する成果」を明確にすることです。企業や組織の目標と現状の業務プロセスを理解し、棚卸しし、整理し、必要な機能を定めます。

次に、製品の機能、コスト、サポート体制などを調査し、比較し、自社に適する製品、ベンダーの候補を絞っていきます。資料請求したり、検討の相談をしてみたり、無料トライアル期間などのお試しサービスを用いたりして、スモールスタートで簡易評価していくも得策です。

製品とベンダーの選定作業と並行して、具体的なスケジュール、コスト、人員配置などを計画していくとよいでしょう。

企業の規模や業種、目的や要件によってどれを主眼に置くか、予算やスケジュール感などは異なりますが、ポイントはやはり「自社に合った」製品の機能・サービスとそのベンダーがみつかるか、にあります。確認点や不明点を正しく、明快に答えてくれ、自社の目的と要望を理解して応えてくれる製品・ベンダーの選定は成功への近道といえます。

 

導入段階に入る前の注意点は以下の通りです。

  • ユーザー説明と教育
  • データ移行
  • 長期的視野

新たなシステムの導入、入れ替え時は「慣れないことによるユーザーの困惑」が多々発生します。システムの効果的な活用には、ユーザーの理解と協力が不可欠です。導入プロジェクトにおいては、ユーザー教育の期間と内容を十分に考慮し、余裕のある行程を確保しておくのも計画として忘れないようにしましょう。

経営管理システムはとにかく「データの正確さ」がキモです。既存のデータをどのように新システムへ正しく移行するか。そして移行する際の「データの整合性」と「安全性」の観点をどう確保するか。これらのことを可能な限り時間を取って検証していきましょう。

最後に、システムは企業の成長とともに進化します。自社の成長とともに、求める機能や内容、精度なども変わってくることでしょう。このことを踏まえた「将来的な拡張性」も選定要件として考慮しておきたいところです。

 

「会計システム」の選定と導入

続いて、経営管理システムの基本機能も含まれることが多い統合型の「会計システム」も併せて解説していきます。

「会計システム」の基礎と主な機能

会計システムは、企業の会計業務をシステム化し、帳票・伝票の記入、決算書の作成、会計内容の管理などの業務、会計に関わるデータを一元化し、効率化するシステム、ソフトウェア群です。

会計システムは主に、“外向け”の情報を管理する「財務会計システム」、“内向け(社内)”の情報を管理する「管理会計システム」、振込・手形発行などの支払い処理や管理のための「債務・支払いシステム」に分けられ、それらの機能が統合されています。製品や製品のプラン単位で個別に用意されることもあります。今回の経営管理システムは、管理会計システムと似た目的で用いるという理解でよいでしょう。

 

会計システムの主な機能

 会計システムが備える主要機能は以下の通りです。

 

  • 帳簿・伝票入力機能
  • 資金管理機能
  • 経営分析機能

「帳簿・伝票入力」は、日々の取引を記録するための帳簿や伝票を入力し、管理する機能です。データを一元化することで「自社全体」の財務状況を正確に把握できるようにもなります。

 

経営管理システムは、経営者・管理者の「重要な経営判断」を強力に支援します

以上、経営者・管理者の「経営判断」を支援する「経営管理システム」の効果と、実際に導入検討を進めていく上で準備しておくべきポイントを解説しました。

システムを選ぶ際には、総じて自社のニーズに合った機能を優先したうえでコスト対効果をじっくり検討し、他のシステムとの連携やUI/UXの利便性、ユーザーへの教育体制なども評価することが大切です。新システムを導入することで、「効率向上」「コスト削減」「データドリブン型の戦略を実現できる」といったビジネス成長の効果も期待できます。

「自社に合うIT製品・サービスが分からない」「時間をかけずに効率的にサービスを検討したい」というご担当者様は、ぜひITセレクトのコンシェルジュサービスまでお問い合わせください。適切なIT製品・サービスのご紹介や各種資料をご提供します。

 
「会計システム」のおすすめ製品はこちらから。

→ 会計システムの製品一覧

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