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MESとは? ビジネスに与える影響とERPとの違い|製造現場の生産管理効率化とDX化に寄与するIT製品

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ITセレクト編集部

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(iStock/PhonlamaiPhoto

昨今、早期の対応や実践が叫ばれる「企業のDX(デジタルトランスフォーメーション)」。このDXを実践、検討していく中でよく登場する「聞き慣れない単語/略語」から、IT製品の活用において「実はあまり理解していなかったかもしれない用語/略語」「これから使っていくかもしれない言葉」をピックアップし、サクッと解説します。今回は「MES(Manufacturing Execution System)」です。

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MESの基礎知識

MESとは

MES(Manufacturing Execution System/製造実行システム)とは、製造業における生産・製造活動のリアルタイムかつ高度な管理、制御を支援するITシステム/IT製品のことを指します。

MESの目的

MESの主目的は、生産計画、品質管理、在庫管理など製造プロセスで発生する行程とその情報を一元管理し、把握し、製造現場の効率化と成果創出につなげることです。

MESによる一元化したリアルタイムで正しいデータをもとに、状況を可視化し、把握し、適切に分析・活用することで、生産効率の向上やコスト削減を実現します。併せて、生産現場、生産ラインの稼働状況や異常発生時の対応など、迅速な意思決定を支援する情報も提供します。

これらによって「自社の競争力強化」に寄与します。

MESの主な機能

MESに備わる主な機能は以下の通りです。

・作業手順管理機能

作業の流れや手順を管理し、効率的な生産活動を支援します。

・入荷・出荷管理機能

材料入荷から製品出荷までの一連の流れを一元的に管理します。

・在庫管理機能

材料や部品、製品の在庫状況をリアルタイムに把握します。

・品質管理機能

製品の品質を保証するための各種検査、試験結果などの情報や工程を管理します。

・設備保全管理機能

設備の稼働状況管理、不良故障予防対策、設備の保守修理の履歴、行程を管理します。

・生産計画管理機能

蓄積されるデータを元に生産計画を立案します。製造の進ちょくを可視化し、より高度な生産管理や事業判断の信頼性、迅速化の実現を支援します

MESの導入・活用シーン

MESは製造業全般で活用されますが、例えば、自動車、電子部品、食品・飲料、化学・製薬などの「生産部門」「品質管理部門」で使われることが一般的です。

MESで得られるビジネス効果

  1. 生産品質の向上
  2. コスト削減
  3. 生産性向上
  4. 業務の標準化・技能継承
  5. DX(製造業のデジタル化)の推進

生産品質の向上

MESは品質管理プロセスを統合し、製品の品質なども含めて一貫して管理します。これにより、より高い品質の製造を維持するとともに、品質の問題や課題も早期に検出し、より正確で迅速な対処、向上していくことが可能になります。

コスト削減

MESの導入により生産プロセス全体が効率化され、管理体制の改善に寄与します。これにより、業務効率化によるコスト削減が期待できます。

生産性向上

MESによるリアルタイムな情報をもとにした製造プロセスの管理により、生産の無駄や課題の解消に寄与します。結果としてより生産効率を向上させることが可能になります。

業務の標準化・技能継承

MESは製造現場の一連の業務を標準化し、属人化を解消できます。これにより、技能の継承や新人教育なども容易になります。

DX(製造業のデジタル化)の推進

MESは製造現場のDX(デジタルトランスフォーメーション)を推進します。これにより、データベース化された情報を活用した高度な分析や予測が可能になります。

MESの機能が含まれる/連携・併用・関連によって相乗効果が期待されるIT製品

ERPとMES

ERP(Enterprise Resource Planning)とMESは、両者とも自社の業務効率化を目指すIT製品ですが、その対象範囲と目的は少し異なります。

ERPは「企業全体の情報」を一元管理し、経営資源(ヒト・モノ・カネ・情報)を統合的に管理する基幹システムです。これには生産管理、在庫管理、受発注といった管理機能や情報も含みつつ、主に財務を中心に、会計、在庫管理、購買管理、人事管理など、企業の経営全体を見渡して管理します。

一方のMESは、製造業の生産プロセス管理に特化し、主に製造現場のフロー最適化や品質管理の向上を目指します。ERPが扱う生産管理データのうち、現場に近い層の業務と情報を管理します。

具体的な利用シーンでは、ERPは「計画層の支援」、MESは「実行層の支援」を担います。

このため、ERPとMES(の機能)は連携して使われることが多いです。例えば、経営層がERPで立案した経営計画や生産計画に基づき、工場長がMESでより緻密で正確な生産・製造工程を管理するイメージです。

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在庫管理システムとMES

在庫管理システムは、部材や生産した製品を含めた商品の在庫状況をリアルタイムで把握し、適切な在庫量を維持することで、適時に商品を供給できるようにするためのITシステムです。

一方のMESは、工場内の生産プロセス管理に特化し、主に製造現場の適切な生産計画化、行程の最適化、品質管理の向上を目指すITシステムです。

具体的な利用シーンでは、在庫管理システムは「在庫の管理」、MESは「製造工程の管理」と担当する工程に違いがあります。

MESで管理する生産計画に基づき、在庫管理システムで適切な在庫量を維持するといった連携によって生産から出荷までの全体フローを最適化し、業務の効率化を図ることが期待できます。

もっとも、在庫管理システム、MESともに、前述したERP製品に機能が統合・包括されている例が多いです。また、それぞれ個別のシステムでは、相互のデータの矛盾や前提条件の相異が連携における問題になる例もあると言われます。個別導入時には「連携性」の観点を忘れずに確認するとよいでしょう。

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受発注システムとMES

受発注システムは、製品の「受注、発注業務」を一元管理し、効率化するIT製品です。受注や発注を行う上で必要なさまざまな機能を集約し、受注管理から在庫管理、そして出荷管理まで、一元化したデータのもとで、正確かつ作業の効率化、迅速化した受注、発注業務を実現します。

具体的な利用シーンでは、受発注システムは「受注と発注の管理」、MESは「製造工程の管理」に焦点を当てる違いがあります。

例えば、MESで管理する生産計画に基づき、前述した在庫管理システムで適切な在庫量を維持しつつ、受発注システムで適切に受注と発注を管理する連携によって、仕入れ、製造・生産、受発注、出荷までの全体フローを最適化し、業務の効率化を図ることが期待できます。

なお受発注システムの機能も、在庫管理システムとMESと同様に、前述したERP製品に機能が統合・包括されている、あるいはERP製品に機能追加オプションとして用意されている例は多いです。それぞれ個別に製品を導入するパターンに対して、それぞれの機能が包括された1つのERP製品であれば、前述した「連携性」の問題が起こる可能性はより低いとされます。

ただ、“統合型”“全部入り”がよいとも限りません。端的に、余計な機能、使わない機能があればそれだけ余計にコストがかかってしまいますし、自社全体のITシステムを刷新するとなればおそらく「大ごと」。簡単には進まないかもしれません。自社が抱える課題やありたい姿に向けて、目的や成果、速度感に特化した「業務改善」を目指すのか、それとも“全体的/抜本的”な改革を目指す「業務改革(BPR)」を行いたいのか──などによって、個別型か統合型かを定める方法も検討するとよいでしょう。

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