通販・EC業では「顧客満足度の向上」と「リピート率の向上」が、ビジネスにおける売上そして成果に大きく関わる要素です。そのための顧客データの管理と分析からマーケティング・販売戦略まで、これまで手探りだった課題をデジタルで解決する方法、そしてそれを実現するIT製品が「CRM」です。
本記事では、通販・EC業の皆さんが直面するこれらの課題を解決し、ビジネス成果を最大化するためのCRMの選定から導入、活用までの過程を詳細に解説します。
目次
CRMとは?
CRMとは「顧客関係管理」のことです。これは、Customer Relationship Managementの略で、顧客との関係をよりよくするための戦略やシステムのことを指します。
具体的には、顧客の購入履歴や問い合わせ内容を一元管理し、顧客一人ひとりのニーズに合ったサービスや商品を提供することが目的です。例えば、過去に購入した商品に基づいておすすめの商品を提案したり、問い合わせに迅速に対応することで、お客様の満足度を高め、リピート購入を促すことができます。CRMを導入することで効率的な営業活動が可能となり、売上の向上にもつながります。
通販・EC業界におけるCRMの重要性
CRMの通販・EC業での役割
CRMは、通販・EC業界において顧客データの一元管理、顧客行動の分析、パーソナライズされたサービスの提供を通じて顧客満足度を高める役割を果たします。これにより顧客の購買履歴や問い合わせ内容を元に、最適な商品提案や迅速な対応が可能となり、顧客との長期的な信頼関係を築くことができます。結果として、リピート購入の促進や売上増加につながります。
通販・EC業におけるCRMの導入理由と効果
通販・EC業界がCRMを求める理由は、顧客データを効果的に活用し、個々の顧客に対するパーソナライズされたサービスを提供するためです。これにより顧客満足度を向上させ、リピート購入を促進できます。また、顧客行動の分析を通じてマーケティング戦略を最適化し、広告費などの無駄を削減しつつ、売上を増加させることが可能です。顧客との長期的で強固な関係を築くことによって自社の競争力を高める考え方です
通販・EC業が特に求めるCRMシステムの機能
通販・EC業界が特に求めるCRMシステムの機能には、
- 顧客データの一元管理機能
- パーソナライズされた商品提案機能
- 購入履歴の分析機能
- 自動化されたマーケティングキャンペーンの実施を支援する機能
- リアルタイムのカスタマーサポート機能
などがあります。これらの機能により、顧客のニーズを的確に把握し、迅速かつ効率的に対応することが可能です。これらの機能が顧客満足度の向上と売上増加に直結します。
通販・EC業におけるCRMのメリット
- 売上増加を実現できる
- リピート購入を促せる
- 顧客満足度を向上させられる
- マーケティングタスクを最適化できる
- 顧客ロイヤルティを強化できる
- 業務運営の効率化を図れる
- データ分析による戦略立案が可能となる
- マルチチャネル対応を強化できる
売上増加を実現できる
売上増加は、どの企業にとっても最も重要な目標です。CRMの導入により、クロスセル(関連する商品も推奨し、一緒に買ってもらうこと)やアップセル(選択した商品より上位・高機能・高価格帯のものを推奨し、買ってもらうこと)の機会が増え、売上が向上します。
リピート購入を促せる
通販・EC業において、獲得した顧客をいかにリピート購入に結びつけるかが特に重要です。CRMを活用することで顧客の嗜好や行動パターンに基づいて効果的にフォローしていく体制の構築が可能となります。
顧客満足度を向上させられる
顧客満足度の向上は、長期的なビジネスの成功に直結します。CRMシステムにより、迅速かつ適切なサービス提供が可能となり、顧客満足度が向上します。
マーケティングタスクを最適化できる
効果的なマーケティングは、売上増加と顧客満足度の向上に直結します。CRMを用いることで、ターゲット層を精確に絞り込み、効率的なキャンペーンを実施できます。
顧客ロイヤルティを強化できる
ロイヤルティプログラムや特別キャンペーンを通じて、顧客の忠誠心を高めることは、リピート購入の促進とブランド価値の向上につながります。
業務運営の効率化を図れる
CRMシステムの導入で、データの一元管理や自動化が進み、業務効率が向上します。これにより、従業員はより価値の高い業務に集中できるようになります。
データ分析による戦略立案が可能
データに基づいた戦略的な意思決定は、通販・EC業の競争力を高めます。CRMシステムにより、顧客データを詳細に分析し、最適な戦略を立案できます。
マルチチャネル対応を強化できる
顧客との接点が多様化する中で、どのチャネルからでも一貫したサービスを提供することは重要です。CRMを用いることで、マルチチャネル対応が強化され、顧客の利便性が向上します。
CRM導入の準備と検討ポイント
1.通販・EC事業におけるCRM導入の目的明確化
CRMを導入する際には、まずその目的を明確にすることが重要です。例えば、顧客満足度を向上させたい、リピート購入を促したい、マーケティング効果を高めたい、業務効率を向上させたいなど、具体的な目標を設定します。これにより、製品を選定/絞り込みやすくなり、また導入後の効果測定が容易になるので、どの機能が特に重要かを判断できます。また、目的を明確であれば、社内の全員が同じ方向を向いて取り組むことができ、成功の可能性を高められます。
2.成功に向けた企業内体制と業務フローの整備
CRMの導入を成功へ導くには、企業内の体制と業務フローの整備も欠かせません。まず、プロジェクトチームを編成し、各部署が連携して取り組むための体制を構築しましょう。次に、現行の業務フローを見直し、CRM導入後にどのように変わるかをシミュレーションします。新しいシステムに慣れ、効果的に活用できるようにするため、従業員に対する教育・トレーニングの準備・計画も重要です。こうした準備をすることで、選定~導入後の混乱を最小限に抑え、スムーズな運用を実現できます。
3.適切なCRMツール選定のための基本要件
適切なCRMツールを選定するために、基本要件を改めて明確にしましょう。自社のビジネスモデルや業務フロー、今ある課題/解決したい課題、具体的な目標値や期日などを改めて洗い出して整理し、「要件」としてまとめます。次に、必要な機能、顧客データ管理、マーケティング自動化、分析ツールなどが搭載されているかを確認します。同時に他のシステム、例えばERP(基幹システム)やSFA(営業支援システム)、MAツール、名刺管理システム、販売管理システム、在庫管理システム、メールマーケティングツールなどとの連携性も考慮します。使いやすさやユーザーインタフェースのような主観的な箇所は、無料版/無料トライアルを有効に使って「導入前にお試し」することが有効です。
最後に、コストパフォーマンスを評価し、導入・運用コストが予算内に収まるかを確認します。これらの要件を満たすCRMツールを選定することで、導入後の効果を最大化できます。
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